中島 祥裕 院長の独自取材記事
鶴見小野駅前 内科・内視鏡クリニック
(横浜市鶴見区/鶴見小野駅)
最終更新日:2025/05/30

鶴見小野駅から徒歩1分と好アクセスな立地にある「鶴見小野駅前 内科・内視鏡クリニック」。急性期医療に注力している川崎幸病院で経験を積んだ中島祥裕院長は、内科と内視鏡の検診を定期的に受けられる地域のかかりつけ医の重要性を感じ独立。身体的痛みや時間的負担が少ない内視鏡検査および治療を同院の強みとし、待ち時間やスタッフ対応まで含めて患者に満足してもらえるクリニックづくりをめざしている。今回は中島院長に、2025年4月21日の開業を控えるクリニックの特徴や、今後の展望について詳しく聞いた。
(取材日2025年4月7日/情報更新日2025年5月23日)
内科と内視鏡の専門家として地域医療への貢献をめざす
まず開業の経緯について教えてください。

私はもともと急性期病院である川崎幸病院に勤めていました。こちらの病院は「絶対に断らない救急」という方針を掲げ、数多くの救急患者さんを受け入れていました。研修医の頃から救急患者の皆さんに対応する日々を送る中で、病気の早期発見の大切さを痛感していました。仮に普段から定期的に内科や内視鏡の検査を受けていれば、病気が進行する前に事態を解決できたかもしれない、そういう患者さんが多いと感じていたからです。かねてより内視鏡検査の専門家として地域医療に貢献したいという思いも強く、内科と内視鏡検査に力を入れるべく、2025年4月21日に当院を開業するに至りました。
クリニックの専門領域や特徴について教えていただけますか。
私は日本消化器病学会消化器病専門医と日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医の資格を有しています。内科の診療と内視鏡検査の両方を一緒に受けられるクリニックは、まだそれほど多くないかと思います。内科で診療を受けた患者さんが他の病院で内視鏡検査を行うとなると、時間的・身体的負担が大きく、つい腰が重くなりがちです。内科と内視鏡検査の両方に対応した当院では、患者さんが効率的に診療を受けられる環境を整えることで、さまざまな消化器疾患、胃がん、大腸がんなどの早期発見に貢献していきたいと考えています。
クリニックならではの強みについてはどうお考えですか。

当院の強みは、胃・大腸の内視鏡検査およびポリープ切除です。希望される方には、内視鏡検査の際に鎮静剤を使用することも可能です。仮に大腸カメラでの検査時に大腸ポリープを発見した場合、同日に切除することもできます。また、これまで内科の専門家として救急患者に対応してきた経験を生かし、かかりつけ医として幅広い疾患に対応できることも強みの一つだと考えています。生活習慣病を始めとし、食思不振や頭痛などちょっとした体のお悩みに関しても幅広く対応しています。 しかし、高度な専門知見が必要な疾患については外部の病院を紹介することもあります。
患者の負担を減らす工夫もされているそうですね。
当院では、胃カメラと大腸カメラの検査を同日に受けていただくことが可能です。検査を別々の日に分ける必要がなく、準備や移動の手間が一度で済むため、忙しい方にも負担が少なく済みます。特に鎮静剤を使う場合は、薬の影響も一度で済むので、身体への負担が軽減されるのも大きなメリットです。さらに当院では、リクライニングストレッチャーをご用意しており、検査後はそのまま横になった状態でリカバリー室までご案内します。無理に起き上がって歩く必要がないので、鎮静剤の影響によるふらつきや転倒のリスクも避けられ、最後まで安心してお過ごしいただけるよう配慮しています。
患者の不安に配慮、丁寧な説明と安心感がモットー
医師をめざしたきっかけを教えてください。

大きかったのは、開業医だった叔父の影響です。私の祖父は「医師は人を救うために頑張る素晴らしい職業だ」と叔父のことをいつも称えていました。幼い頃から医師という職業の話に接していた私は、いつからか自然と憧れを抱くようになりました。消化器内科を選択した理由は、純粋に内視鏡分野に強い興味と感心を持っていたからです。内視鏡検査には職人技のような技術が必要です。また、病気を早期発見することで、大がかりな手術以前に内視鏡手術で治療を完結できる点にも魅力を感じました。
クリニックではどのような診療方針を掲げていますか。
当院では、何よりもまず患者さんの不安を取り除くことを大切にしています。検査や治療の前には、内容や流れを丁寧にご説明し、納得してから進めることを心がけています。検査後も、結果の説明だけでなく、今後の体調の変化にどう対応すれば良いかといった点まで、しっかりお話しするようにしています。私自身が特に意識しているのは、内視鏡検査の前に必ず一言声をかけること。麻酔を使ってそのまま始めるのではなく、きちんと顔を合わせて声をかけることで、少しでも安心して検査を受けていただけるよう努めています。その不安を取り除きたいというのが私のこだわりです。クリニックの理念的なポリシーとしては、診療内容はもちろん、待ち時間、スタッフの対応などまで含めて「患者さんに満足してもらえるクリニック」、そしてスタッフの働きがいを重視したクリニックづくりをめざしています。
内視鏡検査の痛みを和らげるため、さまざまな工夫を実践されていると伺いました。

胃カメラ検査では外径5.4mmと非常に細い経鼻用のカメラを利用しています。ボールペンぐらい細さなので、苦痛が少ないのが特徴です。旧式の経鼻用カメラは画質が落ちるという欠点がありましたが、新鋭の内視鏡システムを取り入れることで課題をクリア。見落としを防ぐことができるように努めています。大腸検査では、腸が強く引っ張られたり、屈曲を越える際にカメラに押されたりすることで痛みが生じます。そのため腸を伸ばさず、空気を極力入れずに少量の水を入れて検査する「浸水法」や、腸を丁寧に畳み込んで短縮しながらカメラを進める「軸保持短縮法」などを駆使して、患者さん痛みと不安を取り除けるように工夫しています。また大腸カメラでは炭酸ガス送気装置を導入しています。検査後の苦痛や腹部の張りを抑えやすいように、空気の代わりに炭酸ガスを注入しています。
アクセスや設備面での特徴も教えてください。
当院は駅から1分の好アクセスな立地にあり、薬局も隣接しています。また、当院では発熱患者さん用の個室を2部屋用意しています。受付からすぐに個室にご案内できる設計にしてあり、通常の患者さんと待機空間や動線が一緒にならないようにしています。発熱以外の患者さんにも、安心して来院していただきたいですね。
地域のかかりつけ医として頼られるクリニックに
患者さんとの印象深いエピソードがあれば教えてください。

以前、病院に勤務していた頃から通ってくださっている患者さんが、開業後もわざわざ足を運んでくださることに、たいへん感謝しています。「先生に直接お願いしたい」「先生に触れてもらうと安心する」といった言葉をいただくたびに、ありがたさとともに、責任の重さを強く感じます。患者さんとの信頼関係を大切にし、一人ひとりとしっかり向き合うことの重要性を日々感じています。これからも、患者さんが安心して通える場所であり続けるために、謙虚に、丁寧に向き合っていきたいと思っています。
休日などプライベートな時間はどのようにお過ごしですか。
独身の頃は、休日にはほとんど自主的に病院に出勤して、回診したり勉強したりしていました。自分が受け持った患者さんの病状がどうしても気になってしまって、ついつい顔を見に行ってしまう習慣があったのです。あえて趣味と言えば、たまに知り合いの先生と一緒にゴルフに行くこともありました。ただ病院で過ごしていた記憶がほとんどです。最近は開業準備のためにプライベートの時間を費やすことが多かった気がします。また、最近子どもができたこともあり、週末は家族で過ごすことが増えました。
最後に読者へのメッセージと今後の展望についてお聞かせください。

大腸がん検診の対象は40歳以上とされていますが、実際には若い方でも病気が見つかるケースが増えてきています。そのため、年齢に関わらず、体調に気になる変化がある場合には、内視鏡検査を含めた適切な検査を受けることが大切です。当院は、地域のかかりつけ医として信頼されるクリニックをめざしています。消化器に限らず、おなかの不調や日々の体調管理、ちょっとした体の違和感なども、気になることがあればお気軽にご相談ください。