環境の変化などで増える子どもの近視
適切な受診時期や治療方法は
新小岩眼科分院
(葛飾区/新小岩駅)
最終更新日:2025/05/19


- 自由診療
スマートフォンなどのデジタルデバイスが生活に欠かせなくなった現代、増えているのが子どもの近視だ。2050年には世界人口の約半分が近視になるともいわれており、近視人口の増加は世界的な課題となっている。「新小岩眼科分院」では、増える子どもの近視に着目し、子どもの近視治療、近視進行抑制治療に力を入れている。院長の安武正治郎先生は、「近視は子どもの頃に進行し、大人になってからは安定することが多い。早い段階で近視に対して適切にアプローチできれば、生涯にわたって快適な見え方を維持することにつながる」と語る。安武先生に、適切な受診のタイミングや具体的な治療方法について教えてもらった。
(取材日2025年3月27日/情報更新日2025年5月8日)
目次
近視かもしれないと感じた時が受診のタイミング。コンタクトレンズでの矯正や点眼による近視抑制も望める
- Q子どもの近視の原因について教えてください。
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A
▲まずは近視の状態を正確に把握することが重要
近視の発症には、遺伝的要因と環境要因の2つが大きく関わっていると考えられています。両親のいずれかが近視である場合には、子どもも近視になる確率が高くなります。スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスを近くで見て過ごす時間が長くなっていること、外で遊ぶ時間も短くなっていることも、近視人口の増加につながっているといわれています。近視は、8歳頃からの5年間で進行速度のピークを迎え、その後はペースを落としながら18歳頃まで徐々に進行していきます。
- Q子どもの近視を防ぐためにできることはありますか?
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A
▲検査結果を一緒に確認しながら治療を進めていく
スマートフォンやテレビなどを近い距離で長時間見続けないようにすること、そして一定時間見たら目を休めることが、近視の予防には大切です。近くを見る作業が20分続いたら、20秒は遠くを見て目を休めるように心がけましょう。子どもはスマートフォンやゲームに長時間夢中になりやすいので、保護者の方がタイミングを見て声をかけてあげてください。また、適度に屋外で遊ぶことも重要です。遺伝的に近視になりやすい場合であっても、屋外で過ごす時間を十分確保することで、近視の発症や進行を抑えられることが報告されています。ゲームやテレビの時間を少し減らして、外で遊ぶ時間を意識的に取り入れるようにできるといいですね。
- Q近視を放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲安武院長は「近視の診療に力を入れていきたい」と話す
近視は眼軸長(眼球の前後方向の長さ)が伸びることでピントが合いにくくなった状態です。眼鏡やコンタクトレンズによって視力を矯正することはできても、近視そのものを治療することはできません。つまり、既に伸びてしまった眼軸長は元には戻せません。裸眼視力が低下することは、生活の質が下がることにもつながります。また、近視の度数が強くなった強度近視と呼ばれる状態になると、将来的に緑内障や網膜剥離などの合併症を引き起こす可能性が高まります。このような合併症は年を重ねてから現れるものがほとんどです。子どもの頃から近視の進行を予防しておくことは、大人になってからの視力や生活を守ることにつながります。
- Q適切な眼科の受診のタイミングについて教えてください。
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A
▲検査機器だけでなく、視能訓練士などのスタッフの体制も充実
小学校低学年やそれより小さなお子さまは、見え方に違和感があっても、自分から症状を訴えることはほとんどありません。そのため、学校検診で初めて近視を指摘され、驚いた保護者の方がお子さまと一緒に慌てて眼科を受診されるケースも少なくありません。検診以外の早い段階で近視に気づくためには、保護者の方がお子さまの様子をよく観察してあげることが大切です。例えば、テレビを近くで見たがったり、物を見る時に目を細めたりしている場合は、近視の可能性があります。学校検診では正確な視力が測定できていないこともあるため、お子さまが近視かもしれないと感じたら、いつでもお気軽にご相談ください。
- Q子どもの近視の治療方法を教えてください。
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A
▲同院のオルソケラトロジー。装用方法や管理のアドバイスまで行う
当院では、オルソケラトロジーという近視治療と、低濃度アトロピン点眼薬を用いた小児の近視進行抑制治療に取り組んでいます。オルソケラトロジーは、寝ている間に特殊なコンタクトレンズを装用することで角膜の形状を変化させて、近視の程度の軽減をめざす治療です。日中は裸眼での生活が可能で、スポーツに取り組むお子さまなどにお勧めです。低濃度アトロピン点眼薬は、1日1回寝る前に使用するだけなので継続しやすい治療法で、5歳頃から使用可能です。近視の進行抑制に役立ちますが、視力は変化しないため、普段は眼鏡やコンタクトレンズの装用が必要です。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/17万6000円~、低濃度アトロピン点眼液(1箱30日分)/4380円