視力矯正は、就寝中に行える
小学生から可能なオルソケラトロジー
新小岩眼科分院
(葛飾区/新小岩駅)
最終更新日:2025/05/14


- 自由診療
「オルソケラトロジー」は、子どもの近視の治療法として近年、広く認知されるようになった。特殊なコンタクトレンズによって角膜の形を矯正し、近視の度数を軽くするための治療方法で、小学生からスタートが可能。就寝中のみレンズを装着し、朝起きて以降は裸眼で過ごすことができるため、日常生活におけるストレスも少ない。オルソケラトロジーをはじめとした子どもの近視治療に積極的に取り組む「新小岩眼科分院」の院長・安武正治郎先生に、オルソケラトロジーの詳しい内容や、治療を行う際の注意点などについて話を聞いた。
(取材日2025年3月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qオルソケラトロジーとはどのような治療でしょうか?
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A
オルソケラトロジーは、特殊な形状のハードコンタクトレンズを用いて角膜の形を矯正することで、日中の近視の程度の軽減を図る治療法です。このレンズを毎晩、就寝中に装用することで、眠っている間に角膜の形状を緩やかに変化させ、近視の度数軽減をめざします。翌朝にコンタクトレンズを外した後は、裸眼で過ごすことが可能です。レンズの装用時間は最低でも6時間以上、理想は8時間です。
- Qオルソケラトロジーのメリットを教えてください。
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A
日中、裸眼で生活できることが最大のメリットです。スポーツをする際に眼鏡が不便なお子さまや、眼鏡の装用に抵抗があるお子さまにも適した治療法です。通常のコンタクトレンズは、日中に装用や管理を行う必要がありますが、オルソケラトロジーは就寝中に装用するだけなので、保護者の方がレンズの管理状況を把握しやすいという安心感もあります。角膜の矯正は一時的なものであり、レンズの装用を中止すれば角膜の形状は元に戻るため、継続するのが難しい場合には、途中で治療をやめることも可能です。
- Q何歳から始めることができますか? また注意点はありますか?
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A
小学校低学年頃から治療を開始することが可能ですが、実際に治療を行うことができるかは、診察を通じてお子さまの目の状態や生活習慣を確認した上で判断します。治療を行う際に最も重要なのが、毎日のレンズケアを正しく行うことです。洗浄が不十分な場合、レンズに細菌が繁殖して、そのレンズを装用することで角膜感染症を引き起こすリスクがあります。角膜感染症は重症化すると、視力に後遺症を残す可能性もあるため、正しいケアが不可欠です。治療を始める前には、適応検査で「レンズの装着が問題なくできるか」「レンズのケアをお子さま自身、または保護者と一緒に行うことができるか」なども確認します。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師による問診と治療の説明
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初めに医師による問診が行われる。眼鏡の装用状況に加えて、「黒板は見えているか」「ゲームで遊ぶ時間はどれくらいか」「屋外で遊ぶ時間はどのぐらいか」など、生活に関して質問される。オルソケラトロジーの概要、治療のメリット・デメリットについて医師からの説明を聞いた後に、治療に関して気になることがあればなんでも相談することが可能だ。
- 2近視の度数や角膜の形状などを検査
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オルソケラトロジーの適応があるかを調べるため、いくつか検査を受ける。近視の度数、角膜形状、角膜内皮細胞の数、眼軸長、眼表面の状態など、レンズの装用を開始するにあたって問題ないかをさまざまな点から確認する。検査にかかる時間は30分ほどで、負担も少ないため子どもでも安心できるだろう。
- 3レンズの装用を体験
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検査を終えたら、院内で実際にレンズを装用することになる。スタッフの指導のもとでレンズを装用し、1時間ほど院内で待機する。装用後はレンズを外して見え方を確認するが、短時間の装用でも一時的な視力の向上が見込める。装用体験を通して子ども自身も治療に興味を持つことになるだろう。一連の流れの中で、子どもが自分自身でレンズの着脱をできるか、目に異常が生じていないかなどの確認も行われる。
- 4レンズのケア方法について学ぶ
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安全に治療を継続するために重要なのが、レンズの正しいケアだ。レンズを外した後は、通常のコンタクトレンズと同様、洗浄を行った後に専用のケースに入れて保管する。不適切な洗浄や保管は、角膜感染症につながるため注意が必要だ。正しい洗い方やケースの取り扱いなど、保護者と一緒にスタッフから管理方法について学ぶ。レンズの洗浄液や装着液は専用のものがあり、どのようなものがあるか紹介してもらうことも可能だ。
- 5治療中は定期診察へ
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レンズの装用を開始した直後は違和感を感じることもあるが、すぐに慣れる場合がほとんどだという。装用を開始した2週間後と1ヵ月後に、視力測定やレンズのフィッティング確認などを行う。特に問題がなければ、その後は3ヵ月に1回程度の定期診察で受診することになる。定期診察では、近視の程度はどうか、角膜の状態は問題ないか、レンズの使用状況は適切かなどを確認する。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー/17万6000円~