岡 洋佑 院長の独自取材記事
鶴川ちかくのクリニック
(町田市/鶴川駅)
最終更新日:2026/07/29
鶴川駅からバスで7分、閑静な住宅街の一角に「鶴川ちかくのクリニック」はある。医院名の「ちかく」は、患者の暮らしのそばにいたいという思いの表れだ。院長の岡洋佑先生は、東邦大学卒業後、大学病院の循環器内科でカテーテルインターベンション治療、心不全、肺高血圧症、不整脈などの経験を積み、開業前には小児科の診療にも力を注いだ。開業以来、内科・循環器内科・小児科・アレルギー科を掲げ、土日祝も含めて子どもから高齢者まで幅広く受け入れている。穏やかな語り口でありながら「患者を断ることはしない」と信念を真っすぐに語る岡院長に、地域のかかりつけ医としての診療姿勢や開業への思いを聞いた。
(取材日2026年7月6日)
祖父の姿を胸に、家族ごと診る開業医へ
ご開業までの歩みをお聞かせください。

祖父が阿佐ケ谷で開業医をしていた影響が大きいですね。産婦人科の医師としてお産を扱い、晩年は皮膚科に転科して、地域の患者さんを診続けた祖父の姿が、ずっと心に残っていました。医学部卒業後は循環器内科に進み、カテーテル治療の技術を追求していましたが、医師10年目を超えて40歳が近づいた頃、自分が本来やりたかった医療を見つめ直したんです。患者さんとより身近に接する一次診療や小児医療に魅力を感じ、理想を実現するなら今しかないと考えて開業を決めました。ご縁があってこの場所での開業となりましたが、この地域はクリニックが少ないため、困っている方の助けになれるのではないかと思っています。
ご専門である循環器内科では、どのような診療に携わってきましたか?
大学病院では心不全や不整脈など、一般的な循環器内科の診療にあたっていました。専門分野はカテーテルインターベンション治療で、狭心症や心筋梗塞の患者さんの治療とフォローなどに取り組みました。その後、肺高血圧症という難病の領域にも携わりました。肺の血管が詰まる病気で、一本一本ワイヤーを通して風船で広げるための治療を行います。この疾患は膠原病や呼吸器疾患、小児の心疾患など多くの病気と関連するため、他科の先生と一緒に治療にあたる場面が多く、自然と横断的な知識が身につきました。開業を見据えてからは、知り合いの先生のクリニックで3年以上小児科のトレーニングも積みました。1日に40人から50人の子どもを診る環境で、実践的な経験を重ねることができました。
患者さんについて教えてください。

この辺りはファミリー世帯が多い地域で、最近は新築の戸建ても増えて若い世代の流入も続いています。すぐそばにフェリシア幼稚園、フェリシア保育園、三輪あいこう保育園があり、少し行くと柿の実幼稚園もあって、子どもがとても多い地域なんです。その一方で近隣に小児科を診る医療機関は少なく、町田市内の中核病院まで車で向かうと道路状況によっては30分以上かかります。実際に当院の診療の半分はお子さまで、あとの半分は高齢の方をはじめ全世代が来院されています。私が考えているのは、家族が一緒に来てそのまま全員を診てあげられるクリニックにしたいということ。土日祝も含めてなんでも診る地域のかかりつけ医でありたいと思っています。白を基調とした院内はバリアフリー対応で、おむつ替えスペースや無料駐車場5台分も備えています。
「断らない」を信条に、患者の困り事に応える
診療スタンスについて伺います。

「患者さんを断ることはしない」というのが私の思いです。予約がいっぱいでも基本的にお断りはしません。お子さまを2人、3人と抱えて来てくださった方に「診察できません」と言ったら、次にどこへ行けばいいかわからなくて困ってしまいますよね。そうなるとすごく大変ですし、患者さんもそのご家族もつらいでしょう。もし当院で対応しきれない場合でも、紹介状を書いて紹介先に電話をかけ、予約まで取った上で送り出すようにしています。行き先がわかるだけでも患者さんの安心につながりますから。発熱症状がある方も基本的にお受けしていて、感染症の疑いがある場合は車内待機や診療時間後に対応するなど工夫しています。自分にできることを一つでもやっていく、それが必ず患者さんのためになると考えています。
こちらで受けられる検査や処置について教えてください。
私は循環器内科が専門なので、長年小児科を専門に診療してきた先生方の経験にはかないません。だからと言って、患者さんへご提供する医療の質を妥協することはできません。日々の診療をフィードバックし、先進の医学を積極的に学んで、診療に生かしていきます。医学は日々進歩していますし、積極的に医療機器も取り入れて、診察に役立てるようにしています。指先からごく少量の血液で行えるアレルギー検査や、心雑音が気になるというお子さまへのエコー検査にも対応しています。今は喘息を客観的に評価できる検査機器の導入も進めているところです。加えて、この地域は病院まで距離があるので、外傷の処置にも対応しており。転んで頭を切ったらホチキスで止めたり、切り傷の縫合や、イボの凍結治療や水イボの処置、マダニへの対応まで幅広く診ています。土日祝のワクチン接種も実施し、できる限り当院で完結できるよう日々努めています。
患者さんと接する際に心がけていることは?

一番大切にしているのは、患者さんが何に困って来院されたのかをくみ取ることです。風邪一つとっても、喉が痛い方もいれば鼻詰まりが一番つらいという方もいる。そこを聞き出して優先的に改善できるよう働きかけるのが私の仕事だと思っています。名前を呼ぶことも意識していて、名前を呼ばれると心の距離が縮まると思うので、初診の方には私からも名乗るようにしています。お子さまにも直接話しかけ、敬語で接します。年齢に関係なく一人の人間ですから。治療の方針についても病気やリスクを説明した上で提案し、患者さんと話し合って一緒に決めるスタイルを大切にしています。ご自身の体を理解して治療に臨んでいただくのが、一番良いかたちだと考えるからです。
「日々の暮らしの近くに」その思いをスタッフと届ける
スタッフの皆さんについてお聞かせください。

医師だけでは手が届かない部分というのは必ずありますから、スタッフには非常に助けてもらっています。例えば、胸の痛みを訴える方や体調が悪そうな様子の方がいると、受付スタッフが素早く察知して看護師に伝えてくれます。私が診察中でも看護師がすぐに患者さんの状態を確認し、報告をしてくれます。そうした判断と動きがしっかりできているので、先に必要な検査機器の電源を入れておいてくれたり、必要なものを準備しておいてくれるので、スムーズに診察をすることができ非常に心強いです。受付スタッフや看護師の気遣いや声かけ、お帰りの際に一言添える姿勢など、患者さんやその家族の方々とのコミュニケーションも素晴らしいと思います。私がいないところでも自然と会話が生まれて信頼関係ができていますし、来院するお子さまの成長をみんなで見守れるのもうれしいことです。本当に素晴らしいスタッフに恵まれていると感謝しています。
クリニック名には、どのような思いが込められていますか?
「日々の暮らしの近くにいる、そんな存在でありたい」という意味を込めました。駅の近くだと勘違いされることもあるんですが、そうではなく、患者さんとの心の距離が近い存在でありたいという思いです。日曜にお子さまを連れてきた親御さんに「日曜に診てもらえるので助かります」と言っていただけたら、何よりうれしいですね。この地域の医療インフラとして少しでも役に立ちたいという気持ちが強いです。クリニックでの医療は、ある意味で接客業に近い面があると思っています。患者さんに満足してもらうこと、安心してもらうことを常に意識しながら、土日祝を含めた診療をこれからも続けていきたいと考えています。
読者へメッセージをお願いします。

体の調子が少しでもおかしいなと感じたり、健診で何か引っかかったりした場合はそのままにせず、一度相談にいらしてください。わかる範囲であれば必ずお力になれると思います。当院では内科、循環器内科、小児科、アレルギー科の診療を中心に行っていますが、それに限らずどんなお悩みでもまずは拝見します。必要があれば適切な医療機関へおつなぎしますし、自分にできることが一つでもあれば、それを精いっぱいやるのが私のスタンスです。お子さまからご高齢の方まで、ご家族皆さんで気軽に足を運んでもらえたらうれしいですね。なんでも診る地域のかかりつけ医として、この町で長く皆さんの健康を支え続けていきたいと考えています。

