塚原 正彦 院長の独自取材記事
塚原眼科医院
(横浜市旭区/二俣川駅)
最終更新日:2025/09/16

二俣川駅前にある「塚原眼科医院」の3代目院長を務める塚原正彦先生は、東海大学医学部卒業後、昭和大学眼科医局に入局し、同大学大学院を修了。多焦点眼内レンズを用いた手術をはじめ、数多くの白内障手術を手がける他、常に先端の医療機器を導入し、質の高い医療を求めて邁進する。2022年3月に隣接する新築ビルに移転、10月には旧クリニックをフルリニューアルの上、「塚原眼科医院ANNEX」として分院を開設。新患も絶えず来院する同院だが、「決して現状に満足することなく、先端医療を常に取り入れ時代のニーズに応えていくことが日々のモチベーションとなり喜びにもつながっています」と、穏やかな笑顔で語る塚原院長。医院のコンセプトから、先端医療による白内障手術とそのこだわりまで詳しく聞いた。
(取材日2025年1月8日)
診療理念は、「患者さんと一緒に幸せを感じること」
クリニックのコンセプトについて、教えてください。

当院の医療を通して患者さんに安心や喜びを感じてもらい、われわれ医療従事者もその感情を共有することでともにハッピーになることが理想的な医療の形であると考えています。それには質の高い医療技術が存在することは勿論のこと、接遇力や環境要因も欠かせません。いくら医療技術が高くても不愛想ならともに幸せになることはできませんし、人は良くても不潔っぽい施設だとしたら同様です。当院では勉強会などを通し日々知識や技術をアップデートしています。その医療を患者さんに寄り添い、患者さんの気持ちを尊重しながら発揮できるよう心がけています。環境要因としては待ち時間を快適に過ごしてもらうために、ホテルライクな内装にし検査室はガラス張りで開放感のある仕様にしました。患者さんと医療従事者が共に喜べることが好循環を生み、本質的なホスピタリティーにつながると信じ日々の診療にあたっています。
2つの診療拠点は、どのようにすみ分けしているのですか?
2つの眼科診療所が隣接しているという特殊な環境を生かすために、医療のすみ分けを実践しています。本院では治療に特化した体制で、あらゆる目の病気に対する外来診療と手術が主体です。また、目の総合検診やコンタクトレンズの処方をご希望の場合には、分院を紹介しています。現在目のことでお困りの方は本院で、現在は問題がなくても将来的な眼病が心配で予防に取り組みたい方には分院で、というふうに連携を取って診療にあたっています。隣接するビルで必要に応じてスタッフが適切にご案内しますので、初診時に迷った場合でも、安心してご利用いただけると思います。
先端機器がそろっていますね。

医師の技量が重要であることはいうまでもありませんが、より確実な診断結果を得るため、また手術の精度を高めるために、検査機器から手術装置までこだわってそろえています。フェムトセカンドレーザーによる白内障手術装置も導入しました。従来は人の手で行われていた切開や、白内障を細かく砕く作業が、レーザーでは20秒ほどで完了します。手術室の感染症対策としては、高精度のフィルターを用いた専用の空調設備や、器具の洗浄・滅菌に用いるオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)やガス滅菌器も採用しています。目の手術は当然視機能に直結しますから、万全の体制を敷いて臨んでいます。
白内障手術後の見え方やサポートへの強いこだわり
注力している治療について教えてください。

高齢者が対象であった白内障手術ですが、最近は50代~70代の方の受診も増えています。同時に手術の目的も、眼鏡をかけて視力の補正が図れれば良しとされる時代から、今は裸眼でクリアに見えることは最低限で、乱視や老眼を同時に治すことが求められるようになりました。保険診療で扱う単焦点眼内レンズは通常遠くにピントを合わせるため、近くを見る際は老眼鏡をかける必要があります。それに対し多焦点眼内レンズは手元や中間距離へもピントを合わせることができるため、白内障と老眼が同時に治療可能となったのです。2020年より、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術が一部保険適用となり近年急速に普及しています。私は大学院時代から眼内レンズの研究をしており、術後の見え方の質にはこだわっています。生活スタイルに合わせ、理想的な見え方を予測してレンズを選べるよう、最大限サポートしたいです。
手術後の見え方にこだわる理由をお聞かせください。
白内障手術は一生に一度の手術で、視機能の将来を決定してしまう手術だからです。もちろんほとんどの方は満足されますが、一定数完璧な手術でも不満を抱く方はいらっしゃいます。特に多焦点眼内レンズでは特有のコントラストやグレア・ハロー、そして脳の適応性などにより不快感が解消されず悩まれる方は存在します。患者さんの情報不足は不満となる確率を高めるため、手術のメリットだけでなくデメリットの部分をしっかり知ってもらうことが大切です。あと検査の精度が術後の満足度に影響するため、常に先端の機器を導入し対応しています。白内障手術は、技術だけでは解決できない多くの要素が存在します。われわれにとっては日常の手術も患者さんにとっては一生に一度の手術で人生を決定するものであるため、万全の体制で臨む必要性があるのです。
白内障手術後、どのようなサポートを受けられるのでしょうか?

合併症が出現していないか定期検診によって目の状態をしっかり確認していきます。また意外なところで急激に見えるようになる弊害も実は存在します。代表例は飛蚊症で、視力が回復したことで浮遊物もよく見えてしまうのです。今はレーザーで治療可能なのでお悩みの方は相談ください。あと男女問わず鏡で自分の顔を見た際にしみやしわ、たるみなどが気になりはじめ、美容意識が高まる方も少なくありません。当院では形成・美容の専門医師が医療チームに参加し、患者さんの美容に関する相談も随時受けつけています。こうしたサービスは視力を回復させるだけでなく、患者さんの心と体の健康を包括的にサポートするための取り組みで、患者さんの本質的な喜びや幸せにつながるものと考えています。
患者の安心につながるよう日々の研鑽を重視
クリニックの特徴を教えてください。

当院の自慢はスタッフです。設備より何よりも、まず人が大切だと思っています。スタッフが多くなってきましたが、医師はもちろん、看護師や視能訓練士、受付スタッフなど、それぞれが現状に満足することなく進化し続けていけるクリニックをめざしています。技術を磨き知識をアップデートしていくことはもちろん、患者さんの不安に寄り添い支えるという接遇力の面でも、スペシャリストとして道を極めていきたいところです。スタッフが患者さんを明るく丁寧にお迎えし、患者さんにとって心地良い接遇を実践してくれる姿を目にする度、とてもうれしくなります。患者さんが多く忙しい時間帯では私含め実践が難しいこともありますが、人との関わりに興味や喜びを持つ意識はスタッフ一同常に心がけています。
スタッフには、どのような声かけを行っていますか?
日頃からスキルアップや知識のアップデートに努めているスタッフたちに言っているのは「自分の努力を、自信やプライドにつなげてほしい」ということ。それを意識して患者さんと接した時に初めて、患者さんの安心を生み出せると考えています。また自信とプライドを持って対応することで、患者さんとのコミュニケーションの質が高まります。また医師との直接対話の機会も増え、より深い内容に踏み込むことも可能になります。スタッフが優秀な人材へと成長し、チーム全体の力を高めていくことは、非常に喜ばしいことです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

インターネットから容易に情報を入手できる時代において、患者さんはさまざまな情報を持って来院されます。白内障手術を検討する患者さんの中には、「インターネット上で高評価の眼内レンズをどうしても入れたい」と希望する方もいらっしゃいます。事前に得た情報が正しいものだったとしても、そのレンズがその患者さんにとっては不適切というケースもあります。適切な対応というものは患者さんごとに異なるため、インターネットの情報はあくまでも参考程度にとどめ、まずは専門的なアドバイスを求めることが大切です。また一ヵ所で納得のいかない場合は別の医療機関で相談されることも重要です。2025年は当院にとって開院70周年を迎える年です。これを機に、眼病に関わる正しい知識の啓発をより実践していきたいですね。不安を抱える方々の一助になれば幸いです。
自由診療費用の目安
自由診療とは多焦点眼内レンズを用いた白内障手術/選定療養:30万円、自費60万円