矢島 祥助 院長、松本 圭史 先生の独自取材記事
松本デンタルオフィスforキッズ 東大和
(東大和市/東大和市駅)
最終更新日:2025/08/04

東大和市、上仲原公園の近くにある「松本デンタルオフィスforキッズ 東大和」。2025年4月に本格稼働を始めた同院の院長を務めるのは、矢島祥助先生だ。矢島院長は日本口腔外科学会口腔外科専門医の資格を持つ口腔外科のエキスパート。同院では、本院の院長である松本圭史(よしふみ)先生や、小児歯科を専門的に診る歯科医師と連携しながら治療にあたる。歯を失う大人を数多く治療してきた矢島院長と松本先生。だからこそ、小児の予防歯科に力を入れたいのだという。そんな2人に、同院を開業した経緯や歯科医療への想いについて聞いた。
(取材日2025年7月9日)
子どもだけでなく、保護者のための歯科医院に
開業のきっかけについて教えてください。

【矢島院長】当院は、「松本デンタルオフィス 東大和」の分院として開業しました。本院では成人のインプラント治療がメインとなっているのに対し、当院は0〜15歳までの小児と、その保護者の方の治療が中心です。大人と子どもを建物ごと分けたのは、双方にとって居心地がいい空間にしたいという思いがあったからです。
【松本先生】法人としては、数年前から小児向け治療への構想がありました。というのも、長年この地で歯科診療を行ってきて、歯を失う方が多いと感じていたからです。歯を失う方の多くは、小児期にしっかりとした予防をしてこなかったケースが少なくありません。そうした状況を目の当たりにし、地域の方のお口の健康のためにも小児期からの予防治療が必要だと感じ、当院を開業することにしました。
とてもシックな内装ですが、どういった部分にこだわられたのですか?
【矢島院長】まず、診察室がすべて個室ということと、一つ一つの診察室を広めにしていることです。ゆとりのある空間にすることで、患者さんにリラックスしていただけるように考えました。1階には、主に未就学のお子さんを治療するための診察室を設置し、授乳室やおむつ替えシートも用意しています。特に私のお気に入りは診察台です。これまでの診察台に比べて座面がやわらかく、寝心地がとても良く感じます。歯科医院の椅子が苦手だという患者さんにも喜んでいただきたいですね。
【松本先生】院名に「キッズ」とありますが、お子さんと一緒に来る親御さんにくつろいでもらいたい想いで内装を考えました。そのため、院内にはキッズルームも絵本もありません。その代わり、3階に託児室を設けました。保育士が3人常駐しているので、親御さんも安心して預けていただけると思います。
保育士さんが常駐する託児室があるのですね。

【松本先生】はい。この院を構想するときに、託児室は必ず設置しようと考えていました。お子さんがいる親御さんは、なかなか歯科医院にかかれないという事情があるからです。患者さんには託児室を無料でご利用いただけますので、ぜひ活用いただければと思います。また、勤務するスタッフのためにも託児室はあります。歯科医院は女性スタッフがほとんどです。出産でお休みしたスタッフが、1日でも早く復帰したいと思ったときに、院内に託児室があればそれができるじゃないですか。仕事を休めば収入も減ってしまいますし、かといって、預け先がなければ働けませんから。そうした一緒に働くスタッフの幸せのためにも、託児室は必ず設置したかったんです。
歯列にも深く関わる小児期の口腔筋の使い方
こちらではどういった治療が受けられますか?

【矢島院長】基本的にどんな治療でも行えます。具体的には虫歯や歯周病の治療、矯正、小児矯正などです。小児歯科については、小児歯科を専門的に研鑽を積んだ歯科医師が勤務していますので、歯科治療を怖がって治療ができないお子さんもご相談いただければと思います。また、当院には小児歯科の他、矯正や補綴を専門とする歯科医師も勤務しています。私自身も口腔外科専門医です。各領域を専門的に診られる歯科医師が連携することで、難症例にも対応できます。お子さんの歯だけでなく、親御さん自身の歯のご相談にもぜひいらしてください。
【松本先生】歯科医師同士の連携は常に取っています。私たちは基本的に、すべての患者さんの画像を共有していて、ときにはお昼を食べながらカンファレンスすることもあるんですよ。診療は担当性ですが、難しい状態の患者さんに関しては、歯科医師同士が連携し各専門領域を担当することも少なくありません。
こちらで行っている「咬合育成」とはどういったものでしょうか。
【矢島院長】マウスピース型装置を使用した、子どものための矯正です。これまで、矯正は顎の成長が終わってから行うことが主流でした。しかし近年は、早い段階から正しい口腔習慣を身につけることで、顎の正常な発達を促す方法が注目されています。特にお口を常にポカンと開けている、鼻呼吸ができない、いびきをかくといったお子さんの場合、口呼吸が習慣になっていることが多いので注意が必要です。咬合育成は、マウスピース型装置を使うため、痛みはほとんどありません。後戻りもしにくいので、お子さんの負担も少なくできます。何より、他の矯正よりも費用を抑えられる点がメリットでしょう。咬合育成の適齢は5〜9歳となっていますので、お子さんの歯並びが心配な場合は早めにご相談いただければと思います。
成人と小児の治療で異なるのはどういったことでしょうか。

【矢島院長】大人と子どもの治療の違いは、治療の前にあると思います。子ども、特に未就学のお子さんの場合、歯科医院に来るのが初めての子も少なくありません。そうしたお子さんには、治療に入る前にコミュニケーションを丁寧に取り、治療への不安を取り除くことを優先的に行います。例えば、口腔内を診るためのミラーを持ってもらったり、機器で手に風を当ててみたりと、どんな器具や機器を使うのか実際に見せて安心してもらうなどです。無理に治療を優先して、その後歯科医院嫌いになってしまってはいけません。むしろ、歯科医院に来ることが楽しみになるように、ファーストコンタクトを重視しています。
どこまでも患者ファーストで診療を行う
歯科医師としてやりがいを感じるのはどういった時ですか?

【矢島院長】やっぱり患者さんに感謝していただけた時にやりがいを感じます。正直なところ、歯科医師を志した時は、歯科医療への想いがあまり強くありませんでした。というのも、父が歯科の開業医だったため、長男として自然な流れで歯科医師をめざしたからです。しかし、歯科医師となって治療をしていく中で、この仕事の難しさと責任の重さを実感し、今では歯科医師となって良かったと思っています。治療への責任を感じない日はありませんが、その分、患者さんに喜んでいただけたときの安堵感と喜びはひとしおです。
【松本先生】私は本院でインプラントの治療を主に行っているので、噛める状態をめざして治療をし、治療が終わったときにやりがいを感じます。患者さんの人生を大きく変えられたように感じます。もし患者さんから、「旅行に行って、おいしい物をたくさん食べられたよ」とご報告をいただけたら、歯科医師で良かったと感じるでしょう。
診療で心がけていることとは?
【矢島院長】患者さんをできるだけお待たせしないことと、患者さんの話をよく聞き、患者さんが納得できるまでお話しすることです。この2つの方針を両立するのはとても難しいことですが、時間を気にして患者さんへの説明を省略するようなことはしません。患者さんが納得できないときは、改めてお話しする時間を設けしっかり説明を行います。ですので、治療に対して疑問や不安があるときには、遠慮せずに思ったままをお話しいただきたいですね。
【松本先生】私は常々、歯科医師も医師と同じように、分野ごとに専門的な治療を行える歯科医師が診るべきだと考えています。当院はまさにそうした治療を心がけていますし、私自身も補綴を長年勉強してきたので、その経験を患者さんに還元したいと思っています。
今後の展望について教えてください。

【矢島院長】当院では、15歳まで虫歯ゼロと、健康な歯列をつくることを診療の柱としています。子どもの口腔環境を守ることで、地域の、ひいては日本全国の健康増進の一助となるような歯科医院をめざしたいです。
【松本先生】歯科治療はもちろんですが、今後は管理栄養士を入れ、栄養に関する相談も受けられたらと考えています。「口は健康の入り口」なので、入り口から摂取する栄養も重視したいのです。患者さんの健康を総合的に考える歯科医院として、これからも新しいことに挑戦していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは咬合育成/33万円~、小児矯正/49万5000円~、成人矯正/88万円~