田村 睦 院長の独自取材記事
亀戸駅前 胃と大腸の消化器内視鏡内科クリニック 江東区院
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2025/02/14

亀戸駅北口から徒歩1分という便利な場所に2月に開業した「亀戸駅前 胃と大腸の消化器内視鏡内科クリニック 江東区院」。白と木目を基調とした院内は広々として居心地が良い。 院長の田村睦(たむら・あつし)先生をはじめスタッフも物腰がやわらかく、患者の不安にしっかりと寄り添ってくれる。絵本に出てくるようなつぶらな瞳のカメとイチョウがロゴマークの温かなクリニックだ。雰囲気こそ家庭的だが、大規模病院にもひけをとらない機器を備え、長年にわたる経験を生かして緻密な内視鏡検査を行う田村院長。消化器疾患はもちろん、日本内科学会総合内科専門医として生活習慣病などにも幅広く対応している。「いつも患者さんと同じ目線でいたい」という診療ポリシーを持つようになるまでの道のりなど、田村院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2025年2月5日)
磨きあげてきた内視鏡検査のスキルをより身近な場所で
まず、医師を志したきっかけからお話しいただけますか。

祖父と父が北池袋で開業していて、地域の方々のために働く姿がいつも身近にあり、自然と同じ道を志すようになりました。戦後の焼け野原の中で診療を始めた祖父は、93歳まで現役だったんですよ。24時間365日、患者さんに呼ばれればすぐに自転車で駆けつけていました。私も少しだけ往診を手伝うことができましたが、威厳があるというよりも常に患者さんと同じ目線で接していた姿を今でもよく覚えています。あの世代では珍しいタイプかもしれません。祖父がのこしたクリニックでは今も父と妹が診療を続けています。
次に開業までの道のりを教えてください。
東京医科大学卒業後は同愛記念病院での研修を経て、東京医科大学病院の臨床検査科で感染症を中心に幅広い内科診療の研鑽を積みました。その後、佼成病院や豊島病院の消化器内科に勤務する中で内視鏡と出会い「これだ!」と思ったんです。悪い部分を見つけて切るというわかりやすいプロセスが魅力的でした。江戸川病院では、内視鏡検査はもちろんESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)も数多く経験。内視鏡センター長としての後進の育成も一段落したところで、子どもの頃からの夢だった地域医療にチャレンジすることにしました。
なぜこの場所に開業したのでしょうか?

私は10年以上にわたり内視鏡検査のスキルを磨いてきましたので、定期的に私の内視鏡検査を求めていらっしゃる患者さんも多くいます。ですが、皆さんも年齢を重ねて足腰が弱ってきているのが心配でした。一方、若い方も苦痛が少ない鎮静下での内視鏡検査を希望されることが多く、電車での通院が必須と考えました。ですから、駅から近いというのは譲れない条件だったんです。いろいろ探している中で、亀戸駅から徒歩1分でありながら、約70坪という十分な広さもあるこの物件に出会い、開業の地に選びました。
院内づくりでこだわった点などはありますか?
内視鏡検査はどうしても一定の時間を院内で過ごさなくてはいけないので、居心地の良さを大切にしています。うとうとと眠ったような状態で検査を受けられるようにするために、鎮静剤を希望する方が多いので、覚醒するまでのリカバリースペースにもこだわりました。ストレッチャーのまま移動できるスペースが3つ、リラックスチェア2台、ベッド2台とお好みのスタイルで休めるようにしています。また、下剤の服用に関しては「電車内で便意を催すのが不安」と院内での服用を希望するご高齢の方も多いので、専用ブースを5つ用意しました。トイレにも行きやすいよう動線も工夫しているので、ご活用ください。
患者と同じ目線を大切にして不安に丁寧に寄り添う
強みとしている内視鏡検査についてお聞かせください。

大規模病院でも採用されている機種を導入しています。上部内視鏡検査に関しては経鼻でも経口と遜色のない画像が撮影できるタイプです。下部内視鏡検査では注意すべきポイントは何度も往復したりひだをめくったりして慎重に観察。いずれも、見落とさないことを何よりも大切にしています。下剤は基本的には従来の半量の1リットルで済むものを使用していますが、どうしても飲むのがつらい方には微温湯浣腸などの対応も可能です。ポリープを発見した場合は、できるだけ検査と同時に切除しますが、病院の紹介が必要なケースもあります。大きさだけが問題なのではなく、たとえ3ミリでも深いがんに進行する場合もあるので注意しなければいけません。これまで、さまざまなパターンの大腸がんを診てきた経験に照らし合わせ厳しくチェックしています。
内視鏡検査を受けるべきタイミングはいつですか?
40歳を過ぎてまだ1度も内視鏡検査の経験がないならば、ぜひ受けてほしいと思います。検診で便潜血陽性になっても約3割の方がそのままにしているとのことですが、放置はお勧めできません。胃がんはピロリ菌、大腸がんはポリープと主な原因がはっきりしているからこそ、定期的に検査をすることは予防につながります。せっかくのチャンスを逃してはもったいないですよね。また、ポリープを切除して安心してしまい、何年もほったらかしにしていたらがんができていた……というケースもあります。術後も、必ず定期的に内視鏡検査を受けるようにしてください。
診療にあたって大切にしていることは何ですか?

初めての内視鏡検査はどの患者さんも不安でいっぱいで当然です。そこから定期的に受けていただけるようにするには、「痛くない、つらくない」と感じていただけたらいいのではと思っています。だからこそ、スキルを維持するのはもちろん、「この先生なら大丈夫」と信頼していただけるよう、精進しなければいけないと思っています。患者さんは人生の先輩も多く、適当にとりつくろうのはタブー。必ず見抜かれてしまいますから、言いにくいことでも、うそはつかず正直にお話しするように心がけているんです。その時に気をつけているのは、当たり前のことですが、けっして偉ぶらずに患者さんと同じ目線になれているかということ。かつての祖父の姿をどこかで追いかけているのかもしれませんね。
地域のかかりつけ医として小さな悩みの相談も歓迎
今後の展望についてお聞かせください。

内視鏡検査と日本内科学会総合内科専門医としての幅広い内科診療を2つの柱として地域の皆さんのお役に立ちたいと考えています。生活習慣病などの慢性疾患を抱えている方の健康も長い目で見守りたいです。誰もが通いやすいように駅からの近さ、バリアフリーの広々としたつくり、出勤前や会社帰りでも通える診療時間などにこだわりましたが、これからもより受診しやすいようさらに工夫していきたいと思っています。スタッフの中には私の小学校時代からの同級生、妹の友人などもいるためか、ふわっとアットホームなのも当院の特色です。この雰囲気を大事にして、患者さんが足を踏み入れやすい場所であり続けたいですね。オンライン診療も準備中なので、どうしても通院が難しい方などもご相談ください。
お忙しい毎日ですがリフレッシュ法などはありますか?
小学校から大学まで野球をしていて、大学時代は左投げのピッチャーでした。東日本医科学生総合体育大会で優勝したこともあります。今でも小学校時代からの仲間で作った草野球チームに所属しているのですが、時間ができたらまたプレーしたいですね。最近は家族と過ごすひとときが何よりのリフレッシュになっています。クリニックのロゴマークは小学生の娘が考えてくれました。亀戸のカメと、胃と腸でイチョウなんだそうです。イチョウの茎は内視鏡のスコープになっているんですよ。この頃は「お医者さんになってお父さんと一緒に働きたい」と言っているので、それまで頑張りたいですね(笑)。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

私で良ければ、生涯にわたって健康を見守らせていただければと思っています。亀戸に根差して末永く診療していくことが何よりの願いです。もし、少しでも気になることがあれば気軽にお立ち寄りください。「何科に行ったらいいのか、わからない」といったお悩みがあるときこそ頼ってほしいのが総合内科です。また、内視鏡検査に関しては、定期的に検査を受けていただき、胃がんや大腸がんで亡くなる確率をゼロにすることが目標です。その他、「こんなことを聞くのは失礼かな」などという遠慮は禁物です。どんな小さなお悩みでもお力になれればと思っていますので、気兼ねなくお聞かせください。
自由診療費用の目安
自由診療とは内視鏡検査/胃:1万6000円~、大腸:2万2000円~、人間ドック/8800円~