岡島 年也 院長の独自取材記事
いけだ東山クリニック
(池田市/池田駅)
最終更新日:2026/04/15
阪急宝塚本線・池田駅から車で約13分の場所に「いけだ東山クリニック」はある。院長を務める岡島年也先生は、大学病院や循環器専門院をはじめ地域の基幹病院で心臓・血管疾患の治療に長年携わってきた、循環器内科のスペシャリストだ。急性期医療の経験を豊富に積んだ岡島院長は、「診療所であっても、安心して暮らせる医療を届けたい」という思いを胸に、2024年10月、開業を決意。「病気を診るのではなく、患者を診る」をモットーに掲げ、気軽に立ち寄れるかかりつけ医として地域に寄り添うクリニックをめざしている。患者一人ひとりに向き合う岡島院長に、診療にかける思いや専門とする循環器疾患について詳しく聞いた。
(取材日2026年3月31日)
急性期医療の現場で培った経験を、身近な医療へ
患者さんは、どのような年齢層の方が多いですか。また、多く訴えられる症状はどのようなものでしょうか。

基本的には40代から80〜90代ぐらいまで、壮年期から高齢の方まで幅広くお越しいただいていますが、最近は、近隣住民のお子さんも受診されます。受診患者さんの多くは風邪や花粉症など一般内科診療を目的とした方が大半を占めていますが、当院は循環器を標榜していますので、胸部不快感や動悸、脈の乱れから歩きにくい、足がむくむといった心臓血管疾患を心配され受診される方が少しずつではありますが増えてきています。また、ここ最近は健診などの二次検診を目的に、または検査結果について相談したいといった受診もありますので、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症など動脈硬化因子の自己管理の支援にも取り組んでいます。設備としては、体組成計をはじめ心電図、ABI、ホルター心電図、エコー、PSG検査、レントゲン撮影機を導入し、受診後すぐに検査が行える体制を整えています。
循環器内科を専門に選ばれたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
単純に心臓や血管という臓器に興味があったことと、私が学生時代であった1990年代は診療レベル、医学研究ともに循環器領域は飛躍的に進歩している時代でした。また、血管の病気を患う理由に動脈硬化が存在していますので、内科医として幅広く診療できる一方で、急性期疾患として急性心筋梗塞や狭心症、不整脈の発作、急性心不全、急性大動脈解離、静脈血栓塞栓症、心肺停止といった、まったくゆっくりしていられない急性期医療の側面もあります。そういう診療の幅の広さの中で、自分自身が医師としても人としても成長できるのではという思いで選んだというのが正直なところです。
循環器内科以外の症状でご来院される方もいらっしゃるのでしょうか。

はい、循環器内科が専門ではありますが、それ以外の症状でお悩みの方もたくさんいらっしゃいます。地域のかかりつけ医として、来てくださった方にできる限り対応したいという思いがあります。できる範囲のことはしっかり対応しますし、より専門的な治療が必要だと判断した場合は、丁寧にご説明した上で適切な医療機関をご紹介しています。一人で抱え込まずに、まず気軽に相談に来ていただけたらと思っています。
話しやすい雰囲気づくりが、安心な医療への第一歩
「病気を診るのではなく、患者を診る」というモットーの背景にあるお考えを教えてください。

医師は患者さんの病気を治すことはもちろんですが、診療は、それだけで終わりではないと感じています。診療所は当然、患者さんの病気を治す所ではありますが、その前に患者さんが安心して通い続けられる場所であることが一番大切だと思っています。以前、病院に勤めていた頃、特に大きな問題はなく治療を終え、無事に退院されるにもかかわらず、患者さんの表情が晴れないことがありました。ご家族は退院されることに安心され、ご本人さんに良かったねと言って喜んでくださっていても、ご本人さんは不安そうな表情のまま帰られることを時々経験することがあり、病気を治療することと、その人が安心して前向きに生活できるように治療をすることは、違うんだと、そういう経験から学びました。このような経験から、まず患者さんに信頼していただける関係を築くこと、また安心できる診療所の雰囲気を作ることが大切だと思い、スタッフみんなで作っていきたいですね。
検査や治療を無理に行わないという姿勢を大切にされているそうですね。
そうですね。今の時代、医療費の自己負担額は基本的に3割とはいえ、高く感じてしまう方も多くいらっしゃいます。治療に直結する検査はもちろん行いますが、必ずしも必要でない検査は極力控えるようにしています。その分を本当に必要な検査に充てていただくほうが、患者さんにとっても負担が少なく、より適切な医療につながると考えているからです。採血についても、会社の健診や特定健診など、他で受けられる機会があればそちらを活用していただいて、当院では足りない部分を補う形を意識しています。
患者さんとのコミュニケーションにおいて、普段心がけていることはありますか?

取り立てて何か特別なことをしているわけではありませんが、当院では、私一人だけが患者さんや患者さんのご家族とコミュニケーションを取ろうとしないということを意識しています。看護師も受付の事務スタッフも、当院のスタッフ全員で、一人ひとりの患者さんに関わっていくことで信頼や安心が生まれると思っています。やはり、男性の医師には言いにくいこともありますから、そういう場合は看護師や事務の女性スタッフがたわいもない話をしながら緊張をほぐして、安心していろんな話ができる環境を作る。私が何か特別なコミュニケーション術を持っているというよりは、スタッフみんなと一緒になってやっているということを意識しています。
些細な不安も、気軽に話せる場所でありたい
クリニックのロゴに込めた思いを教えてください。

このロゴは、以前勤めていた病院で自分で立ち上げた「血管疾患を共に考える会」という勉強会のために作ったものがもとになっているんです。足の血管の病気を患っている方は、心臓や頭、おなかの血管など、体の複数の箇所に血管の病気を抱えていることが多いんですね。そういうことを一般の方にも知ってほしいという思いから、血管疾患それぞれをハートマークに見立てて、医療者みんなで患者さんを支えていきます、というイメージです。また、別の捉え方として、医療者には医師と看護師だけではなく、検査技師や理学療法士、管理栄養士など、本当にたくさんの職種の方々が患者さんに関わっているという意味も込めてデザインしました。
ところで、先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。
祖父も父も医師でしたので、特別なきっかけがあったというよりは、自然とこの道を考えることになりました。祖父は内科医で、父は消化器内科医です。兄は歯科医師をしています。父は休みの日も、夜間も、往診を当たり前のようにこなしていました。患者さんが診察を希望されるのならいつでも診察をしていた、そんな父の姿は子どもながらに尊敬もしていました。
最後に、今後の展望と、読者の方へのメッセージをお願いします。

地域の方々が信頼して安心して来られるような診療所になること、これが一番の目的であり、これからの課題でもあります。2026年2月からは管理栄養士にも加わっていただき、食事のサポートもできる体制を整えました。フットケアに対応できる看護師も在籍していますので、足の不調でお悩みの方も気軽にご相談いただければと思っています。わざわざ遠くに行かなくても、「まずあそこに行っておこうか」と、気軽に立ち寄っていただける、そういう存在になれたらと思っています。お医者さんにこんなことを聞いたら恥ずかしいとか、面倒がられる、そういうことは気にしないでほしいですね。健診の結果がちょっと気になる、足がむくんでいる、胸が痛い気がする、そんな些細なことでも構いません。堅苦しく考えずに相談に来てもらえれば、早期診断・早期治療にもつながっていくと思うんです。気軽に立ち寄る感覚で、ご来院いただけたらと思います。

