たいクリニック

たいクリニック

田井重行 院長

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相鉄線鶴ヶ峰駅北口から徒歩5分。商店街を抜けると、右手に「たいクリニック」の看板が見えてくる。この地域は生まれ育ったなじみのある場所だという田井重行院長が、「痛み」と「おしっこ」の専門外来として開院した。田井院長は、泌尿器科での勤務医時代、がんの痛みで苦しむ患者の姿を目にし、痛みを診る専門のドクターになりたいと考えた。クリニックでは、一般内科も診療しているが、患者の痛みの原因を徹底的に突き止めるための各種検査機器が導入されている。「地域で一番愛されるクリニック」をめざしているという田井院長は、ケアプラザの協力医を務めたり、講演活動なども積極的に行ったりと、地域の健康向上に尽力している。診療における理念から、痛みとの付き合い方まで、院長の人柄があふれるインタビューだった。
(取材日2013年6月7日)

痛みの原因を診断し、根本から治療する「ペインクリニック」

―まずは、開業までの経緯について伺えますか?

私は、1991年に順天堂大学の医学部を卒業し、そのまま大学の泌尿器科に3年間在籍しました。泌尿器科という部門では、とくに大きい病院の場合、がんの患者さんが多くを占めています。ただ、現場にいると、痛みのコントロールが重要であるにもかかわらず、がんそのものを診る先生はけっこういますが、痛みについて注目しながら診療している先生はあまりいませんでした。ですから、痛みを専門にしてみようと思い、麻酔科に移ることにしたんです。麻酔科にいる間も、手術の麻酔などを経験してから、さまざまな場面に対処できるようにと、救命センターで救急医療の研修なども受けました。一方で、私の父がこの場所で歯科医院を開いていたんですが、70歳を超えてそろそろ引退を考え始めたのをきっかけに、自分が生まれ育ったところで、地域に貢献できるような仕事も良いかなと思い、開業することにしました。

―医院の特徴を教えてください。

痛みの治療をするペインクリニックとしての診療に加え、泌尿器科が専門分野です。ただ、いわゆる町医者ですので、風邪など一般的な内科の病気や、高血圧などをはじめとする生活習慣病なども診ています。痛みに関しては総合的な対応をしています。整形外科的な病気だけでなく、腰痛・肩こり・顔の三叉神経痛や帯状疱疹などを診療するほか、頭痛についても専門医の資格を持っています。手術などが必要な場合には、信頼できる整形外科などの先生にお願いしています。もっとも、私自身も救命センターで外傷の患者さんを多く処置してきましたので、傷口などの治療については対応しています。患者層としては、診療科目の特性からどうしてもお年寄りが多くなっています。それも、ちょうど私の父や母の世代が中心です。だから、小学校の同級生のお父さんやお母さんが患者さんとしていらっしゃっているというケースがけっこうあり、そういった方たちは、「先生」ではなく、昔と同じく、「しげちゃん」などと呼んでくれるんですよ(笑)。

―院内には、かなり検査機器が充実していますね。

ペインクリニックというのは、当面の痛みをとるのももちろん目的なんですが、痛みの原因をきちんと診断して、根本から治療するというのが最終的な目的なんです。痛みの原因は、本当にさまざまです。内臓に問題がある場合もありますし、骨や関節・神経が原因の場合もあります。さらに、がんが原因となっていることもあるんですが、腰が痛い方などは、医療的な診断のできない接骨院ではなく、整形外科などをきちんと受診することを勧めます。ただの腰痛ではなく、がんが隠れていることもあるからです。実際、当院にも、足が痛いと訴える患者さんで、ヘルニアを疑っていた方が来院されたことがあるんですが、よく調べてみたら、悪性リンパ腫という血液のがんだったことがあります。それが原因となって神経を圧迫し、腰に痛みを感じていたんです。すぐに大きい病院をあたって、がんの治療に入ったんですが、その方から、「本当に助けていただきました」と非常に感謝されたのが印象的でした。また、痛みについては、精神的な問題で悪化するケースがあります。だから、患者さんのバックグラウンドに関しても、家族を含め、よくお話をすることがとても大切だと考えています。なお、お年寄りで骨が完全に曲がってしまっている方などは、それを元通りに戻すのはなかなか難しいんですが、痛みを半分くらいにして、寝たきりではない生活にするだけでも全然違います。とにかく、QOL(=生活の質)を上げることができれば、それだけでも治療の意味はあると考えています。

記事更新日:2016/01/24


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