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田井重行 院長の独自取材記事

たいクリニック

(横浜市旭区/鶴ヶ峰駅)

最終更新日:2019/08/28

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相鉄線鶴ヶ峰駅北口から徒歩5分。商店街を抜けると、右手に「たいクリニック」の看板が見えてくる。この地域は生まれ育ったなじみのある場所だという田井重行院長が、「痛み」と「おしっこ」の専門外来として開院した。田井院長は、泌尿器科での勤務医時代、がんの痛みで苦しむ患者の姿を目にし、痛みを診る専門のドクターになりたいと考えた。クリニックでは、一般内科も診療しているが、患者の痛みの原因を徹底的に突き止めるための各種検査機器が導入されている。「地域で一番愛されるクリニック」をめざしているという田井院長は、ケアプラザの協力医を務めたり、講演活動なども積極的に行ったりと、地域の健康向上に尽力している。診療における理念から、痛みとの付き合い方まで、院長の人柄があふれるインタビューだった。
(取材日2013年6月7日)

痛みの原因を診断し、根本から治療する「ペインクリニック」

まずは、開業までの経緯について伺えますか?

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私は、1991年に順天堂大学の医学部を卒業し、そのまま大学の泌尿器科に3年間在籍しました。泌尿器科という部門では、とくに大きい病院の場合、がんの患者さんが多くを占めています。ただ、現場にいると、痛みのコントロールが重要であるにもかかわらず、がんそのものを診る先生はけっこういますが、痛みについて注目しながら診療している先生はあまりいませんでした。ですから、痛みを専門にしてみようと思い、麻酔科に移ることにしたんです。麻酔科にいる間も、手術の麻酔などを経験してから、さまざまな場面に対処できるようにと、救命センターで救急医療の研修なども受けました。一方で、私の父がこの場所で歯科医院を開いていたんですが、70歳を超えてそろそろ引退を考え始めたのをきっかけに、自分が生まれ育ったところで、地域に貢献できるような仕事も良いかなと思い、開業することにしました。

医院の特徴を教えてください。

痛みの治療をするペインクリニックとしての診療に加え、泌尿器科が専門分野です。ただ、いわゆる町医者ですので、風邪など一般的な内科の病気や、高血圧などをはじめとする生活習慣病なども診ています。痛みに関しては総合的な対応をしています。整形外科的な病気だけでなく、腰痛・肩こり・顔の三叉神経痛や帯状疱疹などを診療するほか、頭痛についても専門医の資格を持っています。手術などが必要な場合には、信頼できる整形外科などの先生にお願いしています。もっとも、私自身も救命センターで外傷の患者さんを多く処置してきましたので、傷口などの治療については対応しています。患者層としては、診療科目の特性からどうしてもお年寄りが多くなっています。それも、ちょうど私の父や母の世代が中心です。だから、小学校の同級生のお父さんやお母さんが患者さんとしていらっしゃっているというケースがけっこうあり、そういった方たちは、「先生」ではなく、昔と同じく、「しげちゃん」などと呼んでくれるんですよ(笑)。

院内には、かなり検査機器が充実していますね。

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ペインクリニックというのは、当面の痛みをとるのももちろん目的なんですが、痛みの原因をきちんと診断して、根本から治療するというのが最終的な目的なんです。痛みの原因は、本当にさまざまです。内臓に問題がある場合もありますし、骨や関節・神経が原因の場合もあります。さらに、がんが原因となっていることもあるんですが、腰が痛い方などは、医療的な診断のできない接骨院ではなく、整形外科などをきちんと受診することを勧めます。ただの腰痛ではなく、がんが隠れていることもあるからです。実際、当院にも、足が痛いと訴える患者さんで、ヘルニアを疑っていた方が来院されたことがあるんですが、よく調べてみたら、悪性リンパ腫という血液のがんだったことがあります。それが原因となって神経を圧迫し、腰に痛みを感じていたんです。すぐに大きい病院をあたって、がんの治療に入ったんですが、その方から、「本当に助けていただきました」と非常に感謝されたのが印象的でした。また、痛みについては、精神的な問題で悪化するケースがあります。だから、患者さんのバックグラウンドに関しても、家族を含め、よくお話をすることがとても大切だと考えています。なお、お年寄りで骨が完全に曲がってしまっている方などは、それを元通りに戻すのはなかなか難しいんですが、痛みを半分くらいにして、寝たきりではない生活にするだけでも全然違います。とにかく、QOL(=生活の質)を上げることができれば、それだけでも治療の意味はあると考えています。

痛みを軽減し、QOL(生活の質)を上げるためのアプローチ

痛みをとる具体的な方法はどのようなものなのでしょうか?

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局所麻酔を効果的に使用する神経ブロックやリハビリ、それから薬を使用します。神経ブロックなどは、一般的なクリニックなどではあまり行われていないと思いますが、薬に関しても普通の先生たちがあまり使わないようなものが多いですね。例えば、適用外になってしまうのですが、てんかんやうつ病の薬、さらには麻薬なども含めて必要があれば使っています。一見、特殊な治療になるのは、一般的な診療科と考え方が違うからです。そもそも、大学での医学教育が、呼吸器内科とか心臓外科などと臓器を基本的な単位としています。このため、一般的なクリニックでは、心臓や肺など、内臓から病気を診ていきます。一方、ペインクリニックは、まず痛みをとり、そのなかで、痛みの原因を少しずつ探していって、根本的に治せるものは治していきます。それができなければ、薬などで痛みを軽減し、生活の質を上げるというアプローチなんです。病気に対する視点が違うわけですね。

なるほど。ただ、「痛み」は人によって感じ方が違うと思われますが……。

痛みという感覚は、刺激がある程度まで高まらないと全然感じないんです。ある地点までいくと、「痛い」と感じるわけです。その痛みを感じ始める地点が、人によってまったく違うんですね。それは、育ってきた環境にもよるし、体の素質みたいなものにもよります。また、精神的な面でも変わってきます。精神的に弱っていると、痛みに過敏になることがあるのです。さらには、痛みがあった場合、脳がそれを抑える機構もあるんですが、それがより効く人と、あまり効かない人とがいるんですね。ただ、痛みは、本来、危険を知らせる警告のようなものです。ですから、まったく痛みを感じないと困ってしまうんです。例えば、無痛症という、生まれながらにまったく痛みを感じない病気の人がいるのですが、基本的にはなかなか長生きができません。骨が折れても痛くないので、そのまま歩いてしまったり、ストーブに近づいていても熱による痛みを感じないために、焼けただれていても気づかなかったりします。だから、本来は必要なものなんですが、それが長く続くと、今度は危険を知らせる信号ではなく、だんだん痛みが痛みを呼ぶようになって、痛み自体が悪さをするようになってしまうのです。そういう意味では、長く続く痛みに対しては、とりあえずその痛みを下げてあげないと、精神的にも肉体的にも消耗していってしまうのです。

「痛み」を訴える患者さんは、さまざまは年齢の方がいらっしゃると思います。

慢性的な痛みになると、ご年配の方が多いですね。ただ、突発的に痛みを感じて来院される若い方も、けっこういらっしゃいます。パソコン等でデスクワークをされている、働き盛りの世代の方たちは、長時間同じ姿勢でいることが多く、頭が首より前に出てしまい、首が引っ張られて痛みを感じるということが起こります。そういった状況を再発させない、あるいは予防するために生活習慣や姿勢のアドバイスも行っています。運動をするのが一番で、週に2〜3回体を動かせば、固まっている筋肉の緊張をほぐすことができます。個人的な感想としては、肩を動かすという点で、水泳が一番効果があるように思います。

ところで、先生のもう一つの専門分野である泌尿器科ではどのような診療をされているのですか?

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一番多いのは、いわゆる前立腺肥大症や過活動膀胱など、要するに、お年寄りでおしっこの回数が多いとか、いつもおしっこが出たいような感じがするといった症状の病気です。また、最近多くなってきているのが、男性の前立腺がん、これから暑くなってくると増えるのが尿管結石。このうち、尿管結石がなぜ暑さと関係しているのかというと、水分が汗として出てしまい、おしっこの量が減り、濃くなるので、石ができやすくなります。また、おしっこがたくさん出ていれば、細かい石は流れてしまうんですが、それが詰まってしまうわけです。これに対しては、水分をたくさんとるということです。予防にもなるし、治療にも役立つと思っています。

地域で最も愛されるクリニックをめざして

クリニックとしての理念を教えてください。

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めざしているのは、地域で最も愛されるクリニックです。そのために、当院では、三つの約束というものを掲げています。一つは「安全な医療」。その次に「納得のいく説明」。第三としては、「満足していただける医療」を常に心がけるというものです。とくに説明については、神経ブロックなど他院ではあまりやらない変わったことをするので、なるべく丁寧でわかりやすい説明をするよう務めています。あとは、漠然とした痛みというのは不安が大きくなるので、こういった原因で、こういった治療をしていけば良くなっていくといった話をするだけでも、痛みは軽減されていきます。

地域での活動にも取り組んでいらっしゃいますね。

地域のケアプラザでは、ケアマネージャーへの指導・相談をはじめ、介護に関するさまざまな課題に対応する顧問を務めています。その仕事に携わるうちに、「病気についてわからないことがあるので、お話をしてくれませんか」と請われ、少しずつ、介護関係の方々を対象に講演をするようになりました。それから、どうせなら一般の方々にも聞いていただいたほうが良いのではないかと考え、現在では、年に1、2回のペースで、さまざまな方を対象とした講演会を開くようになっています。

先生ご自身の健康法や趣味などを教えていただけますか?

通勤時間が小1時間あるので、その間、本を読んでいることが多いですね。ジャンルは問わず、小説でも新書でも読みますが、一番読んでいるのはミステリーなどの小説だと思います。気分転換としては、子どもと遊ぶくらいでしょうか。まだ3歳なので、一緒に公園などに出かけているんですが、これが精神的にはかなりのリフレッシュになっています。

では最後に、今後の展望について伺えますか?

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この地域で、どこか痛みがあったらあそこを訪ねてごらんと言われるような、信頼されるクリニックとなることが目標です。地域に根ざし、みなさんから信頼される医師になりたいんです。そのためには、いらっしゃった患者さん一人ひとりに対して全力投球することですね。さらには、患者さんご本人だけでなく、ご家族とのコミュニケーションも大事にしていきたいと思います。患者さんは、基本的には痛みが100%とれないと、治ったとは言わないと思います。ところが、ご家族に聞くと、「おじいちゃんはこの間まで寝たきりだったけど、今はご飯の時には座っていられるようになりました」などと返ってきます。その旨を息子さんの言葉として、私からご本人に伝えると、「ああ、ちょっとは良くなっているんだな」と感じていただけるわけです。自分で気づくと、余計にやる気が出てくるので、どこから情報を得て、どんな伝え方をするのかはとても重要です。だんだん良くなっているのに、途中で諦めて、結果的に治らなくなってしまったら後悔してしまいます。だから、ご本人やご家族とよくお話をするということも、言ってみれば治療の一つなんです。

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