二階堂 量子 院長の独自取材記事
ひまわりこどもクリニック
(明石市/西新町駅)
最終更新日:2026/04/14
山陽電鉄本線西新町駅から徒歩6分、明石市硯町の閑静な住宅街に位置する「ひまわりこどもクリニック」。院長の二階堂量子先生は、日本小児科学会小児科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医の資格を持ち、アレルギー診療にも精通。地域の二次救急病院やNICUでの勤務経験を生かし、生後間もない乳児から幅広い疾患に対応している。また、2児の母としての視点を大切にした診療も同院の特長の一つ。感染症対策として待合室を設けず、個室の診察室で待機できるスタイルを導入している点も安心材料だ。診療ではAI機能を搭載した先進の機器も活用し、食物経口負荷試験を行うなど、専門的なアレルギー診療の拠点としても機能。地域の子どもの笑顔を守るため、保護者の不安に寄り添い地域医療に貢献する二階堂院長の想いを聞いた。
(取材日2026年3月13日)
子どもたちの「ひまわりのような笑顔」を守るために
先生が医師、そして小児科医を志されたきっかけを教えてください。

原点は中学生の時、学校の研修で乳児院を訪れ、子どもたちと接した経験にあります。そこで最も衝撃を受けたのは、つらい経験をしてきた子どもたちが、どこか「子どもらしくない」反応をしていたことです。施設の方から「診てもらえる小児科医が少ない」という切実な悩みを聞き、子どもたちの笑顔を守るお手伝いがしたいと強く願うようになりました。また、大学の実習や初期臨床研修でさまざまな科を回る中で、圧倒的なやりがいを感じたのが小児科でした。重い病気と懸命に闘って生きようとしているお子さんを、医師全員が一丸となって命を救うために全力を尽くす。その熱い姿勢に深く共感し、迷うことなくこの道を選択しました。
研修医時代や勤務医時代の経験が今に生きているそうですね。
NICU(新生児集中治療室)での勤務経験も、私にとって非常に大きな財産となりました。一分一秒を争う現場で命を救うことに没頭し、小児科医としての基礎を叩き込まれました。その後、小児科専門医を取得し、母となってからも常に目標を持ち続けたいと考え、次にアレルギー領域での研鑽を積み、アレルギー専門医の資格を取得しました。加古川中央市民病院で10年以上、アレルギー疾患の診療に深く携わってきた経験は、現在の私の診療の柱となっています。また、二次救急病院で培った豊富な小児救急の経験も、現在のクリニックにおいて「どこまで当院で診て、どこから基幹病院へ紹介すべきか」という緊急度の判断を行う上で、大いに生きています。
地元である明石での開業に至った経緯と、その想いをお聞かせください。

私自身、明石で子育てをしている一人の母親として、この地域の温かさを日々感じています。勤務医として多くのお子さんの成長を見守り、お母さん方の相談に乗る中で、より患者さんやご家族と近い距離で働きたいという目標が芽生えました。開業地に地元を選んだのは、住み慣れた場所で地域医療に貢献したいという想いが強かったからです。クリニック名の「ひまわり」には、子どもたちの明るい笑顔を守りたいという願いを込めています。地元の方々から「何かあったらひまわりこどもクリニックに行こう」と言ってもらえる、安心感のある場所をめざしています。木曜や土曜の午後など、他院が休診しがちな時間帯にも診療を行うことで、急な体調不良の際にも頼れる受け皿でありたいと考えています。
完全個室制と先進機器の導入で患者の不安を取り除く
こちらには待合室がないそうですね。クリニックの設計におけるこだわりをお聞かせください。

コンセプトは「私自身が利用したいと思える小児科」です。まずこだわったのは感染症対策とプライバシー配慮の両立です。来院後はすぐに6つの診察室のいずれかに案内し、私たち医療者が各診察室を回って診療を行うようにしました。これにより患者さん同士の接触を最小限に抑え、感染リスクの低減を図れるだけでなく、お子さん連れのご家族も周りを気にせずリラックスして過ごしていただけます。また、ベビーカーのままスムーズに入室できるよう1階の立地を選びました。さらに11台分の駐車場を完備し、雨の日やお子さんを連れての通院負担を少しでも軽減できるよう配慮しています。
クリニックを「楽しい場所」にするためにさまざまな工夫をされているそうですね。
クリニックは予防接種などで嫌な思いをしやすい場所だからこそ、できるだけ「また来たい」と思ってもらえる場所にしたいと考えました。各診察室にはおもちゃや絵本を設置して、おもちゃで遊んでいるうちに診察が終わるような、楽しい環境づくりをめざしています。キッチンセットや電車のおもちゃは、わが家の子どもたちが昔遊んでいたもので、今でもお子さんたちに大人気です。また、頑張ったご褒美になるように、注射の後のばんそうこうにはスタッフが一つ一つ手書きでイラストを描き、お子さんに好きなものを選んでもらうようにしています。各診察室に絵本を充実させているのは、実は私自身にとって、クリニックの待ち時間はゆっくり子どもたちに絵本を読んであげられる貴重な時間だったからです。親子で一緒に絵本を読みながら、温かな時間を過ごしていただけたらと思います。
身体的な負担を減らすための配慮もされていると伺いました。

お子さんの身体的負担を減らすため、先進の機器を積極的に導入しています。例えば、インフルエンザの診断の補助に用いる機器は、喉の撮影画像と問診結果をAIが解析します。従来の鼻に綿棒を入れる痛みが出やすい検査を避けられるため、検査を怖がるお子さんにはお勧めです。発熱後半日程度の早い段階での診断に強いというメリットもあります。さらに、核酸増幅技術を用いた機器も導入しており、早期診断が重要な乳幼児や基礎疾患を持つお子さんの感染症診断の補助に活用しています。こうした機器を状況に合わせて使い分けることで少しでも早く適切な治療につなげ、ご家族の不安を解消できるよう努めています。
アレルギー診療から育児相談まで、家族に寄り添う
一般診療だけではなく、アレルギー領域にも力を入れているとか。

10年以上アレルギー領域で研鑽を積んできたアレルギー専門医としての経験を生かし、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、喘息などの幅広いアレルギー疾患に対応しています。特に食物アレルギーについては、基幹病院では予約が取りにくい「食物経口負荷試験」を気軽に受けられるよう体制を整えました。リスクを考慮し、当院で対応可能な範囲をしっかり見極めた上で行っています。アトピー性皮膚炎に対しては生物学的製剤による治療も継続して行える環境を整えており、クリニックならではのきめ細かなフォローができるよう体制を整えているのが強みです。アレルギーは長期にわたる管理が必要ですが、専門的な知見に基づきお子さんの成長に合わせた適切な治療方針をともに考えていきます。
2児の母としての視点は、日々の診療にどのように反映されていますか?
私自身、仕事と育児の両立で葛藤してきた経験があるからこそ、お母さん方の「大変さ」が身にしみてわかります。ですから、診療では理想論を押しつけるのではなく、各家庭の生活スタイルに合わせた「実現可能な提案」をすることを心がけています。例えば、離乳食の進め方についても「市販の加工品をうまく活用しても大丈夫ですよ」など、お母さんの負担を減らすためのアドバイスを具体的に行います。NICUで新生児の全身管理を行ってきた経験も生かし、ミルクの飲みにムラがある、うんちが出にくい、夜寝ないといった、赤ちゃんの育児の相談も大歓迎です。話すことで親御さんの気持ちが少しでも楽になり育児がしやすくなるお手伝いができれば、これほどうれしいことはありません。
今後の展望と、育児に奮闘する地域の親御さんへのメッセージをお願いします。

今後は専門であるアレルギー診療をさらに拡充し、食物アレルギーから花粉症まで、さまざまなアレルギーの悩みを解決できる地域の専門拠点としての役割を強化していきたいと考えています。開業して1年がたち、地域の皆さまとのつながりが深まってきていることを実感しています。お子さんの健康を守ることはもちろんですが、親御さんにとっても「ここに来れば安心できる」という心のよりどころでありたいです。子どもたちが健やかに育ち、ご家族が笑顔で過ごせるよう全スタッフが一丸となってサポートします。不安なことや気になることがあれば、どんなに些細なことでも構いません。どうぞ「ママ友に相談する」ような軽い気持ちで、お気軽に当院の扉を叩いてください。

