高橋 祥史 院長、冨田 幸治 副院長の独自取材記事
まさご内科クリニック
(新潟市西区/小針駅)
最終更新日:2025/03/04

まさごメディカルゾーンにある「まさご内科クリニック」は、高橋祥史院長と冨田幸治副院長が2人で開業したクリニックだ。高橋院長は消化器内科、冨田副院長は循環器内科を専門としているため、それぞれがカバーし合うことで内科全般の診療を可能にしている。患者の負担軽減を第一に考え、患者との時間を大切にしている同院。患者と地域に貢献したいという思いはスタッフも同様で、「チーム・まさご内科クリニック」として、全員が一丸となって診療にあたっている。2024年10月に開業して以降、10代から高齢者まで、さまざまな年齢層の患者が訪れている同院。ときには笑い、ときには真剣にインタビューに答えてくれた高橋院長と冨田副院長からは、仲の良さはもちろん、お互いへの厚い信頼も感じられた。
(取材日2024年12月12日)
消化器内科と循環器内科の医師がいる内科クリニック
まずは開業おめでとうございます。クリニックの概要からお聞きしてもよろしいですか?

【高橋院長】標榜科目として掲げているのは、内科・消化器内科・循環器内科です。私と冨田先生、それぞれ専門はありますが、全般的な内科の症状を診察しています。2024年10月に開業したばかりなので、特筆すべき実績などはまだありません。でも今後は地域医療への貢献を続けて、この地域にとってかけがえのない存在になれるよう、頑張っていきたいと思います。
【冨田副院長】医師が2人というのは大きなメリットなので、そこを生かした診療を行っています。医師が1人の場合、外来の合間に急いで検査をすることも考えられ、患者さんとの時間が十分に取れないなどの状況は珍しくありません。医師が2人というのは当院の強みですから、今後もそこを生かしていければと思います。
それぞれのご専門についてお聞かせください。
【高橋院長】私の専門は消化器内科です。柏崎総合医療センターや新潟大学医歯学総合病院、県立がんセンター新潟病院などでの勤務経験があります。消化器内科は食道から肛門までの消化管と、肝臓・膵臓など消化器系臓器の疾患を診る科です。かなり幅広い分野なので、多くの患者さんと接してきました。軽い腹痛から末期がんまで、患者さんはさまざまです。
【冨田副院長】循環器内科で診るのは、胸痛や不整脈、血管の動脈硬化などですね。健診の血圧で引っかかった人は、循環器内科に行くことをお勧めします。当院にも、健診で引っかかった患者さんが来院されることが多いですね。
内視鏡検査にも力を入れていると伺いました。

【高橋院長】そうですね。当院では、いわゆる胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)と大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)、それぞれの検査が可能です。特に胃カメラは経鼻と経口から患者さんに選んでもらうことができますし、鎮静剤の使用もできます。いくら検査といえど、異物を口から入れることは抵抗があると思いますので、可能な限り患者さんの負担に配慮した検査を意識しています。かく言う私自身も実は内視鏡検査はかなり苦手で、検査を受ける1週間前からそわそわしてしまいます。だからこそ、患者さんには少しでも楽に検査を受けてもらいたいと思っています。そもそも検査というのは、継続して定期的に受けることが大切なので、理想としては「今回の検査が、今までで一番楽だった」なんです。検査を避け続けた結果、不調が生じて、いざ検査してみた時に病状が進んでしまっていたということだけは何としても避けたいですね。
チームとして患者と接し、診療にあたる
患者さんと接する上で、気をつけていることはありますか?

【高橋院長】患者さんと会話することですね。患者さんの話を聞くこと。患者さんとの雑談から病気の原因や発症の経緯を知ることもあります。このように病気や治療の話だけでなく、「雑談」という「会話」を交えることで、お互いの距離も縮まり、そしてお互いを理解できると思うので、「会話」というものを私は大切にしています。当院は医師2人体制なので、患者さんとゆっくり会話ができる環境が整っていると思います。
【冨田副院長】私もそうですね。私は長く総合病院に勤めていたのですが、そこでは患者さんとゆっくり話す時間は取れませんでした。こうして患者さんとゆっくりお話しできる環境を整えられたことはうれしいですね。それに当院はスタッフが優秀なので、何か話したいことがありそうな患者さんがいたら、看護師が聞き取りをしてくれます。当院では「チーム・まさご内科クリニック」が発足していて、たいへん助かっています。
「チーム・まさご内科クリニック」について、詳しく教えてください。
【高橋院長】総合病院などは、事務方、看護師、医師の役割がはっきりしていて、それぞれの中で動くことがほとんどです。縦のつながりが強いんですよね。当院はその逆で、それぞれの得意な分野はあれど、垣根を越えて仕事をしてくれています。医師や看護師、受付といった役割の違いはありますが、立場は一緒。意見があれば遠慮なく言ってもらっていますし、情報共有も怠りません。地域に貢献したいという気持ちは、スタッフ全員が持っています。
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

【高橋院長】地域的にご高齢の方も多いですが、学生など若い世代の患者さんも多い印象ですね。
【冨田副院長】当院は生活習慣病の予防・治療にも取り組んでいるため、働き世代の方も多いですよ。
【高橋院長】当院の前を走る産業道路沿いにはクリニックが少ないのと、このメディカルゾーンに来ればだいたいの診療は済みますから。利便性の高い場所だと思います。
2人で開業し、地域貢献を続けていく
医師を志したきっかけはありましたか?

【高橋院長】医療の家系ではありましたが、親から医療系に進学しろと一言も言われなかったし、私も医師になろうとまったく思ってなくて。きっかけは、父の入院です。「命」というものを本当に実感しました。その時の父の主治医、そして医師である父が私にかけた言葉により、患者でもない自分も救われて。この時に人生で初めて、自分に何ができるのか、自分が何をしたいのか、ということを本気で考えたと思います。そして、「医師」という職業が「医者」であり「慰者」でもあることを実感し、自身もそうなりたいと心から思いましたね。
【冨田副院長】私は……漫画の影響です(笑)。もちろん、漫画と現実は違うとわかっていたのですが、どうしても医師への憧れが捨てきれなくて。医師になったことを後悔したことはありません。「病気は治る」が当たり前ではないからこそ、医師として常に精一杯の力を注いでいるつもりです。
お2人が出会ってから開業までの経緯を教えてください。
【高橋院長】冨田先生と出会ったのは研修を受けていた時です。私の指導をしてくれた先生で、3年間ほど一緒に働きました。私が別の病院に行って以降は一緒に働くことはなかったものの、連絡は取り続けていました。開業を考えた時、私は自身の専門分野である消化器内科領域だけでなく、往診も含めた幅広い診療を行っていきたいと思っており、開業するなら2人以上でと考えていました。そこで頭に浮かんだのが冨田先生だったのです。
【冨田副院長】高橋先生から開業の連絡を受けた時は、最初冗談かと思っていました。話半分で聞きながら、ぼんやりと開業について考えましたね。循環器内科というのはよく夜中に呼び出されて手術することも珍しくない科です。若ければ体力もあるので平気ですが、年齢を重ねていったらきつくなることも考えられるなと思いました。勤務医としていつまで病院に勤めるのかを考えた時に、高橋先生との開業もいいなと思ったんです。
今後の展望についてお聞かせください。

【高橋院長】クリニックというのは、病気や不調で不安な方が来る場所です。そんな場所だからこそ、「来て良かった」と思ってもらえる場所にしていきたいですね。誰がいつ来ても、ほっとできる場所。医師やスタッフと会うことで、少しでも元気をもらっていただけたらうれしいです。私自身この辺りで生まれ育ったので、地域に貢献したい思いは強くあります。
【冨田副院長】信頼してもらえるクリニックをめざします。検査にもリスクはつきもの。検査だからといって絶対安全という保証はありません。当院では起こり得るリスクについて患者さんにご説明し、何かあればすぐに対応できる体制を整えています。人間の体は何が起こるかわかりません。だからこそ、患者さんには医師というプロに診てもらいたいですね。