「怖い」「忙しい」と受診を敬遠
歯科が苦手な人の不安に配慮
センター北あだち歯科
(横浜市都筑区/センター北駅)
最終更新日:2025/03/10


- 保険診療
定期検診やメンテナンスが一般的になり、歯科医院へ定期的に通院することの重要性が徐々に定着しつつある昨今でもやはり「歯科医院は苦手」という人は、世の中にたくさんいるだろう。「怖い」「仕事が忙しい」「今さらケアしても手遅れではないか」といった理由に加えて「怒られるのではないか」と危惧する人もいる。「センター北あだち歯科」では、足立慎祐院長を中心にスタッフみんなが「歯科医院を怖がることなく来てほしい」と考え、歯科医院に苦手意識を持つ患者の不安を取り除こうと全力を尽くしている。そんな足立院長に、患者への向き合い方や同院の工夫について語ってもらった。
(取材日2025年2月12日)
目次
歯科医院が苦手な人にも受診してもらえるような診療を。さまざまな工夫を取り入れる歯科医院
- Q歯科医院にはどの段階で行くといいのですか?
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A
▲患者に合った歯ブラシなどセルフケアグッズの提案も行う
歯科医師の立場から言わせていただくと「この段階で来てください」ということはありません。本当は少しでも違和感があればすぐ来ていただきたいのです。虫歯は痛みが出ることが多いですが、歯周病の場合は目立った症状がないことがほとんど。「もう少し早い段階で来ていれば……」と思いながら抜歯しなければならないケースもしばしばあります。虫歯も歯周病も進行すればするほど、治療に時間も手間も費用もかかります。来院されることで、お口の健康状態を知ることもできます。歯科医院が苦手な方もいらっしゃると思いますが、想像されているほど今の歯科治療は怖くありませんし、痛みにも配慮されています。思い立ったらぜひいらしてください。
- Q先生が診療をする際に心がけていることは何でしょうか?
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A
▲来院が楽しくなるよう、内装に工夫を凝らす
患者さんの不安を取り除き、主訴に対応した上で、お口の中全体の健康をめざすことです。ケアを怠っていたり、相当悪化していたりしても「怒られる」「注意される」なんて心配はされないでください。当院のモットーは「患者さんにもスタッフにも優しいクリニック」です。私自身、子どもの頃から歯科医院に感じていたのは「何をされるかわからない」という不安でした。それが歯科医院から足が遠のく原因につながると思っています。当院では、歯の現状をきちんと解説し、治療の手順や他の選択肢、通院頻度や期間・費用などを明確にお伝えします。不安の払拭はもちろん、お勤めの方もスケジュールを組み立てやすいよう、日曜・祝日も診療しています。
- Q虫歯や歯周病を放置するリスクについて教えてください。
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A
▲検査画像などで、治療の進行について丁寧な説明を心がけている
虫歯であれ、歯周病であれ放置して悪化すると歯を失うことにつながりかねません。「歯をなくしても平気」と考えていらっしゃる方は多くはないと思います。ですが、想像されている以上に歯をなくすのは厳しいことです。しっかり噛めないとおのずと食べられるものが限定されてきます。お肉や果物など、歯応えのあるおいしいものが食べにくくなりますし、栄養も偏ります。仮に歯を失わないまでも、例えば歯周病が悪化した場合は、お口の中だけにとどまらず、全身疾患に関与するリスクも高まります。歯のケアをまったく意識せずに生活していくことは、QOLを損なうことにつながると思います。
- Q実際に治療はどのように進むのでしょうか?
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A
▲自身の口腔内での治療がどのように進んでいくかを共有する
初診は60分枠を取って、少なくとも30分かけてしっかりと検査と診断、治療の計画についてお話しします。口腔内全体のエックス線写真を撮り、主訴以外に悪いところはないかを確認します。例えば虫歯が大きくなっていて治療が必要な場合、その歯の状態をモニターで見ていただき、治療工程について説明します。「ここが虫歯です」というだけでなく、顎の骨の構造や過去のかぶせ物などにも言及します。そうして、今のお口の中の状態を患者さんとしっかり共有し、イラストを使って治療の仕方なども見ていただくことで、ご自身の歯に興味を持っていただけるように努めます。治療や通院にも、前向きに取り組んでいただきたいですね。
- Q治療を終えた後も定期的な検診は必要なのでしょうか?
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A
▲健康のためには、定期検診は欠かせない
定期的な検診は必要です。特に虫歯と歯周病が両方ある場合、虫歯だけを治療しても歯周病は進行していきます。当院では虫歯の治療と並行して歯周病の治療を行い、歯科衛生士たちにクリーニングを担当してもらっています。治療を継続しながら、歯石を取ってもらって、安定した状態をめざしていきます。しかし、口の中の環境は唾液の量や噛み合わせの強弱の影響を受けますので、常に安定した状態で保持できるものでもないんですね。一通り治療を終えて、お口の中の問題に対処してからも、その時点での状態に応じて定期検診の頻度を設定します。