その頭痛、ストレートネックかも?
ペインクリニックでの痛み治療
吹田くわた内科・ペインクリニック
(吹田市/千里丘駅)
最終更新日:2025/03/25


- 保険診療
なんだか頭が痛い、いつも肩が凝っている、そんな人はストレークネックが原因かもしれない。ストレートネックとは、その名のとおり、首が真っすぐになる病気で、スマートフォンの見すぎや長時間のデスクワークなどが原因で起こる現代病。肩凝りや頭痛の他、重度の場合は頸椎症などの神経疾患になることもあるという。「放置していると、どんどん治りにくくなる『痛みの悪循環』に陥ることも。早めの対処が大切です」と呼びかけるのは、「吹田くわた内科・ペインクリニック」の桑田繁宗院長。同院では、片頭痛や緊張型頭痛など頭痛の種類から原因を探り、必要に応じて神経ブロック療法などを用いて痛みに悩む多くの患者に手を差し伸べている。今回は日本麻酔科学会麻酔科専門医でもある桑田院長に、ペインクリニックならではの治療について聞いた。
(取材日2024年12月6日)
目次
ストレートネックによる慢性的な頭痛は、原因に神経ブロック注射で治療し、QOL低下の早期抑制を図ろう
- Qストレートネックとはどういう状態で、どんな症状が出ますか?
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A
▲誰もがしがちな行為がストレートネックの原因になる
ストレートネックとは、首の骨が真っすぐになってしまった状態のことをいいます。正常な人間の首の骨は湾曲していて、それによって頭の重心が肩の上に位置できるため、重い頭をうまく支えています。ですが、首のカーブがなくなってしまうと、頭の重心が前方に移動してしまうため、それをカバーしようと周辺の筋肉や骨に負担がかかり、肩・首・肩甲骨の凝りや痛みといった症状が現れます。ストレートネックは悪い姿勢を長い時間続けていることが主な原因です。長時間のデスクワークや自分に合っていない枕などの他、近年はスマートフォンの見すぎが大きな要因でしょう。ストレートネックには「スマホ首」という別名もあるくらいです。
- Q放置していると、どうなりますか?
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A
▲エコーなどを用い、患者の首や背骨の状態を確認する
そのまま放置していると、肩や首の凝りだけでなく、血行が悪くなって、頭痛、吐き気、めまいといった症状が出てきます。さらに放置していると、背骨全体のバランスまで崩れて、神経の圧迫から手のしびれやだるさが生じたり、自律神経が乱れて天気や月経周期などの変化に対応できず不調が続く原因になったりすることもあります。また長期間にわたり首に負担がかかり続けることで、頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアといった大きな病気になることも考えられます。そうなれば将来的に外科手術が必要になることも考えられます。初期にはほとんど自覚症状がないので軽視されがちですが、長期的にQOLの低下を招き、日常生活にいろいろな支障が出てきます。
- Q頭痛や肩凝りの痛みは、我慢しないといけないのでしょうか?
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A
▲患者の要望に耳を傾け、寄り添った治療を提案する院長
いいえ、どのような痛みも我慢することはよくありません。一般的に痛みがあると筋肉がこわばり、血液の流れが悪くなります。すると、痛みを起こす物質がその場所にたまり、ますます痛みが強くなります。これを「痛みの悪循環」といいます。そもそもストレートネックが起因の頭痛や肩凝りは長時間同じ姿勢でいたために、首周りの筋肉が凝り固まってしまうことが原因です。 首周りの血行を良くして、姿勢に気をつければ、症状は徐々に軽減に向かうでしょう。けれども、慢性化してしまい、痛くて動かせないことも。そんな時には、痛みの専門家であるペインクリニックを受診して、早めに痛みの悪循環を断ち切ることも大切です。
- Q慢性的な頭痛に、ペインクリニックではどのように対応しますか?
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A
▲エコーで神経や血管などの位置を確認しながら注射を打つ
その原因に応じて、内服や湿布などの他、注射による治療を行っています。神経ブロック療法という、神経や神経の周辺に局所麻酔やステロイド剤を注射して、痛みの軽減を図る治療法は、麻酔薬が神経に作用することで痛みの伝わる経路のブロックや、血流の改善、筋肉の緊張の抑制、痛みの悪循環を断ち切ることが目的です。頭痛の診療では、問診などから頭痛のタイプと原因を診断し、患者さん一人ひとりの状態に応じて薬剤や注射の種類を使い分けます。硬膜外ブロックや星状神経節ブロック、神経根ブロックなど、体の深部の神経に注射する神経ブロックの他、筋膜リリース、トリガーポイントなど、腱・筋肉などの炎症患部に注射する方法もあります。
- Qペインクリニックで治療を受けるメリットはどんなところですか?
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A
▲痛みを我慢せずに、早期段階で相談してほしいと話す院長
ペインクリニックでは、超音波を用いて肩や首など体の中の状態を確認しながら、痛みの原因と考えられる筋肉や神経に直接アプローチできるところが大きなメリットといえます。市販の鎮痛剤やマッサージなども良いですが、すぐにぶり返すことがほとんどです。その点、神経ブロック療法は麻酔薬の効果が切れた後も治療後の状態の維持が期待できます。とはいえ、神経ブロック療法もストレートネックを治療するものではありません。まずは動かせる状態まで回復をめざし、治療後はリハビリテーションに励むことをお勧めします。