どうして自費診療は高いの?
自費診療と保険診療の違い
日進かぐやまデンタルクリニック
(日進市/赤池駅)
最終更新日:2025/02/18


- 保険診療
- 自由診療
医科の病気ではあまり多くは採用されない印象がある自費診療だが、歯科診療ではよく「自費診療にしますか? 保険診療にしますか?」と提案されることがある。そもそもどうして歯科には自費診療が多いのだろう? 健康保険の適用されない自費診療は全額自己負担のため、「歯科医院が利益を追求したいから勧めているのだろうか?」と疑ったことのある人もいることだろう。どうして歯科には自費診療が多いのか、またなぜ自費診療は高額なのか、「日進かぐやまデンタルクリニック」の松田康宏院長に聞いてみた。
(取材日2025年1月8日)
目次
費用が高いのには理由がある。長期的に歯の健康を維持していくための自費診療の数えきれないメリット
- Q医科では少ない印象の自費診療ですが、歯科はなぜ多いのですか?
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A
▲口腔全体の状態を把握し、計画的に治療を行う松田院長
医科では、たとえがんでも標準治療が決まっていて、基本的には保険で治療が完結するようになっています。歯科の場合は、保険診療の考え方として「噛めるかどうか」が基準になっていて、虫歯を治療してかぶせ物を入れることは保険でできます。ただ、そのかぶせた物の経年劣化まではあまり考慮されていません。実際、保険診療で作ったかぶせ物は、隙間から唾液や虫歯菌が入りやすく、強度も弱いので割れたり欠けたりということも多いのです。私たち歯科医師は、かぶせた物が何年後かに再治療になるのは避けたいと考えます。保険診療の適用範囲外でも、長期的に使用できるよう考慮された素材を提供したいと考え、自費診療で取り入れているのです。
- Q保険診療でかぶせ物をした場合、再発したらどうなるのですか?
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A
▲歯の健康維持のために、自費診療はさまざまなメリットがある
保険診療のかぶせ物は、先ほど申し上げたような理由で、虫歯が再発しやすいというデメリットがあります。再発すると、かぶせ物を外して虫歯になった部分を削るので、さらに歯が小さくなってそれを繰り返すことで最終的には抜歯となってしまうこともあります。これは材質の特性ですから、どんなに頑張って歯磨きをしても完全に防ぐことは難しいです。一時は保険診療で経済的負担を抑えられても、その後に何度も治療に通う時間やコストを考えたら、自費診療との差は大きくないかもしれません。結果的に自費診療のほうが、長い目で見ると患者さんにとってメリットが大きいというのが、私の意見です。
- Q自費診療の材料について詳しく教えてください。
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A
▲患者の健康を考え、より良い治療法を提案する
機能回復という観点で保険診療が決められているため、審美的なことはそこまで考えられていませんし、材料に制限があります。歯科の材料は進化が著しいので、保険診療で決められたもの以上の良い素材が増えてきたというのも、歯科で自費診療が多い理由かもしれません。例えば、自費診療のかぶせ物の場合、白くて硬い「セラミック」という材質がありますが、表面がなめらかなので虫歯や歯周病の原因となるプラークなどの汚れがつきにくいです。強度もプラスチックとは比べ物にならないくらい硬い素材です。審美的にも銀歯のように目立つこともありません。当院では5年間の保証期間を設けて提供しています。
- Qインプラントも自費診療ですが、どんなメリットがありますか?
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A
▲ガイドシステムを導入し、より精密なインプラント治療を行う
インプラント治療は、ブリッジのように隣の歯を削ることなく、人工歯を入れることができます。歯を一本でも多く残すという意味でも、歯の健康に貢献する治療だと考えています。例えば、奥歯を失うと、前歯に負担がかかってしまいますが、インプラントを入れることで奥歯でしっかりと噛めるよう促せれば、前歯の負担軽減につながります。高齢になっても歯を多く残すためには一部の歯に負担をかけないことも重要です。インプラントは、素材費が費用の多くを占めますが、手術費用も歯科医院によってさまざま。ガイドシステムを導入しているのか、フリーハンドで行うのかなどの違いも費用に反映されていると思います。
- Qこちらでは手術にガイドシステムを採り入れているのですか?
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A
▲患者一人ひとりに寄り添い、丁寧な説明を心がける
はい。CTでシミュレーションをした場所や深さ、角度にインプラント体を適切に埋め込むためのシステムです。フリーハンドでの手術では、感覚で埋め込むため、真っすぐに入るとは限りません。ガイドシステムを使えば、あらかじめ決めた位置に入るため、その後のトラブルも少ないと考えます。他院で断られたという場合でも、できる限りご相談に乗り、歯の健康に一番良い方法を一緒に考えています。インプラント体については、厳選したものを取り入れ、トラブルがあった際も迅速に対応できるよう10年間の保証期間も設けています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/42万9000円~、セラミッククラウン/8万8000円~