みぞおちや胃の違和感、胸やけなど
胃の内視鏡検査でわかること
たに内科・循環器・消化器クリニック
(一宮市/妙興寺駅)
最終更新日:2025/04/28


- 保険診療
胃に違和感があっても、「いつものことだから」とそのままにしている人は多いのではないだろうか。また、胃の内視鏡検査は苦しそうというイメージが先行し、「検査になったら嫌だな」と受診をためらう人も少なくないだろう。そんな中、「自覚症状がない病気も多いため、健康を確認する意味で気軽に受診してほしい」と呼びかけるのは、「たに内科・循環器・消化器クリニック」の副院長である谷佐世先生だ。専門は内視鏡で、数多くの検査を手がけてきた佐世副院長。胃がんなどは早期の発見が重要だが、それには内視鏡検査が欠かせないという。検査に伴う不安にも女性ならではのこまやかな配慮でフォローし、苦痛が少なく見逃しのない検査をめざし力を注ぐ佐世副院長に、検査でわかる病気や受けるメリット、検査の流れについて詳しく聞いた。
(取材日2025年4月11日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどんな症状がある際に、内視鏡検査を検討したほうが良いですか?
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A
胃の不快感、胸やけ、胃の痛み、空腹時や食後に腹痛がある、などといった場合には、内視鏡検査の適応になります。内視鏡検査をするかどうかは、以前受けたことがあるかも大きく影響します。毎年受けている方は、変化が大きくないようであれば、お薬で調整していきます。一方で、まだ内視鏡検査を一度も受けたことがない方は、実際に受けていただいて病気があるかどうかを見極めるということが大事になります。医師が症状や食生活の変化などを丁寧にヒアリングした上で、内視鏡検査が必要かどうか総合的に判断しますので、こんなことくらいでと思わず、まずは相談してみましょう。
- Q内視鏡検査でどのような病気がわかるのでしょうか?
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A
食道、胃、十二指腸の途中までを見ますが、多く見つかるのは逆流性食道炎、慢性胃炎、急性胃炎です。他に、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、食道炎、胃や食道のがん、頻度は低いですが、十二指腸がんやリンパ腫が見つかることもあります。胃がんや食道がんでは自覚症状がない方も。また、過去にピロリ菌の除菌をされた方は胃がんが見つかりやすいというデータもありますので、背景も念頭に置きながら、見落としのないよう行います。なお、検査で異常がない場合も多いのですが、それで終わりではなく、自覚症状があればお薬で調整をします。内視鏡検査は最終目標ではなく、次の道、つまり患者さんに合った治療を見分けるためのものだといえるでしょう。
- Q検査を1回受けたら、数年は受けなくても大丈夫でしょうか?
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A
患者さんの状況によりますが、慢性胃炎、ピロリ菌の感染がある方は毎年検査を受けることが推奨されています。ピロリ菌は感染すると、平たくいえば胃を荒らします。慢性胃炎、萎縮性胃炎ともいわれていますが、感染のない方に比べるとがんの発生率が高いといわれています。ピロリ菌は除菌をすればがんのリスク低下につながりますが、除菌後も感染のない方と比べてがんのリスクは高くなりますので、定期的な内視鏡検査が推奨されています。ピロリ菌の感染がない方は、自覚症状がなければ2、3年ごとの検査でいいでしょう。当院では、結果をご説明する際に、次回検査のタイミングをご案内しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診をもとに診察や説明を受ける
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症状があれば診察を受け、内視鏡検査が必要だと判断された場合、検査を行うとどういったメリットがあるかなど、詳細な説明を受ける。加えて、既往歴、内服歴、アレルギーの有無なども問われる。特に血液をサラサラにするための抗血栓薬を服薬していると経鼻内視鏡検査が受けられないため、念入りな確認がなされる。検査を無理強いされることはないため、気になる症状があればまず一度相談してみよう。
- 2検査の流れや注意点について、詳しい説明がなされる
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前日の夜9時以降は食事禁止、鎮静剤を使う場合は検査当日に車の運転はしないなど、検査にあたっての注意事項について説明を受ける。その際、疑問点があれば医師に質問し、検査にあたって不安が残らないようにしよう。受けた説明は書面でも渡されるため、帰宅後も目を通して、検査に臨む準備を行う。前日はなるべくゆっくり休むよう心がける。
- 3当日にバイタルチェック、麻酔などの前処置が行われる
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バイタルチェックで問題がなければ胃の中の泡を消すための薬を服用する。麻酔は、経鼻の場合は鼻にチューブを挿入して行われ、経口では喉にスプレーがされる。鎮静剤は点滴にて投与される。高齢の人の場合、鎮静剤を使うと転倒のリスクが高まるため、積極的には使われないことが多い。同院では、前処置の段階で看護師が優しく声をかけるなど、患者の緊張がほぐれるよう配慮しているという。
- 4医師が胃の内視鏡検査を実施
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左側臥位で横になる。鎮静剤を使用する場合、薬が作用するまで休む。経鼻で検査を行う場合は話せる状態のため、痛みを感じたら医師に伝えよう。鼻から内視鏡が入らない場合は経口に切り替える。経口では咽頭反射が起こりやすいが、軽減できるようスムーズな挿入を心がけてくれる。びらんや炎症、潰瘍などがあれば、細胞が採取され病理検査が行われる。検査中は医師がこまめに話しかけてくれるなど、不安にも十分な配慮がなされる。
- 5検査結果や今後についての説明を受ける
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検査画像を見ながら説明を受ける。治療が必要な場合は今後についての話を聞き、必要に応じて薬の処方や生活指導を受ける。なお、鎮静剤の投与を受けた場合はすぐに説明を聞くのは難しいため、しばらく休んだ後に説明を受ける。また、検査中に組織や細胞の採取が行われた場合は、病理検査の結果が出た際に再び来院し、あらためて説明を聞く。