谷 信彦 院長、谷 佐世 副院長の独自取材記事
たに内科・循環器・消化器クリニック
(一宮市/妙興寺駅)
最終更新日:2025/03/14

循環器内科と消化器内科をそれぞれ専門とする医師2人が在籍し、幅広い相談ができる「たに内科・循環器・消化器クリニック」。一宮市多加木の閑静な住宅街に位置し、前面がガラス張りの建物と広い駐車場が目印だ。院長の谷信彦先生は、大学卒業後、循環器専門の病院で研鑽を積み、救命救急センターでの経験もあるドクター。一方、副院長の谷佐世先生は、女性医師だからこそ可能なきめ細かく柔軟な対応を心がけている。専門的な知識と技術を持つ医師として、患者に対し簡潔にわかりやすく、しっかり説明することを大事にしている両先生に、開業に至った経緯、診療方針などを聞いた。
(取材日2024年12月16日)
病気を診るのではなく、人そのものを診るクリニックに
最初に開業の経緯をお聞かせください。

【信彦院長】祖父や父が開業医であり、開業医というものは身近な存在でありました。循環器を専門に選んだのは、研修医の時にカテーテル検査や心不全治療を経験し、非常にやりがいが大きいと思ったことからですね。実際、開業を決意したのは、医師になって15年目くらいのときに今後の生き方を考えた際に、自分の理想とする環境で診療をしたいという思いを持ったからです。父は名古屋で開業していますが、父の後を継がず、自身で一から立ち上げることにしたのは、新型コロナウィルス感染症の影響で発熱の外来の存在など、診療スタイルがこれまでと大きく変化したことや一宮でこれからもずっと生活したいと思ったからです。また、妻が消化器内科医であり、内視鏡検査を行っていきたいというのも理由の一つですね。
クリニックを作るにあたりどのような点にこだわりましたか?
【信彦院長】どうしても病院は体調が悪いときに来るものなので、その中で少しでも患者さんが落ち着いて居心地良く過ごせることを第一に考え、内装は温かみのある色味やゆったりしたレイアウトにこだわりました。発熱症状がある患者さん用の入口や部屋を分けてしっかり感染対策も行っています。待ち時間を少なくするための工夫として診察室を多めに作ってあり、患者さんが多いときは各診療室に先に患者さんに入っていただき、われわれが動く形でテンポ良く診療できるようしていますね。ウェブで予約も問診もできますので、クリニックでの滞在時間を短くするためにご利用いただければと思います。
診療時に大事にしていることを教えてください。

【信彦院長】当院のモットーにしている「病気を診ずして病人を診よ」という言葉は私が卒業した大学の建学の精神なのですが、スタッフにも伝えています。私たちは病気だけを診るのではなく、限られた時間ではありますがその患者さんが何で困っているかをくみ取って対応することを大事にしています。そのために、どういった選択肢があるのか、検査でもお薬でもできるだけ具体的に説明するということは心がけています。
【佐世副院長】患者さんによくお伝えするのは、「患者さんは医師を選ぶ権利がある。医師は患者さんに説明する義務がある」ということです。患者さんが納得されるまで説明は必要ですし、納得して頂いた上で帰宅していただきたいです。また治療法に対して他の医師の意見を聞きたいということがあれば、そのように手配させていただきますし、遠慮なく申し出ていただきたいと思います。
循環器と消化器という2つの専門性を持つ強み
院長の得意な治療をお伺いできますか。

【信彦院長】ずっと力を入れてきたのは心不全の治療と、高血圧・脂質異常症など生活習慣病の管理です。例えば高血圧の場合、血圧を下げるための薬剤にもいろいろ種類があるので、患者さんの基礎疾患などにあわせて選択しますし、循環器内科医の腕の見せ所と思っています。今後心不全の患者さんが非常に増えると言われているため、それをいかに防いでいくかも重要です。意外かもしれませんが、むくみも心不全の症状の一つにあり、ほかに動悸や息切れなど今までにないことが起こったときは、すぐに受診していただきたいと思います。
これから心不全が増加するとされているのはなぜでしょうか?
【信彦院長】社会の高齢化で心不全が増えている中、2025年には団塊の世代が75歳以上となるので、心不全パンデミックが起きるのではといわれています。心臓の疾患に限って言えばやはり高齢の方に起こりやすく、ほかの病気も出てきますので、いかに発症しないように防いでいくかが私たち医師の役目ではないかと思っています。そのためには、どの病気でもそうですが予防と早期発見が大切ですね。健康診断で血圧や心電図が引っかかった場合は、早い段階で受診していただき異常を見つけることで、症状が進まないように治療することや発症を抑えるための対策などができると思っています。
副院長はクリニックで胃カメラ検査を実施されているのですよね。

【佐世副院長】大学5年生のときに内視鏡を見て、興味を持ったのが消化器内科を専門としたきっかけなんです。内視鏡はどうしてもつらいと思われることが多い検査なのですが、私は少しでも患者さんが苦痛を感じないようにと思い検査中たくさんしゃべります(笑)。今までよりは楽にできましたと言っていただけるように検査をすることを心がけていますね。運転ができなくなる等の制約のため全員の方が使用可能ではありませんが、鎮静剤という選択肢もあります。口ではなく鼻から挿入という方法もあり、そちらは一番つらいポイントの「おえっ」という嘔吐反射が起きにくいです。ただ、鼻の中の形は人によって全然違うので、できないケースもありますね。精度はどちらも変わらないように検査するのでご安心ください。
女性医師がいることは受診しやすさにつながりますね。
【佐世副院長】中にはやはり男性医師には相談しづらい症状を持つ女性の方もいらっしゃると思うので、女性医師がいることで当院を受診されたり、女性同士だから話しやすいと思ってくださったりしたらうれしいですね。総合病院などには女性医師で内視鏡検査をされる方はいらっしゃいますが、クリニックではまだ少数だと思います。今はまだ幼い子どもがおり13時までの診療とさせていただいておりますが、ゆくゆくは午後も診察させていただきたいなと思っています。
予防が大切、そのために健診を
雇用時健診の結果を即日で出してもらえると伺いました。

【信彦院長】病院では可能なことですが、クリニックでは1週間ほどかかるのが通常です。当院は院内に血液検査を行う設備があり医師も2人いますので、結果を即日出せるということを特色の一つとしています。特に、雇い入れ時の健康診断は急いでいる場合が多いでしょうから、そういった時にも対応できるかと思います。あとは、人間ドックも行っていて胃の内視鏡検査や超音波検査の追加も可能です。一宮市ですと特定健診と後期高齢者健診がありますので、そういった健診も対応していますよ。
お忙しい中、どのようにリフレッシュされていますか?
【佐世副院長】例えば子どもたちがおいしい、と笑顔でご飯を食べてる姿を見たり、公園で楽しそうに走り回っているている姿を見たりすると、リラックスというかほっこりしますね。今は開業間もない事もあり、子どもたちとの時間をゆっくり過ごす時間がなかなか作れず申し訳ないなと思っています。
最後にこれからの展望とメッセージをお願いします。

【信彦院長】わかりやすく説明することと、専門的な知識と経験を生かしてしっかり治療することを軸に、待ち時間短縮など利便性も上げていきたいと思っています。循環器と消化器という2つの専門を持ち、男性と女性の2人で診ることができるクリニックなので、ぜひ受診していただければと思います。風邪や花粉症など内科全般はもちろん、心臓とおなかの疾患に関しては専門的な知識と経験を持っていますし、総合病院との連携も密ですので、困ったことがあればお気軽にご相談ください。
【佐世副院長】健康なときに病気を予防することや早期発見のために健診を受けることの大切さをお伝えできたらと思っています。大きな病気になってから「実は前からこの症状があったんだよね」という患者さんも少なくありません。健診を受けませんかという声かけもしていきたいですね。あとは、女性の方も安心して受診いただきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/1万2000円、人間ドックオプション:胃の内視鏡検査/1万5000円、超音波検査/心エコー1万1000円、腹部エコー6,600円