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西山 貴郁 院長の独自取材記事

西山皮膚科

(横浜市旭区/希望ヶ丘駅)

最終更新日:2021/10/12

西山貴郁院長 西山皮膚科 main

「診療の最後に、必ず他に何かありませんか?と聞くようにしています」と穏やかな口調でほほ笑むのは、「西山皮膚科」の院長、西山貴郁(たかふみ)先生。旭区に開院して18年、基本に忠実な治療をコンセプトにこつこつと信頼を築いてきた西山院長。同院には他院からの紹介の患者も多く訪れるという。保険診療が適用となる治療は、科学的根拠に基づく、その時点で受けられる最良の治療法、との考えを持つ西山院長。かかりつけ医として地元の患者のために最善を尽くす西山院長に、治療に対する考えや同院で受けられる小手術のことなどじっくり聞いた。

(取材日2019年7月3日)

大切にしているのは、正確な診断と基本に忠実な治療

まずはクリニックの特徴について教えてください。

西山貴郁院長 西山皮膚科1

私は旭区の出身で、この辺りはよく知っている土地ということもあり、2001年の1月にこの地に開院しました。患者さんは赤ちゃんからお年寄りまで幅広く、旭区や瀬谷区を中心とする地域に根差したクリニックです。多いのはアトピー性皮膚炎を主とする湿疹のご相談。あとは水虫、とびひなどの感染症から皮膚科特有の疾患としてじんましんや帯状疱疹など、目に見えるところに出た疾患全般を診ています。最近は長く治療を続けてきたけれども改善されなかったり、治療の方向性が思わしくないということで来院される患者さんも増えてきています。当院で診断をし直すということもありますが、使っている薬の使い方や治療の見通しなどをしっかり説明するだけで納得される患者さんも少なくありません。また、往診や漢方薬を用いた治療にも対応しています。

診療方針について教えてください。

そこでしかできないという偏った治療を行うのではなく、あくまでも基本に忠実な治療を大切にしています。他の先生が診ても納得できる、いわゆる標準治療ですね。当院は歯科や小児科の先生からの紹介も多く、私も必要に応じて他の信頼できる先生を紹介することもあります。最近はインターネットやテレビの情報をそのまま信じて、慌てて来院される方も増えています。残念ながら、それらの中には間違った情報も多く、そういう方を一般的な治療へ引き戻せるよう、丁寧にわかりやすく説明することも地域のかかりつけ医としての大切な役割だと考えています。よくある疾患に関しては自作のパンフレットを見ていただきながら説明します。話を聞くだけよりも、文字で見るとしっかり頭に入るということってありますよね。診療時の説明を補うというだけでなく、聞いたはずなのに帰宅したら忘れてしまったというような時に見直してもらえるというメリットもあります。

先生が得意とする分野はありますか?

西山貴郁院長 西山皮膚科2

横浜市立大学ではがんと膠原病をみていました。皮膚科の疾患の中では重い疾患なのですが、その鑑別はしっかりとやっています。膠原病はリウマチを代表とする病気で、一つの症状ではなく多彩な症状があるため、内科の先生でも見極めが難しいことがあって、なかなか「これが膠原病だ」と診断をするのが難しい病気なんですね。皮膚科の症状で疑いを持ったときには細かく診ていきます。皮膚疾患と内臓の関係は比較的少ないのですが、リウマチ・膠原病は皮膚の症状から全体のことを考えないといけない疾患なので、疾患の表れた患部だけを診るのではなく、医師として全身の健康状態を診ながら診断するようにしています。

ほくろの除去などの小手術を自ら手がける

小手術にも積極的に取り組まれているそうですね。

西山貴郁院長 西山皮膚科3

比較的簡単に除去の行える1時間以内の手術なら、自分で手がけるようにしています。私を頼って来てくださる患者さんがいらっしゃるので、当院でできることはしっかり責任をもって診たいと思っています。手術の時間は30分ほどで、痕の残りにくい縫い方など処置にも配慮しています。ほくろの除去というと、美容整形のイメージのある方もいらっしゃるかもしれませんが、他の良性のできものや悪性黒色腫、基底細胞上皮腫などと見分けが難しいこともあるので、ぜひ皮膚科にご相談いただきたいですね。

アトピー性皮膚炎の治療にも注力されていると伺いました。

アトピー性皮膚炎の治療に関してもさまざまな情報があふれていますが、すでに科学的根拠に基づく、安全性にも配慮された有用な治療法があります。当院では、入浴と保湿とスキンケア、炎症を抑えるための薬剤の使用、悪化因子の究明と対策を行う標準治療で、症状を改善に導いていきます。ただ、いまだにステロイドというだけで不安に思われる保護者の方もいらっしゃるので、そのような方には、作用によって5段階に分かれたステロイド剤を、症状の強さや部位に合わせて使い分けることや、適切に使用すれば副作用の心配も少ないことなどを納得していただけるよう、丁寧に説明しています。最近気になるのは、保護者の方がアトピー性皮膚炎と思っていても、実際はお子さんが強いストレスによってかき壊しているケースが見受けられること。一種の自傷行為ともいえますね。可能な限り、きちんと原因を見極めることが大切だと感じています。

印象に残っている患者とのエピソードはありますか?

西山貴郁院長 西山皮膚科4

たまたま皮膚科の疾患で受診されている患者さんの足にむくみがあり、「内科で調べてもらったけど、腎臓も肝臓もどこも悪くないと言われた」と話すのを聞いて、「1週間でこんなにむくむのは尋常ではないから、大きな病院できちんと調べてもらったほうがいい」と強くお勧めしたところ、がんが見つかったとのことでした。他にも、治りにくい皮膚のかゆみや足の傷などから糖尿病が見つかることもあります。身体の表面に現れた症状から、全身を診て診断していくのが私たちの仕事なので、気になる症状が現れた場合は、速やかに皮膚科にご相談いただければと思います。

かかりつけ医として、地域の健康のサポートを

お忙しい毎日だと思いますが、休日の楽しみ方を教えてください。

西山貴郁院長 西山皮膚科5

長年、医師会の活動でずっと忙しくしていたので、週末もほとんど仕事でしたが、今年から横浜市旭区医師会の活動だけになったので、ようやく休めるようになりました。週末の楽しみは、川で釣ってきたフナを自宅の池で育てながら眺めること。最近は知り合いからもらったクチボソやメダカが世代交代しながら増えてきているので、全部で何匹いるのか数えきれなくなってきました。池の手入れをしながら、飼っている魚をぼーっと眺めているのが至福の時ですね。

今後の展望をお聞かせください。

今は誰もが気軽にスマートフォンで調べものをする時代ですが、医師からすると誤った情報や、やたら不安をあおる情報が目立つことが気になっています。かかりつけ医として、厚生労働省の指針に則った適切な医療の提供と正しい情報を伝えることで、これからも地域の健康を守っていきたいと思っています。治療のことでも、薬のことでも、患者さんに納得していただけるようきちんと説明することも、本来の医療のあり方だと思います。それと、アトピー性皮膚炎の治療やほくろの除去などでも、保険診療で対応できる場合がたくさんあることも、もっと多くの人に知っていただきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

西山貴郁院長 西山皮膚科6

発疹やじんましんができると内科の病気を心配して内科に行かれる方もいるようですが、実際に内科的な疾患が原因のことはそれほど多くはありません。皮膚疾患だけでなく、切り傷ややけど、髪の毛や爪など目で見えるところはすべて皮膚科の診療範囲です。肌荒れやニキビでも、しっかりとした診断に基づいて、症状に合った薬を処方するのが皮膚科です。さらに希望があれば、美容や化粧品の相談にも対応しています。また、卵や小麦粉、スギ、犬猫など39項目のアレルギーを調べる血液検査や、問診から予測される原因物質を皮膚に貼付して検査するパッチテストなど、採血をせずに検査できるアレルギー検査も実施しています。セカンドオピニオン的な相談も増えてきていますが、当院ではきちんとした診断の上、患者さんにとって最適な治療を考えますので、皮膚のことでお悩みがあればどうぞお気軽にご相談ください。

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