高原 太郎 院長の独自取材記事
高原クリニック イノベーティブスキャン
(世田谷区/経堂駅)
最終更新日:2026/01/08
世田谷区経堂の閑静な住宅街に開業した「高原クリニック イノベーティブスキャン」。外観は別荘のようだが、内部に先進のMRIとCTを備えた、革新的な医療の館だ。高原太郎院長は、MRI検査で全身のがんなどの早期発見を可能にしたDWIBS(ドゥイブス)法の考案者。複数の病院の放射線科で経験を積み、現在にわたるまで新鋭の技術を取り入れ続けてきた。多忙な世代も受診しやすいよう、精度の高い各種検査が可能な限り短時間で済むよう工夫している。必要に応じて迅速に大学病院などを紹介できるよう、病診連携にも注力している。検査後の感想や悩みを率直に伝えてほしいという思いから、2階には広々としたカフェを設置。そんな同院や、高原院長が追求する「イノベーティブ」なオーダーメイド診療の全貌について、詳しく話を聞いた。
(取材日2025年10月22日)
DWIBS法考案者が提供する次世代の全身画像診断
まず、クリニックの特徴を聞かせてください。

当院は、オーダーメイド検診と画像診断に特化したクリニックです。一番の特色は、私が2004年に考案した、MRIで全身のがんやその他の疾患を検査できるDWIBS法を導入している点といえるでしょう。MRIもCTも先進機器を導入していますが、ルーティンの撮影をするだけではなく常にイノベーションに挑戦したいという気持ちで臨んでいます。例えば、先日もMRIに2つのAIを搭載するシステムを導入しました。これまで以上に細部を鮮明に写せる革新的な技術です。具体的には着衣で受けられ痛みの少ない乳がん検診、超低被ばくの肺がん検診、下剤を飲まなくて良い大腸CT検診、下肢のむくみに悩んでいる方へのMRI診断と外来などを行っています。
なぜ多彩なオーダーメイド検診が実現できるのでしょうか?
時代背景もあり、私はMRIの撮影と診断の両方の技術と経験を有しているからです。現在、MRIは撮影は技師、診断は医師というように役割が分かれていますが、私が医師になった頃はまだMRIの黎明期。医師も技師同様に撮影の勉強ができ、最初の3年間は朝から晩までMRIの撮影に携わりました。そんな環境で培った撮影と診断の両刀を生かしきるために、当院では検査中の画像を院内各所のディスプレーに表示できる仕組みを整備。中でも読影室は感覚を研ぎ澄ますために院内奥の静かな場所に設置し、リアルタイムで検査に介入しています。例えば、DWIBS法を行っている全国各地の施設から送られてくる画像の遠隔診断をしながら、院内で検査中の技師に指示を出し、必要があれば撮影に直接加わることも。高精度かつ深みのある画像診断を行っています。
どのような人にDWIBS法で検診を受けてほしいとお考えですか?

定期的に検診を受けている方だけでなく、未受診の方でも違和感を感じたらすぐに駆け込める場所にしたいと思っています。全身のMRIがん検診は約40分、乳がん検診は15分ほどで終了し、どの検査も基本的に前処置はありません。事前問診が終わっていれば、到着後すぐ検査ができ、安静不要、注射不要の検査なので、忙しい方にも受けていただきやすいと思います。基本的にはがんの発見を目的としていますが、MRIによって副鼻腔炎やヘルニアなど、がん以外の病気が見つかることも少なくありません。MRIではむくみの状態もわかりますので、圧迫やマッサージなどを行う「むくみ」に特化した外来も開設しています。がん検診を中心に行いますが、がん以外の健康管理にも貢献していきたいです。
外来経験で培った「伝える力」で患者をサポート
検査の精度に加え、結果の伝え方にもこだわりがあるそうですね。

検査結果レポートを作成し、丁寧にお伝えするようにしています。AやBといった記号などの端的な判定だけではなく「具体的にどんな意味があるのか、これからどうすべきか」を伝えることに意味があると考えているからです。また、単に「何科を受診してください」ではなく「◯◯病院の◯◯先生」という指定を求めている方が多いです。そのため、開業して1年経過しましたが、他の医療機関との連携をよりいっそう深め、多様な要望に対応できるネットワークを構築することに注力しています。また、さまざまな不安を抱える患者さんと向き合う際、2年間小児科の外来で診療した経験が役立っています。保護者の方は、自分のこと以上にお子さんを心配して悩んでいらっしゃいますから、どうしたら安心していただけるか心を砕いてきました。これは画像診断だけでなく、外来も経験した自分の強みだと思っています。
先生のこれまでのキャリアについて教えてください。
医学部を卒業後、大学病院の小児科で働いていました。小児科での診療はやりがいがあり「天職かもしれない」と思ったこともあります。けれどある日、ふと手に取った英語のMRI教科書の表紙にあった脳の縦切り画像を見て、大きな衝撃を受けたんです。工学にも興味があった私は「どうしてもMRIに関わりたい」と思うようになり、栃木県の大学病院で放射線科へ進むことを決意。そこではMRIの担当は数ヵ月ごとの交代制になっていましたが、熱心に学ぶ私の姿を見て特別に新人の頃から長期にわたり任せてもらえることになりました。MRI装置は原理が非常に難解ですが、ここで深く理解できたおかげで、DWIBS法を考案する土台にもなったと感謝しています。
DWIBS法を考案した後、すぐに検診に取り入れたわけではなかったそうですね。

まず通常の保険診療でのみ用い、検診に取り入れることには慎重でした。しかし2012年に私の母が病気で亡くなり、その通夜の席で父が「自分も最近体調が悪く体重が減っている」と話し始めたのです。早速翌日に検査したところ大腸の病が見つかり、父も約1年後に亡くなってしまいました。もっと早くDWIBS法を使っていたらと強く後悔し、それを機にDWIBS法を検診に採用することを考えるようになりました。ちょうどその頃、乳がんの患者さんが増えているという情報を目にして、乳房領域において診断能を高めたMRI乳がん検診も考案しました。
心配事があればいつでも相談できる憩いの館へ
今後の展望についてお聞かせください。

前処置不要の「タイムパフォーマンスの良い」検査を追求する一環で、下剤を飲まなくても良い大腸CT検査にもますます力を入れていきたいです。大腸がんは日本人の死亡原因で常に上位にランクインしていることもあり、苦痛のない検査を求めている方も多いですからね。6mm以上のポリープは内視鏡と同レベルで診断できる手法ですが、まだ一般的にはあまり知られていません。その他、お伝えしたいことも多いので、動画投稿サイトにクリニックの公式チャンネルを開設しました。例えば「MRIは検査中の騒音が心配」と敬遠する方もいるので、実際にどのような音がするのか動画配信したりしています。その他、閉所恐怖症でも利用していただけるよう、検査中に動画を視聴できる独自システムなど、当院ならではの工夫も紹介していきたいです。
お忙しい毎日かと思いますが、リフレッシュ法はありますか?
中国の伝統的な弦楽器、二胡を弾くことや天体観測でしょうか。子どもの頃から天文好きで、今も星とともに生きています。「この時刻なら火星はあの方向に昇り、双子座の辺りにあるな」と、診察室に座っているときでも知覚できるんです。頭に方位磁石がついているようなものなので、私と一緒なら森でも迷わないと思います(笑)。二胡を知ったのも、プラネタリウムのイベントででした。初めて聞く音色に心打たれ休憩時間にすぐ演者の方に弟子入りし、今もレッスンしています。当院2階には検査後に利用できるカフェスペースがあるのですが、30人ほど入れるのでいつかコンサートも開催したいです。そんなきっかけで誰もが気軽に足を運べて、健康意識を高められる場所にできたら良いですね。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

検診結果については、ほぼすべての方が「即時説明」を求めていることでしょう。しかし当院では詳しい説明だけではなく、次のアクションへと迅速につなげることも大切にしています。診診連携、病診連携を深め、早期発見だけではなく早期治療で一人ひとりのより健やかな人生を守ることが願いです。地域の皆さんの健康を守りたいとも思っています。胸にしこりがある、下痢や便秘が続いている、咳が止まらないなど、何か心配事があればいつでもお立ち寄りください。
自由診療費用の目安
自由診療とはDWIBS法による全身がんMRI精密検査/9万6000円~、大腸CT検査/4万3000円~、DWIBS法による乳がんMRI精密検査/2万2000円~

