多様な選択肢で患者をサポート
不妊治療クリニックのかかり方
はやしARTクリニック半蔵門
(千代田区/半蔵門駅)
最終更新日:2025/04/11


- 自由診療
「不妊症」という言葉は知っていても、どのタイミングで、どこに行けばいいのか、検査や治療では実際にどのようなことをするのか、どのような流れで進んでいくのかなど、「具体的なことまではわからない」という人も多いのではないだろうか。そして、そのことが受診のハードルを高くしているとも考えられる。「はやしARTクリニック半蔵門」の林裕子院長は、大学病院で不育症の研究や生殖医療に携わってきた不妊治療の専門家あり、同院では女性不妊、男性不妊の治療のほか、不育症診療や胎児超音波検査など、子どもを望む人に必要な医療をトータルに提供している。そこで、実際の不妊治療がどのような流れで進んでいくのかを詳しく聞いた。
(取材日2025年3月26日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q不妊治療クリニックにはどのタイミングで受診すればいいですか?
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A
不妊治療クリニックを受診するというと、「妊娠したいけれど、なかなか妊娠できないとき」と思われる方が多いようですが、本当は「妊娠したい」と思ったら、そのタイミングで一度受診してみることをお勧めします。自然に妊娠するためには、「排卵していること」「必要数の精子がいること」「精子と卵子が出会うために卵管が通過できること」という3つの条件がそろっていることが必要で、どれか1つが欠けても自然妊娠はできません。ですから赤ちゃんが欲しいと思ったら、その条件がそろっているか、最初に確認することは大切なことだと思います。その上で、いつ、何をしたらいいか一緒に考えさせていただきます。
- Q不妊治療にはどのような方法がありますか?
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A
不妊治療は、「一般不妊治療」と「生殖補助医療(ART)」に大別されます。一般不妊治療は、原則として卵管が通っていて、運動精子が一定以上ある場合に行うことができ、排卵日を予測して性交渉のタイミングを指導する「タイミング法」と、排卵の時期に合わせて子宮内に精子を直接注入する「人工授精」という方法があります。卵管が閉塞している、精子の数が少ない、精子の運動率が低い、一般不妊治療で妊娠が成立しない、などの場合にはARTの対象となります。ARTには、卵子と精子を体外に取り出して受精させる「体外受精」や「顕微授精」などの方法があります。治療法は不妊の原因のほか、患者さんの希望も考慮して決めていきます。
- Qこちらでは不育症の診療にも力を入れているのですね。
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A
不育症とは、妊娠はしたものの、流産や死産などにより出産に至らないことを繰り返す状態をいいます。妊娠した人のうち約15%は流産することがわかっており、不育症は決して珍しい病気ではありませんが、その治療を行うクリニックはあまり多くありません。不育症の原因は、夫婦や胎児の染色体異常、子宮の形態異常などさまざまで、不明なこともあります。私は大学病院時代に不育症の研究や診療に携わってきており、当院でもその知識と経験を生かして保険診療を中心に不育症の診療も行っています。原因に応じた適切な治療法を検討しているほか、看護相談などで精神的なサポートにも力を入れています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診票の記入と診察
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問診票には、月経周期や過去の妊娠・分娩、流産などの有無と回数、アレルギーなどの有無、過去に他院などで受けた検査歴、既往歴、使用している薬などについて細かく記入する。医師の診察では問診票に沿って患者の状態を確認し、受診の目的や患者の希望などの聞き取りをする。
- 2必要な基本検査を受ける
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不妊の原因が女性と男性のどちらにあるかわからないため、不妊治療を希望する場合には2人とも検査を受けることが必要。女性の検査には月経周期の限られた時期のみ実施できる検査もあるため、タイミングを見ながら必要な検査を行い、効率的に治療を進めるために検査と治療を同時に行うことも。両者が受ける検査には超音波検査や血液検査などがあり、女性は卵管の通過を調べる検査、男性は精液検査なども行う。
- 3希望も考慮し、相談して治療方針を決定する
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検査の結果と患者の希望を考慮しながら相談し、いつ、どのような治療から進めるか決めていく。同院では、妊娠できる機会を無駄にしないように、すべての検査が終わっていなくても、そのタイミングでできる治療があるなら、まずは治療を優先させることも多い。
- 4必要に応じて追加検査を行うことも
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例えば、男性側の要因として、精子の数が少ない、あるいは無精子症の場合には、精巣内精子採取術(TESE)という方法で精巣組織の一部を採取し、そこに精子が確認されれば顕微授精を行うという治療を選択することがある。検査の結果により追加検査や不妊治療以前に必要な疾患の治療を行うこともある。
- 5カウンセリングも行いながら治療を進める
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不妊治療を続ける中で、不安や心配を抱える患者も多い。また、治療期間が長くなるにつれパートナーとの治療への熱量の違いや、思ったような結果が出ないことに落ち込んだり、焦ったりすることも珍しくないため、治療の継続には心のケアや精神的なサポートも欠かせない。同院では診察時に医師が話を聞くほか、日本看護協会不妊症看護認定看護師が看護相談で十分な時間を取って話を聞くなど、いつでも相談できる体制を整えている。
自由診療費用の目安
自由診療とは一般不妊治療/5460円~