全国のドクター13,822人の想いを取材
クリニック・病院 156,772件の情報を掲載(2025年6月24日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 徳島県
  3. 阿南市
  4. 阿南駅
  5. とみおかハートクリニック
  6. 數藤 久美子 院長

數藤 久美子 院長の独自取材記事

とみおかハートクリニック

(阿南市/阿南駅)

最終更新日:2024/10/23

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック main

院内全体に和の趣が感じられ、医療機関でありながらほっとくつろげる空間が唯一無二の「とみおかハートクリニック」。それもそのはず、同院は築120年近い建物をリフォームしたクリニックで、數藤久美子院長にとって思い入れのある場所でもあるという。徳島県内でも実施している医院が少ない心臓リハビリテーションは、循環器内科と並ぶ數藤院長の専門分野。手術をするか否かの判断や術後のサポートなど、クリニックレベルでは十分な対応が難しい部分までフォローが可能だ。一方、地域に根差したクリニックとして、一般的な症状や小さな悩み事にも親身に耳を傾ける。院内と同様、明るく穏やかな雰囲気の數藤院長に、同院の特徴や診療における心がけなどについて聞いた。

(取材日2024年9月25日)

うどん店だった頃の面影が残る地域密着型のクリニック

開業のきっかけや、この場所に開業した理由を伺います。

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック1

ここはもともと、親戚が経営していたうどん屋さんだったんです。親戚はかつて慢性的な疾患を患い、近所の病院に通っていましたが、やがて重い脳や心臓の病気を発症してしまって。術後もどんどん弱っていく姿を見て「必要な医療をもっと身近で提供できていたら、予後が変わっていたかもしれない」と思ったんです。特に、私の専門の一つである心臓リハビリテーションを行っているクリニックはこの近辺にはありません。だからこそここで、経験を生かして循環器や心臓リハビリに特化したクリニックをつくりたいと考え、築120年ほどの建物をリフォームして開業しました。幸い、過去に勤務していた阿南医療センターも当院のすぐそばにあり、必要に応じて緊密に連携を図っています。

内装のこだわりや、ロゴマークに込めた思いなども教えてください。

待合室の天井の木材や梁といった一部の建材はそのままに、お子さんも怖がらずに受診できるよう、和風のカフェのような温かみのある空間に仕上げました。また「クリニックである程度のことができる」をコンセプトにしていますので、設備は病院に引けを取らないくらいのものをそろえた自信がありますね。一例として、超音波検査装置は心臓専門の、AI技術が搭載された先進のタイプを導入しています。あとは何より、徳島県南部では多くはない心臓リハビリのための施設が整っている点が特徴です。そしてロゴマークは、阿南市の花であるひまわりと、当院の目標である「心のこもった治療、地域に根づいた医療」を表すハートを組み合わせてつくりました。

診療において大切にしている考え方などはありますか?

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック2

「病気を診るのではなく患者さんを診る。ベターではなく『ベスト』を」という考え方を診療の理念・指針にしています。従って診療では、病気の診断はもちろん発症原因やその方の生活背景の理解にも努めていて、コミュニケーションを大切にしていますね。医療機関へ行くと緊張し、話したいことを十分に話せない方も少なくありませんので、病気と関係のない話も気兼ねなくできるよう、なるべくフレンドリーな雰囲気づくりを心がけています。加えて、病気の状態を見極めてこそ適切な選択ができ、患者さんの命を救うことにつながるかもしれない。そこがベターとベストの違いと捉え、一人ひとりにとって最良の医療の実現をめざしています。

心臓リハビリの専門家が機能回復や社会復帰をサポート

こちらの診療内容について詳しく教えてください。

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック3

循環器内科と心臓リハビリの2つを診療の柱としつつ、一般内科や小児科では風邪などのよくある症状・疾患に対応しています。当院には小児科での勤務経験がある看護師が在籍し、私も母としての視点を生かしながらお子さんに配慮した診療を行っていますので、お子さん連れの方も安心してお越しください。そして循環器内科では、健康診断で心電図の異常を指摘された方、胸が痛い、動悸がするといった症状がある方、特殊な知識と技術が必要な心臓リハビリなど、さまざまなケースの治療が可能です。専門的なクリニックではありますが診療範囲は広く、どこへ相談したら良いかわからない些細なお悩みもぜひお聞きしたいと考えています。また、循環器内科で多い生活習慣病の治療で、最も重要なのは継続です。そのため患者さんを頭ごなしに怒らず、なぜ数値が悪くなってしまったのかを一緒に考え、主に運動・食事指導を通して日常生活をサポートしています。

心臓リハビリは何を目的に、どのような患者さんに行うものでしょうか?

心筋梗塞・心不全といった心疾患の手術を受けた方や、足の血管が狭窄または閉塞している方に対し、運動能力の向上と症状の改善、社会生活への復帰を目的に実施するのが心臓リハビリです。急性期から回復期までさまざまな場面で推奨され、内容は運動療法や生活指導、血圧や体重の計測など多岐にわたります。心不全を繰り返し発症している患者さんの場合、手術をしていなくても行う場合もあるのですが、その際リハビリの必要性を適切に判断できるのは専門家としての強みといえますね。何もしないことで再び悪くなってしまわないよう、心臓リハビリによって少しでも良い状態のキープを図るのが私たちの役割。当院では週に1~2回ほど、患者さんごとにメニューを組んでリハビリに取り組んでいただいています。

こちらでの心臓リハビリの特徴はありますか?

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック4

心臓リハビリを始める前に行う、関節が正しい方向に十分に動くように促すためのケアを専門に学んだ理学療法士が在籍しているのは大きな特徴ですね。特に脳卒中や脊髄損傷に伴う運動障害に対し、機能回復をめざすための方法として有用とされています。また、ご高齢の患者さんの中には膝の痛みを訴え、自転車をこぐのもつらいと感じる方が多くいらっしゃいます。そこで準備運動も兼ねて関節のケアを実施し、膝の可動域を広げるよう導くとともに筋肉の緊張をほぐすことで、患者さんがしっかりとリハビリに臨める状態へ促せるのもメリットです。心臓リハビリのスペシャリストがもう一人いるのは心強く、治療方針も患者さんの健康状態や家庭環境といった生活背景を考慮しながら一緒に決定しています。

専門性を生かしつつ、どんな相談にも乗り、幅広く診療

先生が医師をめざした理由は何だったのですか?

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック5

小さい頃はよくケガをする子で頻繁にクリニックに行っていたこともあり、医療の仕事には興味がありました。最初は外科に憧れて医学部に入学したのですが、最終的に循環器内科を専門に選んだのは、心筋梗塞などで苦しんでいる患者さんがカテーテル治療を受ける前後の様子目の当たりにし、感動したからです。まさに幼少期にすごいと思っていた「病気を治療する」素晴らしい診療科だと思いましたね。循環器内科の現場は緊急対応も多く大変な場面もありましたが、やはり患者さんの治療後の笑顔を見るのはうれしく、やりがいを感じました。複数の病院での経験は、すべて現在の診療につながっています。

学生時代や勤務医時代のお話もお聞きします。

もともと留学志向があったので、大学在学中にはテキサス大学に留学しました。そこで日本とアメリカの違いを知り、衝撃を受けましたね。治療に対する考え方が違うだけでなく、コミュニケーションに関しても、アメリカでは教授クラスの先生ともフランクに議論するのが当たり前。専門家の意見をたくさん聞ける環境はとても刺激的でした。大学を卒業後は徳島県や香川県にある複数の病院で研鑽し、最後は母校の徳島大学に戻って臨床・研究に従事することに。心臓リハビリも大学の上司から学び、長年お世話になりました。開業医となった現在は医院経営などタスクが多くせわしない毎日ですが、自分の思い描く医療を実現できる喜びも感じながら診療にあたっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

數藤久美子院長 とみおかハートクリニック6

開業してまだ数ヵ月ですが、当院を地域に根差し、気軽に足を運んでもらえるクリニックにしたいと考えています。そのためにも外観・内装ともに温かみやふらっと立ち寄りやすい雰囲気を大切にし、院内にはキッズスペースや授乳室もご用意しています。幅広く診療したいという思いがありますので、動悸などのつらい症状も「こんなことで受診していいの?」と思う些細なお悩みも遠慮なくご相談ください。加えて心臓リハビリも、専門的な観点から実施いたします。また、新型コロナウイルス感染症が蔓延した時のように、循環器疾患の自覚症状がありながらも我慢し続け、かなり状況が悪くなってから受診する患者さんは少なくありません。当院は新鋭の設備を用いた検査体制を整えていますので、ぜひ程度が軽いうちにお越しください。

Access