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大川 育男 院長の独自取材記事

大川内科クリニック

(横浜市旭区/鶴ヶ峰駅)

最終更新日:2024/02/22

大川育男院長 大川内科クリニック main

旭区にある「大川内科クリニック」は、「大川さんに行けば何とかしてくれる」と近隣住民が多く訪れる地域密着型医院だ。軽妙な冗談を交えた和やかな会話で瞬時に人を惹きつけてしまう大川育男院長は、専門の内科・循環器内科・消化器内科に限らず、多様な疾患を抱えた患者を診療する。院内感染予防のため一般患者と感染症患者の動線を完全分離しているほか、災害対策にも注力。訪問診療も積極的に行い、地域のホームドクターとして患者のQOL向上に尽力する大川院長から、地域医療への熱い思いを聞いた。

(取材日2012年2月15日/再取材日2020年11月25日)

安心して通えるよう、一般と感染症の外来を完全分離

2007年の開業時から、感染症対策を徹底しているそうですね。

大川育男院長 大川内科クリニック1

クリニック正面右側に一般の外来を、左側に感染症の外来を設け、受付から診察まですべての動線を完全に分離しています。感染症の外来の待合室では、発熱の患者さんはカーテンで仕切ったスペース、風疹・はしかの患者さんはエレベーターホール、というように、発熱の有無や、風疹・はしかの症状の有無によってさらに細かく分けています。診療室も、咳の症状がある方と、発熱の症状がある方とで別々の部屋にしています。持病のある方が感染症にかかると重症化する場合もあるので、開業当初から完全分離という形に必要性を感じて取り入れているんです。

それは安心して受診できそうです。

はい、一般の外来にいらっしゃる慢性疾患の方も、感染のリスクが少なく安心して通院していただけると思います。幸い、当院にはコロナ禍でも慢性疾患の患者さんが変わりなくお越しくださっている上、当院の感染症対策をほめていただくことも多く、うれしいですね。診療では、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を早くから導入しているほか、もともと行っていたインフルエンザの検査も再開しました。ちなみに、2階には内視鏡・エコー・エックス線検査室や点滴室を設けています。エレベーターがあるので、車いすの患者さんにもスムーズに検査や治療を受けていただけますよ。

災害対策にも力を入れていると聞きました。

大川育男院長 大川内科クリニック2

東日本大震災をきっかけに、日中はソーラーバッテリーで、夜間は自家発電装置で電子カルテだけでも起動できるようにして、停電時に使えるコンセントも完備しました。加えて、2014年9月にクリニックを全面リニューアルした際、設計の段階で強く希望し、柱を余分に2本増やしてもらっています。それから、災害時に孤軍奮闘できるよう、近くの農協や薬局、ガソリンスタンドの方にも協力を要請しています。医療機関に限らず、私を中心に周りも巻き込んで地域貢献したいと思っているんです。さらに、災害時の医療拠点の一つとして機能するために、負傷した方を重症度・緊急度などによって分類し、治療・搬送の優先順位を決める「トリアージ」ができるよう準備も進めています。私がめざすのは地域のホームドクター。地域の方々にとって、災害時も利便性が高く、安心して通えるクリニックでありたいと思っています。

こちらはどのような患者さんが多いのですか?

高血圧や心臓の病気、生活習慣病などが中心ですが、簡単な外科的処置にも応じます。年齢層は、お子さんから高齢の方まで幅広いですね。診察をしてみて、ご本人の予想以上に重い病気だった場合は、すぐ別の病院をご紹介します。例えば「吐き気がして、みぞおちが痛い」という方が急性心筋梗塞だったり、がんが見つかったりすることがあるためです。大きな病気を早期に発見して、早期治療に結びつけられれば、地域医療の最前線でお役に立てている実感ができます。だんだんと、地域の皆さんに「大川さんのところに行けば、何とかしてくれる」と少しずつ頼っていただけるようになったようで、たいへんありがたいと感じています。

地域医療に貢献するホームドクターとして

医師を志したきっかけは何だったのでしょう?

大川育男院長 大川内科クリニック3

具体的に医師をめざすようになったきっかけは、高校受験当日に祖母が亡くなったことです。祖母は心臓に重い病気を抱えていて、奇跡的に長生きしたのですが、晩年はその病気で非常に苦しんでいました。それで私は、循環器科の専門医になって祖母が患っていたような病気を治したいと考えるようになったんです。地域での開業を考えたのは、研修も含めて10年以上、いろいろな病院で働いた経験を踏まえ、「患者さんときめ細かに関わる地域医療に力を入れたい」という自分の思いがはっきりとして、それを表現できるのが開業医だと思ったからです。

地域の医療に、先生のご専門はどのように役立っているとお感じですか?

自分の専門が循環器と消化器で、非常に良かったと感じています。現在、日本人の主な死因には、がんや心筋梗塞などの心疾患が挙げられ、またがんに関しては胃がん、大腸がんなど消化器系が多いんですね。そうした死亡リスクの高い循環器系と消化器系の病気に対し、早期発見、病気予防のアドバイスができる専門知識を持っているのが内科・循環器科・消化器科の医師なのです。私がめざすのは、自分の専門知識で地域の皆さんの健康を守るホームドクター。もちろん地域の医療ニーズに応えられるよう、外科・小児科・婦人科などにも幅広く対応しています。

先生がお考えになるホームドクターの役割とは何でしょうか?

大川育男院長 大川内科クリニック4

まず病気にならないよう、普段から健康維持のためのアドバイスをすること。そして病気の早期発見・治療に努めることだと思います。ただ、治療の主体はあくまでも患者さんご自身であって、医師はそのお手伝い役。私が治してあげようなんて偉そうなことは思っていません。薬を飲む、運動や食事に気をつけるなど、症状や生活の改善に取り組むには、ご本人の自覚が必要で、患者さんには自分自身の疾患に対し、「プチドクター」になっていただきたいのです。そのために、医師は一方的に「これをやってください」と指示するだけでなく、患者さんが十分納得できるような説明を続けていくことが重要だと思っています。

患者とじっくり話すことが治療の第一歩

患者さんと接する時、何を大切にされていますか?

大川育男院長 大川内科クリニック5

一人ひとりにきちんと時間を取り、コミュニケーションを十分に図ることです。また、私からの一方的な説明にならないよう、患者さんの質問にも丁寧にお答えします。ご本人が納得されると通院が続きますし、お薬もしっかり飲んでいただけて、症状が改善に向かいやすいんです。ある意味、患者さんとじっくり話すことが治療の第一歩といえますね。それにコミュニケーションを深めることで、ご本人も気づかない病気の兆候がわかる場合も。患者さんに「お変わりないですか?」と伺っても、まだ関係性が深まっていないと「いや、特に問題ありません」といった会話にしかなりません。しかし関係性が築けてくると、「まぁ、今の病気と関係ないけど、最近歩いているとキュッと胸が苦しくなって」と違う話が出てきます。それで病気の疑いがあれば検査して、早期発見・治療につながる可能性が高まる。関係ない話題は怒られそうと思わずに、何でも話していただきたいですね。

コミュニケーションを深めるために工夫している点は?

私は患者さんとお話しするのが楽しくてすぐに仲良くなるタイプ。ありがたいことに、私のことをお友達のように思って来てくださる患者さんも多いんですよ。話が興じて、つい盛り上がってしまい、自分でオヤジギャグを披露したりして、患者さんから「お笑い芸人みたいだ」と言われたことも(笑)。これも私なりのコミュニケーション術なんです。患者さんにわかりやすく説明するには、まず興味を持ってもらわなければいけませんからね。親しみやすい、話しやすいのは、ホームドクターとして非常に良いことだと思うので、これからも自分流のスタイルで患者さんと向き合っていこうと思います。

今後の地域医療にかける思いをお聞かせください。

大川育男院長 大川内科クリニック6

現在は平日の休診日を利用して、通院が難しくなった方の訪問診療をしていますが、今後は訪問診療がより多くできる体制を整えるなど、地域にもっと貢献したいですね。人生は悲しいこともあるかもしれないけれど、楽しいこともいっぱいありますから、一人でも多くの方に健康で長生きしてほしい。それが私の喜びなんです。年を取ったときにどうやって健康で楽しく長生きするか、つまりQOLをどのように保つかが課題ですが、そのためにホームドクターは必要だと考えています。みんな笑顔で過ごすためにも、近隣で協力して地域のお年寄りを支えていく必要があるし、当院がその一端を担えればうれしいですね。

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