初心者でもスムーズに受けられる
苦痛の少ない大腸内視鏡検査
みずかみクリニック
(生駒郡斑鳩町/王寺駅)
最終更新日:2024/10/09
- 保険診療
日本人の死亡原因のトップはがんによるもので、4人に1人ががんで亡くなっているという計算がされている。中でも大腸がんによる死亡率は、女性で第1位、男性でも肺がんに次いで第2位を占め、誰でもなり得る病気として頭にとどめておく必要があるだろう。こうした大腸がんの早期発見に、役立つのが大腸内視鏡検査。とはいえ、なんとなく抵抗感や苦痛への不安があり、なかなか踏み切れない人も多いに違いない。今回は大腸内視鏡検査の普及とスムーズな実施に並々ならぬ意欲で取り組んでいる「みずかみクリニック」の水上陽院長に、検査の流れや受診のハードルを下げるアプローチなどをエキスパートの立場から詳しく解説してもらった。
(取材日2024年9月27日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q内視鏡検査を早期に受けるメリットは何でしょうか?
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A
大腸がんは大腸ポリープから徐々に大きくなってがんに成長するため、小さなポリープのうちに発見し治療ができればがんの発症予防につなげられる可能性があります。言い換えれば、大腸がんはがんの中でも「予防ができるがん」。その意味でも、大腸内視鏡検査を早めに受ける価値は大いにあるといえるでしょう。大腸がん以外にも、虚血性腸炎や憩室炎などの腸炎、若い方の潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患の診断や定期検査にも有用です。男女を問わず、40歳を過ぎたら誰でも必ず一度は大腸内視鏡検査を受けるようにしてください。また、大腸ポリープが一度でも見つかった方は、2〜3年に一度の定期検査をお勧めします。
- Q検査に対して怖い、痛いというイメージがあるのですが。
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A
内視鏡検査の体験談などをご覧になり、不安や恐怖を感じる方は少なくありません。そうしたイメージをいかに払拭し、一人でも多くの方に検査を受けていただくことが私たちの重要なテーマです。そこでまずお勧めするのが、うとうと眠ったような状態で行うために鎮静剤を使用すること。過度な緊張、不安や苦痛の軽減につながります。ただし、ご自身で車を運転してお帰りいただくことはできません。さらに重要なのは、医師をはじめ、スタッフ全員で患者さんを温かく迎え入れる姿勢や雰囲気づくりです。現在は流れ作業ではなく、一人ひとりの患者さんの快適さを第一に考えるクリニックが主流ですので、どうか安心して検査にお越しください。
- Qこちらの大腸内視鏡検査の特徴を教えてください。
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A
当院では検査室以外にも準備室やリカバリー室、個室の更衣室などを用意し、皆さんが不安なく快適に検査が受けられるよう環境を整えています。また、どれだけ苦痛なく検査が実施できたとしても、病変の見落としがあっては何の意味もありません。そこで導入しているのがAI(人工知能)による診断支援技術システムで、経験豊富な医師の診断技術とのダブルチェックで万一の見落としリスクの防止につなげています。私は日本消化器外科学会消化器外科専門医で、これまで多数の内視鏡検査を手がけてきました。その中で大切にしているのは医師である前に一人の人間として患者さんに接すること。それが何より良い検査につながると信じ日々励んでいます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1初回受診後に内視鏡検査を予約
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大腸に何らかの症状がある、あるいは健診で要検査と指摘された場合、まずは消化器内科を受診して症状や気になる点を医師に伝えることからスタート。過去に内視鏡検査を受けたことがある場合は、その時の記録やデータなども忘れずに持参する。診察室での問診などを経て、検査が必要と判断されれば都合に合わせて日時を予約。下剤を渡されるほか、当日までの注意点などについて説明が行われるのでしっかりと理解しておくこと。
- 2検査前の準備
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検査前夜は21時頃までに夕食を済ませ、以降は絶食が原則。水や緑茶は飲んでも構わない。下剤は検査当日の午前中に自宅で飲み始めるのが基本で、トイレを何度か繰り返しながら腸内をきれいにしていく。少なくとも検査開始の15分前までには来院して受付を済ませ、検査着に着替えて準備室にて待機。
- 3内視鏡検査を受ける
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検査室の検査台に横たわれば、いよいよ内視鏡検査がスタート。まずは検査中の急変に備えるための点滴を受け、鎮静を希望する人には鎮静剤が投与される。うとうとしている間に検査が進むことが望め、スムーズに終われば所要時間は20分程度。ポリープの切除や病変組織の採取を伴う場合でも40〜50分程度で終了するという。その後、中和剤を投与され意識が回復するまで待機。
- 4検査後はリカバリールームで休憩
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検査台からリカバリールームまで車いすで移動し、リクライニング機能付きのソファーでゆっくりと休憩。だいたい30分前後の安静が必要となる。また、回復後も車の運転は厳禁。どうしても車でしか通えないという人のために、同院では鎮静剤を用いない検査にも応じているという。鎮静からのリカバリーが終了すれば、診察室にて医師の説明を受ける。
- 5検査結果の説明を受ける
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パソコンのモニターに検査画像が映し出されるので、それを見ながら医師から説明を受ける。ポリープ切除や組織採取があった場合は顕微鏡下で行う病理検査に回された後、診断に7〜10日ほどかかるのが一般的。日にちをおいて再度来院し、詳しい結果報告を受けることになる。もし大腸がんなどの病気があった場合も、早期治療に向けて前向きに取り組んでいくことが重要だ。