高崎 哲郎 院長の独自取材記事
金山駅前内科・胃と大腸内視鏡NiEWクリニック
(名古屋市中区/金山駅)
最終更新日:2024/12/23
2024年12月2日開業の「金山駅前内科・胃と大腸内視鏡NiEW(ニュー)クリニック」。院長の高崎哲郎先生は、一人の患者が持つのは単一の疾患だけに限らないと、総合的な内科診療を研鑽。消化器内科医として内視鏡の経験を積み、また、がんの先端治療や研究にも携わってきた。「今までの幅広い経験を生かし、クリニックの役割を全うしたい」と真っすぐなまなざしで語る高崎院長。患者の健康を思う熱く誠実な人柄が言葉の随所にあふれている。金山駅前のクリニックモール4階という利便性の高い場所でニーズに沿った医療の提供をめざす高崎院長に、今までの経験や医療に対する思いを聞いた。
(取材日2024年11月26日)
先進機器と高い技術で、苦痛のない内視鏡検査をめざす
開業にあたって、この地を選んだ理由や院内のこだわりを教えてください。
私は愛知県田原市出身で、大学まで名古屋で過ごした後、豊橋市民病院で初期研修を受けました。ですので、開業するのであれば家族や友人もいる愛知県内で、と考えていました。鎮静剤を用いた内視鏡検査を選択された方は、車を運転して帰ることができませんので、交通の便が良い金山駅の近くのクリニックであれば、患者さんの通院負担を軽減できると考えました。立地の特性上、ビジネスパーソンも多く来院されると思います。待合室のカウンターデスクには、間仕切りと電源を完備していますので、待ち時間も快適にお過ごしいただけるでしょう。3部屋ある診察室とは別に、カウンセリングルームもあります。検査前の説明など患者さんとじっくりお話しすることを目的に造りました。
こちらではどういった治療が受けられるのですか?
基本的な内科診療は、ほぼすべて提供できます。風邪、インフルエンザなどの感染症をはじめとした急性疾患から、慢性疾患であれば、高血圧症や糖尿病、脂質異常症、痛風や喘息などが中心です。総合内科を専門に診療していた時代は、ごくまれな一部の疾患以外はすべて経験してきましたので、クリニックに通院できるような安定した状態であればほとんど網羅的に診療が可能です。消化器内科では、胃潰瘍や逆流性食道炎、ピロリ菌除菌の他に、炎症性腸疾患や肝硬変の管理にも対応します。内視鏡においては胃・大腸検査の両方を行いますし、同日に胃と大腸、両方の検査を行うことも可能です。日帰りでの大腸のポリープ切除にも対応します。対象年齢は高校生以上で、縫合などの外科的処置は行いません。
クリニックの強みを教えてください。
内視鏡検査では鎮静剤の使用にも対応しますし、鎮静剤の使用を選択されない場合でも、胃の検査でしたら経鼻内視鏡を使用するという手段もあります。一般の経口内視鏡は太さ10ミリほどですが、経鼻内視鏡は5ミリくらいですので、比較的楽に受けていただけると思います。鼻から検査を受けるのが苦手な方には、細い内視鏡を経口的に検査することも可能です。内視鏡機器は2024年に発売された新鋭の機種に、AIによる診断補助システムを追加し、専門の医師とAIによるチェックで見落としの防止を図ります。さらに胸部エックス線撮影装置にもAI搭載システムを導入。大腸内視鏡では通常、ご自宅で受診前に下剤を飲んで準備していただくのですが、院内に専用の個室トイレを複数用意していますので、初めて検査を受けていただく方にも安心して準備していただけます。鎮静剤を使われた場合には、検査後にリカバリールームでお休みいただけます。
感染症から生活習慣病までオールラウンドな医療を提供
先生はこれまでどういった経験を積まれてきたのですか?
一人の患者さんに単一の疾患とは限りませんので、診療科を早期に絞るのではなく、広く内科を診られる力が必要だと感じていました。そこで初期研修終了後、全国を探して、東京ベイ・浦安市川医療センターの総合内科を選択しました。同院の総合内科は、内科入院はすべて担当するシステムでしたので、総合内科の医師が中心となって、各専門科の医師と協議しながら方針を決定。北米式の先進的な医療機関で多くの経験を積むことができました。また、離島を含めた全国各地域に出向き、そちらではプライマリケアに従事しながら急性期から慢性期まで、幅広く診療してきました。その後は同センターの消化器内科で4年、一般的な内視鏡診療から肝硬変や炎症性腸疾患、消化器がんなどの診療に携わりました。その後、国立がん研究センター中央病院では肝胆膵内科で、がんの先端治療と基礎研究を行いました。
得意な診療は何でしょう。
幅広く学んできましたので、オールラウンドかつ適切に診療できる点ですね。内視鏡も以前の勤務先では指導する立場でしたし、限りなく楽に受けることができ、かつ見落としのない内視鏡検査を追求しています。また、国立がん研究センター中央病院での経験から、消化器がんをはじめとした疾患の兆候を見逃さないことも重視しています。胃と大腸だけでなく、肝臓・胆道・膵臓のがんに対しても、血液検査や超音波検査を用いて、早期発見をめざしています。専門的な治療が必要だと判断した場合には、適切なタイミングで総合病院をご紹介します。
診療時の心がけについて伺います。
説明をするときには専門的な用語を使わず、わかりやすくお伝えすること、説明後に質問がしやすいようなコミュニケーションを図ることに気を配っています。勤務医時代は、がんの告知などシビアなお話をする機会もありました。そういった場面では、面談前に、ご本人だけでお話を聞かれたいかどうか、ご家族の意向も含めて確認してから臨み、会話の間の取り方や目線など細部にまで気を配っていました。クリニックではそういった場面は少ないでしょうが、どんなシチュエーションであっても患者さんの心理的負担に配慮した話し方を心がけています。その上で、リスクを過大にも過少にも伝えるべきではないとも考えます。患者さんが現状を悲観しすぎないよう、現状を受け止める時間を作りながら、伴走していきたいですね。
消化器がんの早期発見・早期治療に注力していきたい
めざす医療についてお聞かせください。
内科クリニックの中心的な役割は、健康な方が重篤な状態に至らないようにすること、病気を抱えた方が安定した状態のとき、再発しないように管理していくことの大きく2つだと思います。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病の管理もできて、適切なタイミングで胃がん、大腸がんを中心としたがんの予防も提案できるクリニックでありたいと思っています。日本の予防医療の普及率は、諸外国と比べてまだ低いといえます。胃がんや大腸がんは本来であれば内視鏡検査を適切に受けていただければ多くの場合、進行を防ぐことにつながりますが、受診率が低いことによって、亡くなられる方が多くいらっしゃいます。手術や抗がん剤の成績は年々進歩していますが、既に治癒を期待できないところまで進行してしまっていることも多々ありますし、進行する前に早期発見をすれば内視鏡治療で完結がめざせる病気ですので、なんとかしてここを解決していきたいと思っています。
先生がめざす医療の実現には、スタッフの力も不可欠ですね。
はい。受診のハードルを下げるために重視していることの一つが、待ち時間の短縮です。ウェブ予約・スマートフォンアプリからの予約や電子決済を導入していますが、それらシステムに加えて、電子カルテの入力や検査の説明をスタッフに担当してもらうなど連携を図ることで、院内の滞在時間が短くなるよう工夫しています。医療は生活の一部であって、他に時間を割くべきことが皆さんありますよね。内視鏡検査では、緊張の面持ちで検査台に横になっている患者さんの背中をさすって看護師が励ましたりすることも大切でしょう。検査に対する負担感を軽減するためには、スタッフの対応も大切。接遇の良さも感じていただけるように、外部講師による講習を実施し、レクチャーいただいています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
大腸がんなど若くして罹患される方が増えている疾患もありますので、40歳を過ぎたら症状の有無に関わらず、内視鏡検査を受けていただきたいですね。胃の検査は1、2年に1度を目安に、大腸検査は状態によるので、主治医と相談の上、検査の頻度を決めると良いでしょう。当クリニックにおいても内科領域であれば、どんな疾患のご相談にもお応えしますので、持病をお持ちの方、内視鏡検査を希望される方は気軽にご相談ください。