小池 将成 院長の独自取材記事
かしのき歯科クリニック
(川越市/川越駅)
最終更新日:2024/09/09
川越駅西口からバスに乗って約10分、中台橋停留場の目の前にある「かしのき歯科クリニック」。大きな常緑樹である樫の木のように、どっしりと近隣住民の健康を守っていきたいと小池将成院長が開業したクリニックだ。保険診療を中心としながら、さまざまな悩みに幅広く対応。どの患者ともコミュニケーションを大切にしているが、特に得意としているのが子どもの治療だ。開業準備のために以前の勤務先を辞めた時には、別れを惜しんで泣いてしまう子もいた。高齢者への対応も優しく、「何も問題がないときこそ来てほしい」と予防歯科の大切さを訴える。木のぬくもりを感じるやわらかな雰囲気の院内で、診療にかける思いなどを詳しく聞いた。
(取材日2024年8月5日)
歯科医院は怖いというイメージを払拭したい
まず、開業までの道のりを教えていただけますか?
実家が群馬で歯科医院をしていて、歯科医師として働く父の姿がいつも身近にあり、自然と同じ道に進みました。日本歯科大学新潟生命歯学部卒業後は、友人に誘われて金沢の歯科医院でキャリアをスタート。マイクロスコープなども備える大きなクリニックで、老若男女さまざまな症例を幅広く経験することができました。中でもお子さんを担当することが多かったのですが、開業のために辞めることになったと告げると泣いてくれた子もいたんですよ。一生懸命、幼い字で書いたお手紙もたくさんもらいましたが、どれも宝物なので家で大切に保管しています。私は、全寮制の秀明中学校・高等学校の卒業生でもあるので、埼玉は懐かしい場所でもあり、また帰ってくることができてうれしく思っています。
現在はどのような患者さんが多いのでしょうか。
直方体の外観からも一目瞭然かもしれませんが、ここはもともとはコンビニエンスストアだったそうで、その後に15年ほど歯科医院を営んでいた先生がいらっしゃいました。1年ほど閉まっていたので、僕が開業した時には「また歯科医院ができて本当に助かりました」と、皆さん口々におっしゃるんですよ。そんな地域の方々のお役に立てるように誠心誠意やらなくてはと身が引き締まる思いでした。今のところはご高齢の患者さんが中心で、だいたい歯がないお悩みを抱えています。新たに入れ歯を作ったり、使用中の入れ歯を調整したりといった治療をしています。
リニューアルにあたって、どのような点を工夫しましたか?
保険診療を中心とした地域のニーズに幅広く応えるクリニックにしていきたいので、誰もが足を踏み入れやすいように工夫しました。歯科医院というと嫌なイメージを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、それを覆したいんです。まず「怖くない」ということが伝わりやすいように、内装は白とオーク調の木目を中心として、やわらかな雰囲気にしました。光の具合も温かみが出るように、照明器具にもこだわっています。5台ユニットがあり、そのうち1つは個室ですが、主に子どもの治療に使うつもりです。他の患者さんが治療している音を聞いただけで、泣いてしまうお子さんも多いですからね。
子どもとも大人とも密なコミュニケーションを
予防歯科にも力を入れているそうですね。
私がお世話になった金沢の歯科医院の院長も、「基本的に医科は病気になったら行く場所だが、予防で通えるのが歯科」といつもおっしゃっていました。確かに歯科医院はどこも悪くなくてもクリーニングや予防歯科で通うことができますよね。セルフケアでは手が届かない場所もありますし、プロによるクリーニングを定期的に受けることは非常に重要です。メンテナンスを定期的に続ければ、たとえ虫歯や歯周病になったとしても、極めて初期の段階で見つけることができます。手遅れになるまで放置して歯を失うことのないように、子どもの頃から予防歯科を習慣にしてほしいですね。
予防歯科にはいつから通えるのでしょうか。
赤ちゃんに乳歯が1本でも生えたら、遠慮なくお連れください。それよりも早く、お母さんのおなかの中にいる時から予防歯科は始まっているといっても過言ではありません。妊婦歯科健診にいらした方にも、これからお子さんの歯を守るにはどうしたらいいかなどお話しすることもあります。妊婦さんはホルモンバランスが変わることで歯肉炎になりやすく、歯周病菌は早産の一因ともいわれているので、注意深く見守っていきたいですね。
お子さんの治療では何を気をつけていますか?
できないことを叱るのではなく、「今日は椅子に座れたね」「お口を開けられたね」と、できたことを褒めるようにしています。無理に押さえつけて治療するようなことはありません。その子のペースに合わせて一歩一歩、治療を進めるようにしています。また、お子さんとの会話も大事にしていますね。僕自身もゲームをするので(笑)、共通の話題にも事欠きません。
患者さんと接するときに大事にしていることをお聞かせください。
お子さんだけではなく、どなたに対しても黙々と治療だけをするということのないようにしています。口の中で何をされているのかわからないのでは不安になって当然です。どんな治療をしているのかも、しっかりと説明するようにしています。歯科衛生士、助手、歯科技工士などスタッフは6人いますが、全員が患者さんと丁寧にコミュニケーションすることを大事にしているのも当院の特色です。
健康の入り口である口を健やかに保つ予防歯科に注力
今後の展望についてお話しください。
地域医療に貢献していきたいという思いを強く持っています。これからも保険診療をメインにしていくことに変わりはありませんが、ニーズがあれば混合歯列期までのマウスピース型装置を用いた矯正などにも対応できればと考えています。また、乳児を育てている親御さんたちに、離乳食に移行したら気をつけたいことなどテーマに勉強会を開催できたらいいですね。何をどんな姿勢で食べるのかは歯並びにも影響してくるので、良くない習慣が定着してしまわないよう伝えていきたいです。
お忙しい毎日ですが休日はどのようにお過ごしですか?
犬が大好きなので、車で20〜30分ほどの犬カフェに行くことが多いです。チワワ、ポメラニアンなど小さい子がたくさんいるんですよ。特に好きな犬種はダックスフンドです。胴長短足で一生懸命に歩いているところがかわいいですね。子どもの頃はシェットランド・シープドッグを飼っていましたが、またいつか犬と暮らしたいです。あとは、ゴルフに行くこともあります。ゴルフは歯科医師になってからの趣味で、最初に勤務した金沢の歯科医院で先輩たちにゴルフを教えてもらったのも懐かしい思い出です。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
1989年生まれの若輩者で、まだまだ未熟なところも多々ありますが、よかったら一度来てください。ベテラン歯科医師をご希望の方には、時々手伝いに来てくれている父を紹介することもできます。口の中を健康に保ち、食べ物をしっかりと噛んで摂取することは、免疫力を高めるのに欠かせません。口は健康の入り口です。虫歯や歯周病で歯を失うことのないよう、親身に寄り添って診療していきたいと思っています。治療に対して不安や疑問があれば気軽に聞ける雰囲気も大事にしていますので、どんな小さなお悩みでも遠慮なくお尋ねください。