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心血管疾患の悪化、再発予防につなげる
心臓リハビリテーション

かたやま内科クリニック

(大東市/鴻池新田駅)

最終更新日:2025/10/30

かたやま内科クリニック 心血管疾患の悪化、再発予防につなげる  心臓リハビリテーション かたやま内科クリニック 心血管疾患の悪化、再発予防につなげる  心臓リハビリテーション
  • 保険診療

心臓の病気になってしまった患者に対して、病気の再発や再入院を防止することをめざして行う心臓リハビリテーション。重要性が認識されているにもかかわらず、心臓リハビリテーションを行う地域のクリニックはまだ少ないため、内容についてはあまり広く知られていないのが現状だ。大東市にある「かたやま内科クリニック」は、心臓リハビリテーションに注力するクリニック。院長の片山恒(かたやま・ひさし)先生は、大学病院勤務時代に心不全治療や不整脈に対するカテーテルアブレーションを行い、心臓疾患の研究にも携わってきた循環器の専門家。そうした豊富な臨床経験をもとに、理学療法士の佐々木篤士さんとともに取り組む同院の心臓リハビリテーションについて、2人に詳しく話を聞いた。

(取材日2025年9月26日)

体力の向上・心肺機能の改善・再発予防につながる心臓リハビリテーションは、継続が大事

Q心臓リハビリテーションとはどのようなものですか?
A
かたやま内科クリニック 適度な運動で心肺機能の維持と再発の予防を目的とする

▲適度な運動で心肺機能の維持と再発の予防を目的とする

【片山院長】心臓リハビリテーションは、慢性心不全・心筋梗塞・狭心症など心臓の疾患がある方や心臓手術後の患者さんを対象にしたリハビリです。例えば整形外科で行われるような一般的なリハビリは、歩きにくい人がうまく歩けるようにというようなADL(日常生活動作)を改善することが目的。一方、心臓リハビリテーションの目的は疾病管理です。心臓リハビリテーション学会では、治療手段の一つといわれており、適度な運動をすることで心肺機能を維持し鍛え、病気の再発を予防して再入院するリスクを減らすことを目的にしています。

Qどんな人が対象になりますか?
A
かたやま内科クリニック 再発防止のために長期的な治療はクリニックで行う

▲再発防止のために長期的な治療はクリニックで行う

【片山院長】心臓リハビリテーションが保険適応となっているのは、現在は次の疾患郡です。急性心筋梗塞、狭心症、バイパス術・弁膜症手術など心臓の手術を受けた方、慢性心不全、大動脈解離・解離性大動脈瘤・大血管手術後など大血管の病気、足の血流が悪くなっている方などの末梢動脈閉塞性疾患、経カテーテル大動脈弁留置術を受けられた方です。急性期の病院で治療を受け、入院中だけリハビリをしている人はたくさんいらっしゃいますが、心臓リハビリは急性期で終わるものではなく、再発防止のために継続し続けることが大事。長期的なコントロールは病院でできないことも多いので、続きの治療をクリニックで行っていきたいと思っています。

Q心臓リハビリのメリットは何でしょうか?
A
かたやま内科クリニック 息切れの改善や体力の向上などが目標

▲息切れの改善や体力の向上などが目標

【佐々木さん】心臓リハビリには心肺機能をゆっくり高めていくための有酸素運動と、無理のない筋力アップを目的とした低強度レジスタンス運動があります。当院の場合、有酸素運動はエルゴメーターと呼ばれる自転車型の器具を用い、一人ひとりの状態に合わせてペダルの負荷を調整して行います。一方低強度レジスタンス運動は、体力がない、筋力がないような方に対しても、体の可動域を保ちつつ、筋力を発揮できるように刺激を与えられる運動を提供。息切れの改善や、体力の向上などが目標です。さらに心疾患の人は心機能低下による不安や抑うつ状態を抱えていることが多いため、運動は心理面のケアにもつながると考えています。

Q実際の心臓リハビリテーションの流れを教えてください。
A
かたやま内科クリニック 週1回の頻度で心臓リハビリを行う

▲週1回の頻度で心臓リハビリを行う

【佐々木さん】来院後、リハビリ室に来ていただき、先生がその日の体調を確認。血圧、体重・体温の測定に加え、心電図モニターを装着し、運動中の心拍数やリズムを確認しながら、一人ひとりに合わせて効率的な運動ができるよう管理します。週1回の頻度で心臓リハビリを行うケースが多いので、その前1週間の胸の症状の有無や、食事は取れたか、脚はむくんでいないかなども確認。心電図評価に問題がなければ、心臓リハビリを開始。いきなり運動を始めると、心臓に負担がかかる場合があるので準備体操を5分程度行ってから、約20分間有酸素運動を実施。少し休憩時間をはさんだ後、約15分のレジスタンス運動を行って終了という流れです。

Qこちらのクリニックにはどのようなサポート体制がありますか?
A
かたやま内科クリニック 心臓の病気や薬の話などを共有する時間をつくる

▲心臓の病気や薬の話などを共有する時間をつくる

【片山院長】心臓リハビリは、やはり継続してもらうことが一番大事。医師や理学療法士やクリニック自体を信頼して通ってもらうということは当然ですが、心臓リハビリがルーティン化して飽きてしまうと、必要だとわかっていたとしても長続きしません。そのために私たちは心臓リハビリの約1時間を活用し、心臓の病気や薬の話、健康に関わる情報などを、指導の一環として共有する時間をつくっています。心疾患がある方は、健康意識が高く、危機感を感じている方が多いので、当院で学んだことを日常生活に生かしていただける意識づけを行っていきたいです。そして心臓リハビリの継続につなげていきたいと思っています。

ドクターからのメッセージ

片山 恒院長

有用な治療手段の一つである心臓リハビリ。少しずつ普及しつつあるもののクリニックで提供できるところはさほど多くありません。しかし、潜在的な患者さんは非常に多いので、少なくとも当院を頼ってきた患者さんには良いものだとお勧めして、できることから少しずつ、一緒に健康への一歩を進めていきたいと思います。心臓の病気があると、「私には無理」と精神的にストップをかけている患者さんも少なくありません。しかし、一歩踏み出してもらうことで、「少し歩いてみよう」「旅行に行ってみよう」など人生が明るい方向に向かうきっかけになるかもしれません。ぜひ一度一緒にやってみましょう!

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