栗原 大聖 院長の独自取材記事
みやはら整形外科クリニック
(さいたま市北区/宮原駅)
最終更新日:2024/09/09
JR高崎線・宮原駅から徒歩2分の好立地にある「みやはら整形外科クリニック」は、2024年7月に開業。バリアフリーの院内は、白を基調にベーシックな色でまとめられており、患者がリラックスして過ごせる落ち着いた雰囲気だ。ウォーターベッドやけん引治療器など、各種機器を備えたリハビリテーション室は125平米と広く、リハビリテーションに注力する同院の診療方針が垣間見える。順天堂大学医学部附属順天堂医院をはじめ大学病院から市中病院、無床クリニックまで数多くの医療現場で経験を積んだ栗原大聖院長は「患者一人ひとりに寄り添い、解決策を患者と一緒に探す診療」の実現をめざす。穏やかで優しいまなざしが印象的な栗原院長に、クリニックの特徴や診療方針、展望について話を聞いた。
(取材日2024年8月7日)
125平米の広々としたリハビリテーション室
開業までの経緯と先生のご経歴を教えてください。
北里大学医学部を卒業後、沖縄県にある浦添総合病院で2年間の初期研修に従事しました。その後、順天堂大学整形外科に入局し、大学病院や市中病院で研鑽を積む中、埼玉医科大学国際医療センターに勤務する機会を得ました。そこでは、2年間骨軟部腫瘍を専門に診てきました。それがきっかけとなって、大学院で骨軟部腫瘍の研究をしたいと思い大学院へ。4年で大学院を修了し、いくつかの市中病院に勤務した後、今年7月に開業しました。開業を考えたのは、病院で術後のリハビリテーションがいかに重要かを目の当たりにして、リハビリテーションというのは良い治療だなと感じたことがきっかけです。僕は患者さんとお話しすることが好きなので、リハビリテーションに注力する身近なクリニックをめざしています。
クリニックの特徴について伺います。
当院は125平米という広いリハビリテーション室を備えています。1階に位置し院内はバリアフリー仕様なので、患者さんが通いやすい環境にあります。また、当院は時間予約制を敷いています。予約には時間予約制と順番予約制がありますが、できる限り患者さんの予約時間に診療が始められるよう心がけています。どうしても少しお待たせしてしまうこともあり申し訳ない思いですが、患者さんがご自身の予定を考えながら予約していただくことができればと考えています。現在、当院には理学療法士と柔道整復師、リハビリ助手が在籍しています。リハビリテーションでは電気やけん引、筋肉をほぐすなど、機械によるリハビリテーションも行っています。全身のマッサージをするウォーターベッドやレーザーによる赤外線治療など、リハビリテーションに必要な設備や環境は整えていますね。
現在、どのような患者さんがいらっしゃいますか?
開業前、この地域には整形外科がなかったため、これまで慢性的に膝や肩、首、腰にしびれや痛みを感じていたという近隣の患者さんが多くいらっしゃいます。患者さんの割合でいうとご高齢の方が多い印象ですが、当院の近くには小学校と高校がありますし、駅が近く、マンションの1階に位置していることからファミリー層も多く、幅広い年齢の方々に来ていただいています。新型コロナウイルス感染症の流行時に運動不足になっていた人が最近になって運動を再開して足を捻挫して来られるケースや、自宅にこもっていたことで首や腰に痛みが出ておみえになるケースも多いですね。
丁寧な説明で患者とともに治療法を決める診療スタンス
先生が医師を志され、整形外科をご専門に選ばれたのはなぜですか?
親戚に医療従事者が多かったため、医療が常に身近にあったことは医師の道を選んだきっかけになっています。僕自身は子どもの頃からよくケガをしていて、骨折したこともあり、整形外科をメインに病院へもよく行っていました。それも医師を志した理由の一つで、医師になる頃には整形外科の医師になりたいと思っていましたね。大学を卒業し、病院で働く中で経験したことですが、整形外科の患者さんからは元気をもらえるんですよ。患者さんはケガや骨折をされていますが、多くの方はお話をする元気があって、回診中に話しかけてくださる患者さんに、こちらが元気をもらうことも度々ありました。僕自身、患者さんとのコミュニケーションが好きなので、そのような体験から整形外科を選びました。
大学院で研究されていた骨軟部腫瘍について教えてください。
大学院では骨軟部腫瘍の遺伝子検査について研究していました。研究には臨床研究と基礎研究がありますが、通常、医師ではあまり携わることのないような基礎研究に従事できたことは貴重な経験でした。骨軟部腫瘍は、骨肉腫やユーイング肉腫など、骨や軟部組織、肉や皮下組織といった部位にできる腫瘍です。骨軟部腫瘍の知識を得ることができたことから、当院でも骨軟部腫瘍の患者さんに対応しています。
先生が診療の際に大事にしていることは何でしょう?
患者さんがどのようにしてほしいのかを重視していて、問診票にも「どのような治療を希望されますか?」という項目を設けています。薬を処方してほしい、診断をしてほしい、あるいはリハビリテーションをしてほしい、いろいろな検査をしてほしいなど、それぞれの患者さんのニーズに応えなければと考えています。「こういう病気だから治療はこうします」ではなく、この病気には第1の選択肢としてこういう治療、次の選択肢にはああいう治療、第3の選択肢にはこういう治療もありますよと提案し、それぞれの治療の侵襲度なども説明してから、患者さんと一緒に治療を決めていくというのが当院のスタンスです。
治療の選択肢を増やし、充実した診療体制をめざす
リハビリテーションの重要性について教えてください。
僕が外来で「ストレッチしてくださいね」と言っても、患者さんはどのように取り組めばいいのかわからないですよね。首が痛いという場合でも、首のどこが痛いのかによってストレッチの仕方は変わってきます。それは、僕だけでなく理学療法士や柔道整復師の知識も豊富なので、皆で連携しながら一緒に治療を進めていくことが理想です。例えば、人工関節の手術では手術の傷があるわけですが、手術後に動かさないでいると組織が癒着して固まってしまいます。リハビリテーションをしないと、手術する前のように動かせなくなる人もいますから、手術もリハビリテーションも一連の治療といえます。可動域を上げる訓練から始めて、筋肉をほぐすリハビリテーションなどにも、一緒に取り組んでいくことが大切です。
今後の展望についてお聞かせください。
開業から1ヵ月ですので、体制を整えていくことが当面の課題です。理学療法士の数をさらに増やし、リハビリテーションをメインとした診療に注力していきたいですね。また、どれくらいのニーズがあるかはまだわかりませんが、今行っている保険診療で対応できないものが増えてきたときのために、再生医療の分野の勉強も進めていきたいと考えています。治療の選択肢を増やすことが目的です。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
しびれや痛みなどの症状があったら、気軽に相談にいらしてください。診察の結果、他科での診療のほうが良いと判断すればご提案するなど、医療の窓口的な役割も担っていきたいです。先ほどもお話ししたように、今後はリハビリテーションの体制をさらに充実させ、治療の選択肢を増やしていく予定です。また診察の中で、ストレッチの指導や簡単に行える運動のパンフレットをお渡しするなど、患者さんのためになることは積極的に提供していければと思っています。当院には、患者さんへのお声がけなどにも配慮できる気の利くスタッフばかりですし、院内の清掃など環境にも気を使っているので居心地の良さを感じていただけると思います。患者さん一人ひとりに寄り添い、一緒に解決策を探す、そんな診療を提供していきたいと考えているので、まずはお気軽にご相談ください。