心臓は一生のポンプ
10年後も詰まらせないための血管の守り方
ささきクリニック
(鹿児島市/騎射場駅)
最終更新日:2026/05/12
- 保険診療
一生休むことなく動き続ける、心臓という「ポンプ」。その働きを支えているのが、全身に血液を送り届ける血管だ。心臓も血管も、私たちの命を守る要の存在でありながら、異常があっても初期には自覚症状がほとんど現れない。高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病によって動脈硬化が進行すると、ある日突然、心筋梗塞などの重大な病気を引き起こすことがある。「血管のトラブルは、症状が出たときにはすでに進行しているケースが少なくありません」と話すのは、「ささきクリニック」の佐々木雄一院長。循環器専門家として数多くの患者を診てきた立場から、高血圧や高血糖が血管に与える影響や、血管の健康を守るために日常生活でできることについて話を聞いた。
(取材日2026年2月9日)
目次
心筋梗塞は前ぶれなく発症する病気。食生活の改善と運動で血管の詰まりを防ぐことで、心臓を守りたい
- Q生活習慣病とはどのような病気のことをいうのでしょうか?
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A
▲生活習慣病の基準を説明する佐々木院長
生活習慣病とは、生活習慣が深く関係して発症する病気の総称です。代表的なものに、高血圧、脂質異常症、糖尿病があります。高血圧と判断される基準は140/90mmHg以上、家庭で測る場合は135/85mmHg以上です。脂質異常症は、中性脂肪が150mg/dL以上、LDLコレステロールが140mg/dL以上で診断されます。糖尿病は、インスリンが十分に働かなくなることで起こる病気。診断基準の1つは、空腹時の血糖値が126mg/dL以上の場合です。これらの病気に共通するのは、自覚症状がほとんどないことです。しかし放置すると、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な疾患につながる可能性があります。
- Q高血圧や高血糖が続くと血管にどのようなダメージを与えますか?
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A
▲動脈硬化へと至る血管内のプラークの影響
高血圧や高血糖の状態が続くと、血管の内側に「プラーク」と呼ばれる油状の塊が付着しやすくなります。プラークとは、食事によって摂取した脂質などが変性し、蓄積したものです。プラークがたまると血管の内側は徐々に狭くなり、さらに進行すると血管は弾力を失って硬くなります。これが動脈硬化です。また、プラークがついた部分は内側の膜が傷つきやすくなり、体はそれを修復しようとして血小板を集め、血の塊である血栓を作ります。血小板が集まって傷を修復すること自体は、体の自然な働きです。しかし、血管でそれが起こると、血管が突然詰まってしまうことがあります。
- Qなぜ心筋梗塞などは、何の前ぶれもなく起こるのでしょうか?
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A
▲自覚症状に気づきにくい心筋梗塞について語る
類似した症状の狭心症の場合は、血管が徐々に狭くなることで起こるため、歩いたときの胸痛など、体がサインを出す場合があります。一方、心筋梗塞は血管の狭さそのものよりも、プラークによって傷ついた部分に血栓ができることが引き金になります。仮に、血管の狭窄が25%程度であっても、そこに血栓ができると、血流が一気に途絶えてしまう。プラークの蓄積は自覚症状がほとんどないまま進行するため、なかなか気づくことができません。知らないうちに症状が進み、ある日突然発症するのが怖いところです。心筋梗塞が「サイレントキラー」と呼ばれるのは、こうした理由からです。
- Q塩分の取りすぎは、心臓にとってどのような負担になりますか?
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A
▲生活習慣病を放置せず、定期的な健診が予防の鍵
塩分を多く取ると、体は血管の中に水分を引き込もうとします。血液中の水分量が増えると全体の血液量が増加し、その分、血圧が上がりやすくなります。さらに、塩分を取りすぎると、血圧に影響するホルモンが分泌されやすくなり、高血圧の状態が続きやすくなることもあります。心臓はポンプの役割を担っていますから、血圧が高いほど、より強い力で血液を押し出さなければなりません。心臓にとっては、大きな負担となってしまいます。血圧が上がれば、当然血管にもストレスがかかりますし、動脈硬化も進みやすくなります。
- Q普段からどのようなことに気をつけたら良いでしょうか?
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A
▲日常のちょっとした心がけをアドバイスする
塩分やカロリーの取りすぎに注意しましょう。日本人の塩分摂取量は、平均で1日約10gといわれていますが、目標は6g以下です。調味料を減塩タイプに変える、漬物や加工食品を控える、香辛料やだしを活用して味つけを工夫するなど、できることから始めてみてください。適度な運動も大切です。生活習慣病の方には1日30分程度のウォーキングが推奨されていますが、なるべく階段を使ったり、一駅分歩いてみたりと、無理のない程度から始めても良いと思います。

