クリニックが生活改善をサポート
糖尿病治療の基本を知る
みそら内科クリニック目黒
(目黒区/学芸大学駅)
最終更新日:2025/08/13


- 保険診療
年齢を重ねるにつれて、気になってくる疾患の一つが糖尿病だ。糖尿病は自覚症状がないため、自分で気づくことが難しく、健康診断などで指摘されて初めて見つかることが多い。糖尿病への気がかりが生まれた時、クリニックではどのような診察が行われるのだろう。また、いざ糖尿病と診断された場合、どのように治療を進めていくのだろう。「後々の合併症のリスクを下げるためには、早期に治療を始めることが大切」と訴えるのは、「みそら内科クリニック目黒」の院長で、糖尿病を専門とする林哲朗先生。同院には管理栄養士や社会福祉士も在籍し、スタッフが一丸となって糖尿病の診療を行い、患者をサポートしている。今回、林院長と管理栄養士の市村法子さんに、糖尿病の治療や生活改善などについて話を聞いた。
(取材日2025年7月16日)
目次
食事・運動といった生活習慣改善が基本。合併症の可能性を下げるため、早めの治療開始を。
- Q糖尿病の特徴と治療について教えてください。
-
A
▲林院長と管理栄養士の市村さん。意見を出しながら治療内容を提案
【林院長】糖尿病は生活習慣や遺伝的要因から、ホルモンの一種であるインスリンの分泌量が低下したり抵抗性が上がったりすることで血糖値が高くなり、体内の臓器にダメージを与える病気です。高血圧症や高脂血症と比べても重大な病気につながる可能性が高く、早期発見や治療が大切です。治療は生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。
【市村さん】治療にあたっては、何より患者さんご本人の食事・運動の習慣を改善することが一番の土台になります。また、血糖値が上がったからすぐに自覚症状が出るという病気ではないため、定期的に通院して、体の状態をフォローしていくことが重要です。
- Q初診ではどのような診療を行うのでしょうか?
-
A
▲患者のライフスタイルを重視した治療を
【林院長】今までの症状の経過や、食事や運動などライフスタイル、家族構成などを伺い、併せて肥満傾向や高血圧、高脂血症などの併存疾患の有無も評価します。その上で、ご本人に合う生活習慣の改善法を提案し、ご希望に応じて管理栄養士の指導も受けていただきます。
【市村さん】栄養相談では、患者さんの病態や、食事がどのような位置づけにあるのか、また治療の経過によって食事の内容を変えながら長期的に疾患と付き合っていくということなどをご説明します。また、ご家族のことなど患者さんの背景を把握したり信頼関係を築いたりすることも、患者さんに並走していく上で大切ですので、初回はそうしたことも意識して相談を行います。
- Q糖尿病の検査について教えてください。
-
A
▲必要な医療施設への紹介もスムーズに行う
【林院長】初診時には血液検査や尿検査を実施し、糖尿病の病態を調べ、併存症の有無を評価します。糖尿病を持つ方は目の網膜にも糖尿病網膜症を引き起こすことがあるため、眼科での定期的な検査も推奨します。当院が入居している医療ビルには眼科クリニックもあるため、スムーズにご案内が可能です。
【市村さん】勤めている会社などの健康診断で何か指摘されたら、そのタイミングでご来院いただくのも良いと思います。糖尿病についての検査をハードルの高いものと考えず、風邪や花粉症、予防接種などと同じように、日常の中に取り入れていただきたいですね。
- Q肥満を伴う患者さんの治療についてもお聞かせください。
-
A
▲不安なことがあれば、気軽に相談できる体制を整える
【林院長】糖尿病の方は肥満症を伴いやすいため、食事・運動療法を実施して減量をめざします。糖尿病のコントロールにつながることもありますが、極端なペースの減量はかえって体に悪影響を及ぼすため、月1~2kgを目安にした減量を推奨しています。定期診察ではHbA1cの値を測定し、その後の薬物治療の調整を行います。
【市村さん】単に何キロ痩せたかといった数字の成果を気にするのではなく、しっかり食べて運動した上で健康的に痩せていくことが大切です。体の負担を最小限にしつつ、新しい病気を招かないような体型をめざしていくことの重要性を、患者さんにもお伝えしています。
- Qクリニック全体として、糖尿病への取り組みを教えてください。
-
A
▲幅広い診療サポートで患者を支える
【林院長】当院では、糖尿病を中心とした生活習慣病の方、肥満症の方に向けて、管理栄養士による食事療法や経験豊富な看護師による療養指導など、スタッフの協力のもと幅広い診療サポートを行っています。また、高齢の方の生活全般に関しては、社会福祉士によるアドバイスや情報提供を行うことも可能です。クリニックのメンバーが協力し、一丸となって患者さんの生活をサポートしていきます。