詰め物とかぶせ物の保険診療・自由診療
違いを把握し適切な選択を
日本橋デンタルサロン
(中央区/人形町駅)
最終更新日:2025/03/18


- 保険診療
- 自由診療
歯の治療をする時に、詰め物やかぶせ物にどの素材を使うのか、保険診療と自由診療で選択肢が異なる。口腔の健康への意識が高まり、審美面に配慮した治療のニーズが高まる現在では、最初から自由診療を検討する人も増えている。一方で、保険診療と自由診療の違いについてはっきりと理解していない人も多いだろう。「日本橋デンタルサロン」の高柳雅文院長は、歯の状態と患者の希望をすり合わせながら、口腔内の健康を保つための治療を提案している。「保険診療と自由診療の違いはどうしても費用面に目が行きがちですが、詰め物やかぶせ物の素材の性質の違いについても理解した上でご検討いただきたいです」と語る高柳院長に、保険診療と自由診療の違いについて話を聞いた。
(取材日2024年12月10日)
目次
保険診療と自由診療で異なる、詰め物やかぶせ物の材質とは? 違いを理解することで自分に合った選択を
- Q虫歯治療の保険診療と自由診療の違いを教えてください。
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A
▲保険診療と自由診療の違いをわかりやすく説明する
虫歯になった箇所を除去した後は、詰め物やかぶせ物で補います。この時に、保険診療と自由診療の選択肢がありますが、違いを一言で表すと、素材と費用です。保険診療の場合は、主に銀や強化プラスチックの素材を使います。自由診療の場合は、金やセラミック、ジルコニアといった素材です。保険診療のメリットは、医療保険が適用されている分費用が安く済むことで、素材の性質から金属アレルギーや二次的な虫歯の原因になってしまいやすいデメリットもあります。自由診療のメリットは、審美的な美しさや、天然の歯になじみやすかったり、汚れのつきにくい素材を使えることです。当院では、患者さんのご希望と歯の状態に合わせた提案をしています。
- Q金の詰め物・かぶせ物の特徴を教えてください。
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▲丈夫で長持ちしやすいという金の詰め物・かぶせ物
銀歯はよく耳にしますが、金の詰め物やかぶせ物はあまりなじみのない方もいるかもしれません。金は銀よりも金属アレルギーが出づらく、生まれ持った歯である象牙質と同じスピードですり減っていくという物性の良さが魅力です。詰め物やかぶせ物は型採りをして作りますが、金は銀やパラジウム合金よりも延性があって、伸びる素材ですので、詰め物やかぶせ物にした時も、もともとの歯になじみやすく、二次的な虫歯の原因となるような隙間も生じにくい性質があります。色が金ですので見えやすい部分には使いづらいですが、強度に近く、丈夫で長持ちしやすい素材です。
- Qセラミックの詰め物・かぶせ物の特徴を教えてください。
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▲審美性に優れているセラミックの詰め物・かぶせ物
セラミックは透明感のある白色ですので、もともとの歯と色の差がつきにくく、詰め物やかぶせ物が変に浮いて見える懸念の少ない素材です。陶製なので、金属アレルギーになる心配もありません。これはジルコニアにも共通していえることですが、表面がツルツルしていますので、虫歯の原因になりやすい汚れが付着しづらく、きれいなまま保ちやすいというメリットがあります。フィット感でいうと金のほうが柔軟性の面で分がありますし、セラミックには瞬間的な衝撃に弱いという側面がありますので、セラミックをご希望の場合は歯ぎしりの癖や噛み合わせを考慮した上で、素材が治療箇所に合っているか確認をしています。
- Qジルコニアの詰め物・かぶせ物の特徴を教えてください。
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▲定期的なメンテナンスが大事だと話す高柳院長
ジルコニアは、セラミックと同じ白い素材ですが、セラミックと比較すると透明感は少なく、使う歯の位置によっては、浮いて見えてしまう恐れがあります。歯の透明感やグラデーションを含めた色なじみの良さ、審美性ではセラミックに軍配が上がりますが、耐久面では人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアのほうが強いです。セラミック同様、表面が汚れを弾くような素材なので、経年劣化しづらいというメリットもあります。審美面が気になる箇所はセラミック、強度が必要な奥歯などにはジルコニアという選択もできますよ。また、ジルコニアの外側にセラミックを盛りつける、2つの素材を組み合わせるといった方法も可能です。
- Q保険診療で使う詰め物・かぶせ物の特徴を教えてください。
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▲患者の悩みに合った治療を提案している
保険診療の場合は、CR(コンポジットレジン)という白いプラスチックを詰め物として使うか、強化プラスチックもしくは銀を使うことになります。銀は素材の性質上型採りをしますので、詰め物やかぶせ物の精度が見込めますが、日数がかかります。CRは光で固まる性質を利用するので、当日中に治療を終えることが可能です。自由診療と比較すると、保険診療の素材は経年劣化しやすいですし、詰め物やかぶせ物と天然歯の間に隙間が生じやすく、清潔に保つことが難しいという側面があります。どうしても最初は費用面が気になると思いますが、保険診療と自由診療それぞれの素材の特性を知った上で、ご自身に合う治療を選択していただきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインレー ジルコニア/6万6000円、インレー セラミック/6万6000円、インレー Gold/7万7000円