奥 久徳 院長の独自取材記事
大阪なんば内科・消化器内視鏡クリニック
(大阪市浪速区/なんば駅)
最終更新日:2024/08/07

大阪メトロ御堂筋線・なんば駅出口直結、南海本線・難波駅からも徒歩数分とアクセス抜群の「大阪なんば内科・消化器内視鏡クリニック」。兵庫県芦屋市で内視鏡クリニックを運営し、実績を積み重ねてきた奥久徳(おく・ひさのり)院長が、2024年6月に開業した内視鏡の専門クリニックだ。内視鏡検査の経験豊富な常勤医師が男女3人在籍し、丁寧かつ精度の高い検査を提供している。事細かな説明と配慮で患者満足度の向上に努める奥院長に、同院の特色や内視鏡検査の特徴、苦痛軽減に向けた取り組みについて話を聞いた。
(取材日2024年7月10日)
土日祝日検査可能。胃・大腸内視鏡の同日検査も実施
開業に至った経緯を教えてください。

2017年に兵庫県芦屋市で開業した「芦屋おく内視鏡クリニック」の運営が軌道に乗ったのがきっかけです。当院での内視鏡検査は眠った状態で受けられるよう鎮静剤を原則使用して行うため、検査後すぐに電車に乗れる立地、また人口の多いところで挑戦してみたいという考えがあり、東京や大阪などの大都市かつターミナル駅直結の場所を探しました。そして見つけたのが、なんば駅直結の新築ビルで、多数のクリニックから応募があったという人気物件。オーナーさんへのプレゼン内容が認められ、倍率30倍を勝ち抜いて2024年6月に開業となりました。なんばエリアは内視鏡クリニックが少なかったというのも決め手になりました。
クリニックの特色を教えてください。
最大の特色は土日・祝日も診療をしており、年間約360日開いている内視鏡検査に特化したクリニックです。加えて院名にもあるとおり内科や肝臓内科や肛門内科も診療科目に掲げています。しかし、内視鏡検査に訪れる方と、体調を崩して内科を受診される方を同一の場所でお迎えすることは、感染症対策の面からも好ましくありません。そのため当院では内視鏡検査受付と一般内科受付は完全に入り口を別にし、どなたでも安心してご来院いただける造りとなっています。また院長である私以外に、健診センターで相当数の内視鏡検査の研鑽を積んだ女性の安川佳美先生、内視鏡に加え肝臓領域の専門性も高い河路光介先生も在籍し、3診体制を敷いているのも特徴です。特に大腸内視鏡検査は恥ずかしさから検査に至らないことも多々あるため、女性医師が指名できる点は女性患者さんにとっても安心だと思います。
内視鏡検査の特色についてはいかがですか?

まずは院内での下剤服用の環境をしっかりと整えていることです。特に大腸内視鏡検査が初めてだという方は、下剤の飲み方などに不安を覚えることも。自宅での服用の場合は突然、体調不良が起こった場合に素早い対処ができません。院内服用であれば疑問に思った時点で看護師にお尋ねいただけますし、医師もいるため体調不良にも即座に対応が可能です。準備完了の判定も間違いなく、スムーズに検査に進むことができます。多数用意したトイレは男女別に分かれており、下剤服用時はその方専用としますので周囲の目も気になりにくくなっています。またさらに気兼ねなく過ごせる個室のご用意もあります。またウェブ予約から胃の内視鏡検査は最短当日、大腸内視鏡検査は最短翌日の検査がそれぞれ可能で、胃・大腸内視鏡の同日検査も受けつけています。
鎮静剤や痛み止めを微調整し、苦痛の軽減を図る
苦痛軽減に関する取り組みにはどのようなものがありますか?

当院ではすべての方に眠った状態で検査を受けていただくことを原則としています。鎮静剤を投与する際には、患者さんお一人お一人の状態を見極めながら細かく量を調整し、「麻酔が効いていなかった」「途中で目が覚めてつらかった」ということがないようにしています。また、痛みを緩和するための鎮痛剤の投与を積極的に行っているのも特徴です。例えば過去に盲腸や帝王切開などの手術経験があり腸と腹膜が癒着している場合、医師の腕がどんなに良くとも、挿入時に痛みを感じる人がいらっしゃいます。何度か経験があり痛みなどを感じたことがないという方なら問題ありませんが、検査自体が初めてだという方には必ず鎮痛剤を投与します。内視鏡検査はつらい思いをして受けるものでは決してなく「楽に受ける」のが正解だというのが私の考えです。
こちらで行っている胃の内視鏡検査の特徴を教えてください。
口から挿入する経口内視鏡での検査を原則とし、鼻からカメラを通す経鼻内視鏡はお勧めしていません。鼻からの内視鏡は嘔吐反射が起きにくいとされ、口から挿入する内視鏡が苦手な方に推奨されている検査ですが、カメラが通る鼻の奥のスペースは人それぞれ大きさが異なり、特に女性は穴が狭い傾向があります。また花粉症や気圧の変化などで粘膜がむくんで穴が狭まっていることもあり、そこで無理をして検査を実施すれば粘膜が傷ついて出血する恐れもあるのです。スコープが通らないとなれば、最終的には口からカメラを入れることになりますが、苦痛を感じた後に別の方法でやり直すのはとても大変なこと。そのため最初から経口内視鏡での検査を原則としているんです。
大腸内視鏡検査の特徴にはどのようなものがありますか?

挿入は丁寧かつスピーディーに、検査は時間をかけてじっくりと、が当院の方針です。大腸内視鏡検査は前日から絶食し、検査当日も下剤を飲むなど非常に手間と時間のかかる検査であることからも、頻繁に受けられる検査ではありません。せっかく時間をつくってきてくださった方々に、何としても「やって良かった」と満足して帰っていただくためには、異常を見逃さず確実な診断を行う必要があります。すでに新院長に引き継いでいる芦屋のクリニックでは、がんリスクの高い腺腫性ポリープの発見に力を尽くしてきました。当院はまだ開業したばかりですが、すべての医師が患者さんお一人お一人に対し丁寧に、かつ精度の高い検査を提供すべく力を尽くしています。
誰もが満足できる「町で一番」の内視鏡検査をめざす
検査に使う内視鏡機器もハイグレードのものを取りそろえているそうですね。

当院は4室の内視鏡室を備えており、クリニックレベルではあまり見かけない大規模といえる施設で、2024年6月に発売されたばかりの先進機器をそろえています。この機器は胃内視鏡・大腸内視鏡のどちらにもAIによる診断補助機能が搭載されており、先進機種とあってそのスピードと精度が格段に上がっています。これまでの私の経験とAIによるサポートを組み合わせ、さらに精密な検査をご提供できる環境が整いました。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
「異常なし」で終わらせることがないよう、細かく説明するのが私のスタイルです。もし健康診断を受けて「異常はないけれど来年も受けてくださいね」と言われたら、「なんで受けないといけないんだろう?」と思いませんか? 例えば、逆流性食道炎が原因で食道の粘膜の壁に異常があるものの、通常では「異常なし」とされるような状態の場合でも、放置すればがんのリスクも高まります。そのため私の場合は、検査画像をお見せしながら、飲酒を控えるなど生活習慣の改善によって、そのリスクの低減に努めることの重要性を時間をかけてご説明しています。特に私は患者さんの「満足度」に重きを置いていますので、しっかり時間を取って「検査して良かった」と思ってご帰宅いただけるよう努めています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

法人としての目標は、大阪市内ほか福岡や名古屋などの都市部に、今後10年で5つのクリニックを開業することです。地域によっては内視鏡のあるクリニックがほとんどなく、大きな病院まで行かないと検査を受けることができません。何か気になることがあれば気軽に検査を受けられる環境をつくりたいと考え、すでに場所も探し始めています。一方、当院としての目標は「町で一番の内視鏡クリニック」になることです。「なんばで内視鏡検査を受けるならここしかない」といわれるような、内視鏡検査の代名詞のクリニックをめざします。自覚症状が出てからではなく、胃の内視鏡検査であれば20歳、大腸内視鏡検査であれば40歳をそれぞれ超えたら、またご家族に胃がんに罹患した方、あるいはピロリ菌除去をした方がいる、大腸がんになった方がいるなど家族歴がある方はぜひ早めに検査を受けてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは初診料/2910円(※外国人旅行者の方は状況により異なります)、胃・大腸内視鏡の同日検査/4万5000円、モーニング大腸内視鏡検査/2万6850円、胃カメラ検査(自費)/1万7200円、大腸内視鏡検査/2万6850円、人間ドック/2万7000円