神川 康也 院長の独自取材記事
下北沢DOクリニック
(世田谷区/下北沢駅)
最終更新日:2025/10/21
下北沢駅東口から徒歩5分。2024年6月に開業した「下北沢DOクリニック」は、整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科、皮膚科、美容皮膚科を扱い、検査から診断、治療、リハビリテーションまで院内で完結できる体制を整えている。「専門的な知識や経験を生かした診療を提供できることが当院の強みです。大学病院を受診する前の相談やセカンドオピニオンにも対応いたします」と語る神川康也院長は、関節領域を専門とし、膝や股関節の人工関節置換手術を数多く手がけてきた経験豊富なドクターだ。今回は同院の特徴や力を入れている治療などについて尋ねた。
(取材日2025年9月24日)
整形外科と皮膚科を併設し、専門性の高い診療をめざす
まずは、クリニックの特徴を教えてください。

当院は2024年6月に開業したクリニックです。クリニック名の「DO」は、Dermatology(皮膚科)とOrthopedics(整形外科)の頭文字に由来しています。私の専門である整形外科では、肩や首、腰の痛み、骨折や打撲、骨粗しょう症、関節リウマチ、スポーツ障害などに幅広く対応し、リハビリテーションも行っています。皮膚科に関しては、都内の皮膚科クリニックで診療に携わった経験があり、尋常性ざ瘡(ニキビ)や湿疹などの保険診療を中心に、しみやあざに対するレーザー治療も行っています。エックス線撮影装置やMRI、超音波診断装置、骨密度検査機器などもそろえており、高い専門性を生かした適切な診査・診断と、それに基づいた治療の提供をめざしています。
こちらで導入されているMRIは、オープン型だそうですね。
はい。MRIはトンネルのような細長い筒の中に入って検査を受ける筒型が主流ですが、オープン型のMRIは横や上の部分が開いている構造で、圧迫感が少ないのが特徴です。閉所恐怖症の方や圧迫感が苦手な方にお勧めです。整形外科ではエックス線検査で骨や関節の状態を確認することが多いのですが、筋肉や腱などの軟部組織の損傷や炎症などは写りづらく、他の検査が必要になるケースもあります。当院ではエックス線だけでなく、必要に応じてMRIや超音波検査を併用し、基本的には検査当日に診断しています。
検査・診断から治療開始まで、院内で完結できる体制が整っているのですね。

特に肩の痛みは、筋肉や腱の炎症・損傷が原因のことが多いため、筋肉や腱の状態を確認できるMRI検査を実施して診断し、ほとんどの場合、その日のうちに治療を開始しています。例えば、MRI検査で四十肩や五十肩といった肩関節周囲炎と診断した場合には、超音波画像を見ながら炎症部位にピンポイントで注射をしたり、頸部、腰部の筋膜間へはハイドロリリースという注射を行い、リハビリテーションを開始することが多いです。肩の痛みは長引くことが多いのですが、治療期間の短縮と症状の早期改善をめざして、急性期のうちに炎症に働きかけ、適切なリハビリテーションに取り組んでいます。
肩や首、腰の痛みから骨粗しょう症まで幅広く対応
どのような患者さんが多く来院されていますか?

下北沢という場所柄、他の整形外科医院よりも学生さんや働き世代の若い患者さんが多いように思います。駅から近いため学校や仕事帰りに受診しやすいのかもしれませんね。若い世代では肩や首の凝りや痛みの症状を訴える方が目立ちます。一方、ご高齢の方では関節痛のほか、骨粗しょう症の方が多いですね。骨粗しょう症の診断に必要な骨密度検査には、手首やかかとの骨で測定する簡易検査もありますが、当院ではより精密に測定するため腰椎や大腿骨頸部で測定するDEXA法を採用しています。さらに血液検査で骨代謝マーカーを確認し、その結果をもとに適切な治療薬を処方し、併せて理学療法士による運動療法も行います。骨粗しょう症は骨折の大きなリスクとなります。日本人女性は50代は10人に1人、70代は3人に1人、80代は2人に1人が骨粗しょう症と推定されていますので、骨密度を測定したことがない方はぜひ一度検査を受けてみてください。
リハビリテーションにも注力していると伺いました。
はい。4・5階をリハビリテーション専用フロアとしています。理学療法士は基本的に担当制で、マンツーマンでのリハビリテーションを完全予約制にて行っています。大学院で人体解剖学を学ぶなど、幅広い知識を持つ経験豊富な理学療法士が複数人在籍していることも当院の特徴です。治療の中心は理学療法士が直接お体に触れて行う徒手療法で、筋肉を伸ばして柔軟性を高めたり、関節の可動域を広げたりするためのストレッチや筋膜リリースを丁寧に行います。必要に応じてウォーターベッドや電気刺激装置、超音波治療器などの物理療法も組み合わせます。最近は、足底腱膜炎などに使用する体外衝撃波治療器も導入しました。体外衝撃波治療は、人の手が届きにくい深部の組織に衝撃波を当て、血流の改善と組織の修復を促すことで慢性的な痛みの改善をめざす、先進の治療法です。足底に痛みがある方は、どうぞご相談ください。
皮膚科にはどのような患者さんが多いのでしょうか?

ニキビやじんましんなどのほか、老人性イボ(脂漏性角化症)や、ウイルス性のイボ(尋常性疣贅)で受診される患者さんもいらっしゃいます。これらには極低温の液体窒素を用いた凍結療法を保険診療で行っています。また、美容皮膚科では、しみの除去のためにレーザーケアをするなどの自由診療も行っております。また、乾癬性関節炎のように皮膚と関節の症状が関係している場合や、胸や背中の痛みで整形外科を受診された方が実は帯状疱疹だったケースなど、必要に応じて整形外科と皮膚科が連携して診療できることも当院の強みだと思います。骨粗しょう症で通院中だけどエイジングケアも気になる、というような場合もご相談ください。
豊富な知識と経験をもとに人工関節手術の適応を診断
ご経歴をお聞かせください。

私は整形外科の医師として、千葉大学の関連病院や帝京大学ちば総合医療センター、松戸整形外科病院などで研鑽を積んできました。整形外科は足・膝・股関節・脊椎・手といった部位ごとに専門学会があるほど細分化されていますが、私は関節、特に人工股関節を専門に研究と診療を重ね、多くの人工股関節置換術に携わってきました。近年では人工股関節の耐久性が向上し、30~40年と長期の使用をめざせるものも登場しています。そのため、かつてのように痛みを我慢して限界まで待ってから手術するのではなく、適切な時期に早めに手術を行うことも可能になりました。これまでの経験をもとに、手術が必要か保存的治療で様子を見るべきかを判断いたしますので、手術を検討されている方はご相談ください。
整形外科を専門に選んだのはなぜですか?
学生時代にテニス部で活動していたことから、スポーツによるケガや運動器の障害に関心を持ち、整形外科を志しました。中でも人工関節手術は、痛みで歩けない患者さんが歩けるようになるための治療法として意義深く、治療後の患者さんの手術満足度が高いので大きなやりがいを感じています。現在は手術ではなく保存的治療が中心ですが、日常的な痛みに悩む方を直接治療できることが励みになっており、地域医療に貢献できているという実感につながっています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。

当院は、専門性の高い診療を大切にしながら、地域の皆さんに気軽に受診していただける身近なクリニックをめざしています。五十肩などの痛みは自然に治まることもありますが、つらい痛みを我慢している間に関節がスムーズに動かなくなってしまったりするケースも多いです。自己流の体操をされている方もいると思いますが、早めに受診して適切な治療とリハビリテーションを開始して、治療期間を少しでも短く、早期の症状改善をめざしていただきたいです。痛みを我慢しながら生活するのはつらいことです。肩や首、腰、膝などに痛みを感じたら、程度に関わらず早めにご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみケア/初回5500円+1ショットにつき550円、2回目以降3300円+1ショットにつき550円

