心臓病・血管病予防につなげる
専門家がいる循環器内科のかかり方
ゆかわ内科クリニック
(大阪市住吉区/あびこ駅)
最終更新日:2025/02/12


- 保険診療
急性心筋梗塞や急性心不全といった急性疾患など、命の危険を伴うこともある循環器疾患。その発症には糖尿病など生活習慣病が深く関わっているといわれている。「ゆかわ内科クリニック」の湯川弘院長は、日本循環器学会循環器専門医として多くの循環器疾患治療に携わり、疾患予防の重要性を痛感してきたという。「循環器疾患発症のリスクを低減するためには、予兆を見つけ早めに対策することが大切です。循環器内科というと聞きなれない診療科かもしれませんが、高血圧症や脂質異常症を持たれている方は気軽に受診してもらいたい」と語る湯川院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医も取得しており、2つの専門的視点から重篤な病気の発症予防に取り組む。今回は湯川院長に、循環器専門医についてや循環器内科を受診するきっかけ等について解説してもらった。
(取材日2025年1月15日)
目次
循環器専門医としての視点を生かし、心臓病・血管病の発症リスク低減をめざす
- Qこちらの医院では循環器疾患も専門的に診ているのですね。
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A
▲2つの専門的視点から重篤な病気の発症予防に取り組む院長
私は糖尿病専門医であるとともに、日本循環器学会の循環器専門医です。不整脈、心筋梗塞、狭心症、心筋症などの心臓の病気や、動脈瘤、閉塞性動脈硬化症といった血管の病気まで幅広く診療し、心臓や血管に対するエコー検査にも対応。また、心不全や心臓弁膜症の手術後の経過観察も専門的に行っています。循環器疾患はある日突然起きるものではなく、実は発作が起こる何年も前からじわじわと進行していることがほとんど。高血圧症や糖尿病などの生活習慣病が原因になることも多いため、健診で血圧異常や血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)の高値を指摘された場合には、循環器専門医に相談することをお勧めします。
- Q循環器専門医の特徴はどのようなことでしょうか?
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A
▲日々の暮らしの中で感じた体の異常があれば、遠慮せずに受診を
循環器専門医は狭心症や心筋梗塞に対するカテーテル治療や、心不全・不整脈への薬物治療など豊富な知識と臨床経験を持っています。適切な診断と治療には専門的な知識が欠かせませんが、循環器疾患の発症・悪化を予防することも重要です。現状に合わせて適切な治療を行っていれば、重篤な循環器疾患の発症を防ぐことにもつながります。特に高血圧症や糖尿病といった生活習慣病のコントロールは重要です。循環器専門医は、生活習慣病と循環器疾患の相関性についても熟知していますので、ただ適正な数値を目標とした治療ではなく「重篤な循環器疾患を起こさない」ための治療を行います。循環器疾患の予防という点からもメリットが大きいと思います。
- Qどのような症状が出たときに受診すべきでしょうか。
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A
▲パンフレットや資料を用いて、丁寧な説明を心がけている
一つは健診で異常を指摘されたときです。血液検査や尿検査、血圧、脈拍の異常などで再検査が必要と言われたら、ぜひ早めに受診してください。また、歩行中や運動中の息切れ、胸が苦しい、胸痛、貧血、動悸、体のむくみ、背中の痛み、冷え性やめまい、ふらつきなどを感じる際もご相談いただければ丁寧に診療いたします。そして、心臓や血管の手術、術後の管理についてのご相談も受けつけています。当院は地域のさまざまな中核病院と連携し、手術のご紹介だけでなく、専門家として基幹病院レベルの術前・術後管理を行っています。循環器専門医と聞くと敷居の高さを感じるかもしれませんが、考えすぎず気軽に受診していただくのが一番です。
- Qこちらのクリニックではどのような検査が可能なのでしょうか?
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A
▲手のひらより小さいサイズのホルター心電図
当院では血液検査、尿検査、心電図検査、血圧脈波検査、動脈硬化検査に加え、心臓、腹部、頸動脈、甲状腺、下肢静脈の超音波検査、24時間ホルター心電図検査や睡眠時無呼吸症候群の睡眠時ポリソムノグラフィ検査にも対応しています。院内血液検査では、糖尿病診断に必要なHbA1cを90秒で迅速に測定できるHPLC法という精密な測定方法を採用してます。糖尿病治療には現状把握が重要であり、HbA1cや血糖値は指先での微量採血に対応しており、自覚症状がない糖尿病治療のモチベーションを保つためにも、気軽に検査できる環境を整えました。また、超音波検査に関しては、臨床検査技師がお一人お一人に時間をかけて対応しています。
- Q臨床検査技師による詳細な検査が可能なのですね。
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A
▲動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など血管の病気まで幅広く診療
臨床検査技師は超音波検査のほか、さまざまな臨床検査のプロフェッショナルです。患者さんに起こっている小さな異常や変化を見逃さないよう、豊富な経験を生かして精度の高い検査に努めていますので安心してお任せください。必要に応じて私が超音波検査機を使用して確認することもありますが、すべての検査を私がじっくりしていたのでは時間が足りません。臨床検査技師が常駐することで、私は診療に十分な時間を割くことができ、患者さんのお話を聞くための時間を確保できています。互いに協力することで、より正確な診断につなげたいと考えています。また、患者さんにとっても検査の待ち時間が短くなるなど、負担の軽減になっていると思います。