石倉亜利院長の独自取材記事

みなみ台なないろ歯科

(中野区／中野富士見町駅)

最終更新日：2025/12/03

中野富士見町駅より徒歩10分、子どもたちの活気あふれる住宅街の一角にたたずむ「みなみ台なないろ歯科」。院長の石倉亜利先生は、大学を卒業後、大学病院の歯科口腔外科や小児歯科で経験を積み、さらには老年歯科の摂食・嚥下リハビリテーションにも詳しいオールラウンダーである。親子でも通いやすいよう工夫された院内は靴のまま院内に入れて、ベビーカーを押して治療室まで進むことができる。また、新型の機器をそろえ、質の高い治療を提供している点も大きな特徴だ。入り口から白と木目が調和して明るく開放的な雰囲気。親しみやすい笑顔でなんでも優しく答えてくれる石倉院長に、開業までの経緯や想い、これからの展望などについて聞いた。

（取材日2025年8月8日）

子どもから高齢者まで、地域住民に幅広く寄り添う
先端機器を用いた精密で高品質な治療を追究
地域住民の「歯を守る場所」でありたい

子どもから高齢者まで、地域住民に幅広く寄り添う

石倉院長が歯科医師を志したきっかけを教えてください。

親族に医療従事者が多く、小さい頃から漠然と「自分も医療系の仕事に就くのかな」と思っていましたが、一方で、両親が勤務医で当直が多く、大変そうだとも感じていました。ですが、歯科医師は、勤務形態としても女性が長く活躍できる印象がありました。そして私自身、小さい頃に歯科医院で治療してもらっていた時、怖い思いをしたことが一切なく、むしろ「泣かないで偉いね」と褒められてとてもうれしかったんです。治療も丁寧で、少ない痛みで本当に上手にやっていただいたのを覚えています。子どもの頃から手先が器用で細かい作業が好きだったこともあり、歯科医師を志すようになりました。

地域医療に注力しようと思ったのはなぜでしょうか。

もともと「地域医療に携わりたい」「いつかは開業したい」という思いはあったのですが、なんとなく先送りにしていました。そんな中で、知り合いの先生が増えたことや、知識を身につけ自信がついてきたことなどが後押しとなり、具体的に開業を考えるようになったんです。思えば、祖母が開業医で、子どもの頃は祖母の家に預けられた時など、ちょっと退屈すると診察室や待合室に顔を出して、患者さんとお話ししていたんです。私と地域医療の出会いはそこからですね。

こちらに開業された経緯や院内のこだわりをお聞かせください。

小児歯科を扱うからには子どもの多い地域で開業したいと思い、まず場所からこだわりました。ここは裏が小学校で、すぐ近くに保育園もいくつかあり、子どもたちの活気であふれています。3人きょうだいや4人きょうだいのご家庭も多く、忙しいママさんにも通いやすいよう、たくさんの工夫をしました。例えば、歯科医院では入り口で靴を履き替えるところが多いと思うのですが、お子さま連れだと靴を脱ぐだけでも大変ですよね。子どもを抱っこしたまま履き替えるのも一苦労ですし、自分だけでなく子どもの靴を脱がせるという作業も必要になってきます。子どもはスリッパを履かせても、すぐに脱いでしまいますしね。そんな負担をなくしたいという思いから、当院は土足のままで入れるようになっています。また、治療室はベビーカーごと入れるようにしていますし、待ち時間などに使用していただけるキッズルームも設置しています。

先端機器を用いた精密で高品質な治療を追究

クオリティーにこだわった治療に注力していると伺いました。具体的にはどのようなことですか？

マイクロスコープを活用した精密治療が挙げられます。マイクロスコープとは歯科用の高性能な顕微鏡のことで、患部を約20倍まで拡大して見ることができます。ルーペや肉眼では見られないような部分まで見えるので、診断力や治療の精度が上がる点が大きなメリットです。例えば、「マイクロクラック」と呼ばれる歯の表面にできた微細なひびは、肉眼で見にくくエックス線画像にも写らないため、検査で見逃されがちです。しかし、マイクロスコープであれば微かなひびも確認でき、さらに微細なひびを埋めるといった精密な治療を行うことができます。当院では、歯の神経や血管が通っている複雑な根管を治療する根管治療や、精密な処置が求められるダイレクトボンディングにマイクロスコープを活用するケースが多いです。

ダイレクトボンディングとはどういった治療なのでしょうか？

ダイレクトボンディングとは、歯に歯科用の樹脂を直接盛りつけ、天然歯のような形や色の再現を目的とした治療です。虫歯で削った部分の修復や、欠けた歯などに用いることが多い治療ですね。保険適用の詰め物だと、どうしてもケア次第で二次虫歯になったり、変色したりしがちです。しかし、ダイレクトボンディングは耐久性と審美性に優れた樹脂を使用し、安全性に配慮しつつ防湿して樹脂を接着するので、長持ちしやすく自然な仕上がりが期待できるという利点があります。マイクロスコープを使用して処置するので、削る量も最小限で済みます。審美性を重視する方や健康意識の高い方にぜひお勧めしたい治療です。

正しい噛み合わせの大切さも発信されているそうですね。

正しい噛み合わせや歯並びは、歯の健康の土台となるものです。良い作物を育てるために良い土が必要なように、長持ちする健康な歯を育てるには、歯並びや噛み合わせといった土台を整えることがとても大切です。当院も、子どものうちから正しい噛み合わせや歯並びに誘導する小児矯正に力を入れています。また、大人になってからもある程度の歯並びの改善は可能ですし、矯正に前向きな大人の方も増えてきたように感じますね。矯正は自費診療ですので、どうしても金額を聞いてためらわれる方もいらっしゃるかと思います。しかし、歯は毎日使うものですし、正しい噛み合わせや歯並びは将来の健康にも直結します。今はデンタルローンもありますし、長い目で見ると決して高すぎる投資ではないと思います。正しい噛み合わせの大切さがもっと広まり、矯正が身近な選択肢となれば良いですね。

地域住民の「歯を守る場所」でありたい

小児歯科では、診療中にどのようなことに気をつけていますか？

わかりやすく説明し、納得して治療を受けていただけるよう心がけています。説明はアニメーションの映像を見てもらうとか、実際のお写真を口腔内カメラで撮って画面に出すなど、視覚的に理解してもらえるようにしています。「納得してから治療」というのはお子さんも同じです。「ちょっと見るだけ」とか「痛くないよ」とごまかしたりせず、なぜこの治療が必要なのかを説明し、理解してもらった上で「今日はちょっと頑張る日だよ」と許可を取って治療に入ります。小児歯科の先輩から「相手が子どもだからといってうそはつかない」と教わりました。勤務医時代、最初は嫌がって歯磨きもしなかった小学生が、少しずつ治療を理解してくれるようになり「今日は歯磨きしてきたよ」と言ってくれるようになった時はとてもうれしかったですね。

今後の展望についてお聞かせください。

まずは患者さんに満足していただけるクオリティーを提供し続けることですね。マイクロスコープや歯科用CTといった精密機器がそろっているので、症状の早期発見・早期治療にも注力していきたいです。また、口腔育成など、子どもの成長や発達にはこれからも関わっていきたいと考えています。総じていえることは、地域のデンタルIQを上げていきたいということでしょうか。ゆくゆくは、悪くなってから来るような「歯を治す場所」ではなく、定期的なクリーニングや検診に訪れる「歯を守る場所」にできたらうれしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

歯の健康を保つには予防がとても大切ですので、ぜひ悪くなる前に来ていただけたらと思います。そのためにも、少しでも違和感を覚えたら来院できるような身近な存在でありたいですし、早期発見・早期治療の大切さを伝えていきたいと考えています。また、精密な治療、クオリティーの高い治療など「良い医療」を皆さんに知っていただきたいと思います。マイクロスコープを用いた治療など、先進の治療も提案できますので、興味をお持ちの方はぜひお気軽にお越しください。