治療とリハビリテーションで
健康長寿と長期間自分で歩けるように
川口いん整形外科
(川口市/戸塚安行駅)
最終更新日:2025/06/13


- 保険診療
リハビリテーションは継続が重要とされるが、現実には通院を続けられない人もおり、その結果、健康回復の機会を逃したり、症状の慢性化や再発のリスクが高まったりする可能性もある。「川口いん整形外科」の殷鐘晃(いん・ちょんは)院長は、東邦大学医学部を卒業後、順天堂大学医学部附属順天堂医院の整形外科教室に入局し、多くの経験を積んだ日本整形外科学会整形外科専門医だ。患者が元気に活動できる期間を少しでも延ばしたいという思いから整形外科を選び、その後、次第に治療とリハビリの両面から患者を支えたいと思うように。そして患者の日常生活から社会復帰に至るまでを見守る医療を実現したいと考え、開業に至ったという。今回は、殷院長と理学療法士の北田さんに川口いん整形外科のリハビリテーションについて聞いた。
(取材日2025年5月30日)
目次
痛みの原因と回復に向けたプロセスを患者と共有し、症状改善と再発防止をめざすリハビリテーションとは
- Qリハビリの重要性について教えてください。
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A
▲診断からリハビリテーションまでをチーム医療で取り組む
【殷院長】一度外傷や傷害を負ってしまうと、まずは痛みを和らげるために局所的な治療や薬の処方、運動指導などが行われますが、それだけでは十分とはいえません。傷んだ部位は筋力が低下したり、動きが悪くなったりしていることが多く、放置すれば再発や慢性化のリスクも高まります。そこで重要になるのがリハビリです。リハビリでは、患部だけでなく全身の姿勢やバランスを整え、正しい動きを取り戻すためのトレーニングやコンディショニングを行います。例えば、骨折や手術後に起こりやすい関節の硬直を防ぎ、生活の質を高めるためのサポートを提供できます。ただ治すだけでなく、その人らしい生活を取り戻すための重要なプロセスといえます。
- Qこちらで行っているリハビリの特徴は?
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A
▲広々としたリハビリテーション室を備えているのも大きな強み
【理学療法士・北田さん】当院は3分の1以上をリハビリ室にあてています。理学療法士は常勤4人、非常勤2人が在籍しており、そのうち4人が常に対応できる体制を整えています。完全予約制を導入して待ち時間を抑え、患者さん一人ひとりに丁寧なリハビリ時間を確保しています。エコーを2台導入し、患部の状態を画像で可視化することで診断や患者説明に役立てているのも特徴の一つです。関節運動や筋力トレーニングに加え、ヨガやピラティスの考えも取り入れており、再発防止や全身のバランス調整を図っています。医師と理学療法士が連携し、生活習慣に起因する不調にも専門的な視点からアプローチし、患者さんの生活の質の向上に努めています。
- Qどのような方が、リハビリテーションを利用されていますか?
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A
▲一人ひとりの症状に合わせたリハビリテーションを計画
【理学療法士・北田さん】腰痛や関節痛などで来院されるシニア層の患者さんが多く、症状の緩和だけでなく、痛みの根本原因にアプローチしています。例えば腰痛の場合、首周りの硬さや姿勢の乱れが原因となっていることもあるため、総合的に評価して治療を進めます。夕方以降は、ケガやスポーツ障害で受診される中高生が増え、それぞれのスポーツ特性を考慮し、痛めた部位だけでなく姿勢や体の使い方も診ることで再発予防に努めています。骨粗しょう症による圧迫骨折では、骨形成を促す運動や日光浴を含む生活指導を行い、五十肩の場合は原因の特定から適切な治療・リハビリの計画を立案。原因に対して解決を図るアプローチを大切にしています。
- Q日々のリハビリにおいて、心がけていることは何ですか?
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A
▲自主的な取り組みにつながる、コミュニケーションも重要視
【理学療法士・北田さん】院内でのリハビリだけでなく、自宅でも運動を続けていただけるよう働きかけています。「この動作が痛みの原因と思われるので、自宅でもこの運動をしてみましょう」と提案し、納得いただいた上で取り組んでもらいます。経過を確認しプログラムも調整し、患者さん、医師、理学療法士が全員で改善をめざすイメージです。来院時だけでなく日常生活の中でも意識してもらうことで、より良い結果につなげたいと考えています。また、運動の必要性を伝え、自主的な取り組みにつなげるためにも「どこが痛く、なぜそうなったか」を共有するよう心がけています。そのためには、生活に踏み込んだ会話や信頼関係の構築も重要です。
- Qどのような時にやりがいを感じますか?
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A
▲チーム全員で患者のより良い治療を検討
【理学療法士・北田さん】例えば、物理療法だけではなかなか改善せず、患者さん自身諦めかけているような場合、当院では患者さんと一緒に痛みの原因や背景を考えるんです。丁寧に説明を重ねていく中で「そういうことだったんですね」と納得され、前向きに通院してくださるようになった時は、大きなやりがいを感じますね。患者さんがこちらの説明を理解し、自らの意思で運動を続けてくださると、しっかり共有できたという手応えが感じられて、大きな励みになりますし、この仕事をやっていて良かったと心から思います。