自覚症状がないからこそ注意
骨密度検査で骨粗しょう症予防を
川口いん整形外科
(川口市/戸塚安行駅)
最終更新日:2024/09/05


- 保険診療
骨の強度が低下して、骨折などをしやすくなる骨粗しょう症。自覚症状がないため、知らないうちに進行している場合が多く、ちょっとしたことで骨折してしまってから初めて病気を認識することも多い。自分では症状に気づけないからこそ、積極的に検査をして骨の状態を確かめておくことが大切だ。精度の高い骨密度測定装置を備える「川口いん整形外科」の殷鐘晃(いん・ちょんは)院長は、「特に女性は加齢に伴ってホルモンバランスが変化し、骨密度の低下を招きます」と説明する。骨粗しょう症が進行することのリスクや検査の内容、予防のための日々の心がけなどについて、殷院長に詳しく聞いた。
(取材日2024年8月6日)
目次
腰椎と大腿骨の測定で精度の高い骨密度検査を。骨粗しょう症予防には日々の運動も大切
- Q骨粗しょう症になりやすいのは、どのような人でしょうか?
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A
▲「自覚症状がないからこそ、検査の必要性がある」と話す院長
最も多いのは、ご高齢の女性です。女性は閉経後にホルモンバランスの変化の影響を受けて50~70歳代くらいにかけて骨密度が下がり、骨がもろくなりやすいのです。また、加齢による骨の量の減少も骨粗しょう症の原因になりますし、運動不足によっても骨密度の低下は生じやすくなります。
- Q骨粗しょう症の検査内容について教えてください。
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A
▲DXAによる精密な骨密度検査を採用している
骨密度の測定が基本的な検査になります。当院では骨密度測定装置で腰椎と大腿骨の骨密度を測定し、若年成人の骨密度との比較で診断を行います。全身骨密度測定においては、前腕やかかとではなく腰椎と大腿骨での測定が推奨されています。当院でもその基準を採用し、簡易的なものではなくしっかりとした検査を行えます。その他にも、血液検査によって骨の代謝の状態を調べることができます。
- Q骨粗しょう症を放置するとどのようなリスクがありますか?
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A
▲わかりやすい説明を心がけている
骨粗しょう症には基本的に自覚症状がないため、気づかないうちに骨折リスクが高まっていくことになります。転んで手をついただけで手首を骨折してしまったり、肩をぶつければ肩の骨を、尻もちをつけば大腿骨を折ってしまうといったことが起きやすくなります。治療としては、その方の骨密度や骨の代謝の状態などに応じた薬を、注射や飲み薬などで投与していく方法が一般的です。
- Q骨粗しょう症の検査を受けるタイミングを教えてください。
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A
▲「日頃の運動も、検査も重要」と話す院長
年齢で言えば、70歳を超えたら必ず一度は骨密度検査を受けることをお勧めします。また、例えば親御さんが大腿骨骨折の経験がある、婦人科系の病気、ステロイド治療をしたことがあるといった履歴があれば、そういったこともリスク因子となりますので、少し早めに骨密度検査を受けてみてもよいと思います。
- Q骨粗しょう症予防のために大切なことは何でしょうか?
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A
▲明るく互いに元気になれるようにと心がけている
やはり日々の運動が大切だと思います。よく患者さんにお話ししているのは、宇宙飛行士の方はあっという間に骨密度が低下するのだということ。無重力の状態で骨に刺激がないと、若い人でも骨密度が下がってしまうんです。重力下で運動することが、骨にとっていかに重要かがわかります。食事面についてはカルシウムやビタミンD、タンパク質の摂取が大事ですね。また、お酒やタバコについては控えたほうがいいでしょう。