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会沢芳樹 院長の独自取材記事

会沢産婦人科医院

(大和市/つきみ野駅)

最終更新日:2019/08/28

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東急田園都市線つきみ野駅と小田急線中央林間駅のちょうど間にある「会沢産婦人科医院」は院長の会沢芳樹先生の父の代から35年続く、お産を中心とした産婦人科だ。無痛分娩をはじめさまざまな形式のお産がある昨今、会沢産婦人科では、自然分娩による出産で多くの赤ちゃんが元気な産声を上げている。それは可能な限り医療の介入を必要とせず、生みの苦しみを知ってほしいという会沢先生の気持ちの表れでもあるようだ。大部屋が中心の病棟は、面会に来た赤ちゃんのきょうだいの笑い声が響く中、初めてのお産を迎える人が経産婦に育児について教わっていたりと賑やかでとてもアットーホーム。会沢先生のユーモアたっぷりなお人柄もあり、居心地がよくゆったりとした気持ちでお産に臨むことができる。長きにわたり地域のお産を担ってきた会沢先生に、お産に対する考え方や診療モットー、そしてプライベートな時間の過ごし方までたっぷりと語っていただいた。

(取材日2013年3月15日)

自然分娩を中心に地域のお産を担って35年

まずは、院長就任の経緯についてお話しください。

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「会沢産婦人科」は父が1977年にこの地に開業し、2005年に私が院長を引き継ぎました。僕は相模原市で生まれて中学生くらいからこの場所で育ちましたが、当時は医院の向かい側は芝生地や農地でしたね。田園都市線が中央林間まで延びた頃から人が増え始め賑やかになってきました。現在、医院に来られている患者さんは、大和市在住の人が6〜7割、相模原市や町田市の人が3〜4割となっています。新興住宅地でもあるので、里帰り出産を希望される方もいらっしゃいますが、当院で分娩される方のほうが多いですね。

産科がメインのクリニックだとお聞きしました。


はい。患者さんのほとんどが妊婦さんです。僕は自然なお産が一番よいと思っているので、当院での分娩は、計画分娩の方や予定日を過ぎた方への対応で陣痛促進剤を使用する場合もありますが、8割5分が自然分娩です。最近は無痛分娩を行う産婦人科も多く、考え方は色々あると思うのですが、お産は病気ではありませんし、人類が地球上に生まれてからずっと、お産を繰り返して滅びることなく子孫を残してきたわけです。残念ながら、どれだけ医学が進歩して技術が向上しても、ある一定のレベルでは悲しい結果に終わることがあり、それをゼロにするのは神様の領域というか、科学の力だけでは不可能に近いと僕は思います。だからこそ、極力、持病があったり危険な状態でなければ、医療の介入なく、自然な状態で産むのがベストだと考えています。もちろん、高血圧の方や妊娠高血圧症候群の場合には無痛分娩を行うこともありますし、早い段階で無痛分娩を希望する方がいれば、私の考えをお話しした上で、症例数の多い近隣のクリニックを紹介するなどして対応しています。

無痛分娩に積極的ではないのはどのようなお考えからですか?

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今、フランスではほとんどが無痛分娩、アメリカでは6割〜7割と言われていますが、日本で無痛分娩による出産を経験した人は全体の1割未満と言われています。欧米人は合理的に物事を考えるのに比べ、日本人はやはり努力、頑張る、忍耐というのが好きなのでしょうね。陣痛はなぜ起こるのか実はわかっていないのですが、僕は、神様が意味を持って作ったものだと思っています。それをわざわざ科学の力で取り除くことはないんじゃないかという考えが僕の根底にあります。やっぱり、父親と母親では子どもに対する愛情は絶対に違うんですよね。陣痛を経験するということは特別なことで、男の人がどうあがいたって経験できるものではありません。早いうちから胎動を感じ、自分の子が生きているということがわかって、その子に会いたいと思う気持ちで、この世のものとは思えない痛みを乗り越えたからこそ、母親は強く、子への愛情は本当に深いと感じています。

お産は自然に起こること。不安にならなくても大丈夫

出産のための入院に関するサービスや特長はありますか?

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足裏マッサージなどのリフレクソロジーを行っています。また、当院の入院設備は、個室が二つで残りはすべて大部屋です。今は個室が主流になりつつあるようですが、大部屋で複数のお母さんが一緒にいると、話に花が咲きママ友のような関係が生まれるようです。初めて出産をするお母さんが経産婦さんに出産や育児について色々と聞けるなどのメリットがありますね。個室を希望していた方に一時的に大部屋に入っていただいた後、個室が空いたからと案内しても「このまま大部屋」、と言う方もいらっしゃるくらいです。隣にどんな人が住んでいるかわからないような時代ですから、お母さん同士が仲良くできる環境も悪くないんじゃないかなと思いますね。大和市でも毎年、若干出生数は減っているのですが、当院に来る方は、3人目、4人目の経産婦さんも多く、同じ病室の人が上の子どもの同級生のお母さんだったりすることもあるので、毎日賑やかで楽しいですよ。面会時には子どもたちも自由に出入りできるようにしていますから、子どもたちもいっぱい来ます。数日間でも家族がバラバラなのはかわいそうですからね。病室はいつもわきあいあいとしています。

日々の診療やお産に立ち会う際に大切にしていることは何ですか?


正しい診断をすることが大切だと考えています。妊娠するとほかの体の部分にも影響が出ます。つわりで吐いたり、胃腸が弱くなるなど生理的な変化で起こる症状も多いのですが、だからと言って、何でも妊娠のせいにして放置しておくわけにはいきません。何か別の病気が隠れている可能性もあるので、状況を正しくお伝えして必要に応じて内科などの受診を促すようにしています。お産は本当に十人十色で、教科書通りにはいかないものです。診断の基準を念頭に置きつつ、状況判断することが一番苦慮する点かもしれません。昔の人は「三日三晩寝ずに産んだ」なんて話をしますが、陣痛が起こらないのも、陣痛が起こっても生まれてこないのも何らかの理由があるからです。そこで自然分娩にこだわって、赤ちゃんもお母さんも危険にさらすようなことになれば本末転倒です。自然分娩でいくのか、陣痛促進剤を使うのか、帝王切開にするのか、無痛分娩を選択するのか、その見極めが重要で、そこで役立つのがこれまでの経験だと思っています。

出産に不安を感じる妊婦にはどのように声をかけますか?

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陣痛がどんなものか、いきむ時にはどうすればいいか、ラマーズ法やソフロロジーといった呼吸法は効果的なのかなど、不安は尽きないものです。当院のお産は、特別に取り入れていることはないので、患者さんが呼吸法の勉強をされて試してみたいのなら、その呼吸法を取り入れればいいし、自由にしてくれて構わないんですよ。僕が患者さんにいつも話すのは、そんなに詳しい知識がなくても、自然に起こることだから大丈夫だよということ。もちろん、「力を入れないでね」、「子宮口が開くまでいきまないでね」というようなアドバイスはしますが、知識がなくても恐れることはありません。案ずるより産むが易しってこともありますから、まな板の上の鯉だと思って心配しなくていいですよとお伝えしています。また、20年前に陣痛促進剤の使用について問題になったことがあり、それについて不安に思っている方もいると思うので、事前に正しい内容と使用することもあるかもしれないことを説明し、必要性に納得していただき同意を得た上で進めるようにしています。

「この医院で生もう」と思ってくれる人に応えていきたい

産婦人科医になったのは、やはりお父様の影響でしょうか?

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そうですね。でも、最初は産婦人科医になるつもりはなく、整形外科に興味がありました。僕はどちらかというと、病気を治すというよりも、健康な人のケガを治したりするほうが向いているんじゃないかと自分で思っていたからです。でも結局、研修医が修了し、産婦人科に入局してしまいました(笑)。その時すでにこの医院もあったし、環境が整っているのにほかに行くのはもったいない気がして。産婦人科には、多くは健康な人が妊娠して来るわけなので、そういう面では僕の思い通りになりました。ただ、本人もご家族も元気な子どもが普通に生まれて家に帰ってくるということが当たり前だと思われています。産婦人科医として頑張った僕も、痛い思いをしたお母さんも、一生懸命苦労して出てきた赤ちゃんも、周囲から当たり前だと思われるのは悔しいかな(笑)。感謝されることもあり、もちろんやりがいも感じているのですが、評価されにくいのは少しさみしいですね。

お忙しい中、休日はどのように過ごされていますか?


産婦人科医という職業上、いつお産が始まるかわからないので、完全にフリーの日というのはなかなかないのですが、僕はお酒も飲まないし、家にいることも好きなので、そのあたりは苦痛ではありませんね。時間がある時は、二歳の子どもと一緒に遊んだり、出かけたりしています。かわいいですけれど、結構疲れますね。だから、リフレッシュになっている気はしません(笑)。愛でていいなと思いながら、楽しんでいるところです。子どもって笑うと本当にかわいいですよね。思わず嬉しくなります。それが他人の子であっても、子どもの笑顔はみんな、天使の笑顔ですよね。

最後に今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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今までどおり、この医院で生もうと思ってくれる人に応えていくのみですね。子どもがいる生活はよいですよ。こんなに不確かな時代ですから、子どもを産み、育てることに不安があるかもしれませんが、このままお産が減り続ければ世界は滅びてしまいます。当院には若い夫婦も多く、中には、昼働いて、夜はアルバイトしているお父さんもいます。子ども二人を育てるのはお金もかかるし大変ですからね、偉いなあと思いますよ。それぞれの考え方がありますが、そういう姿を見ていると微笑ましいし、そのお父さんも「夜も働いているんですよ」なんて言いながら、嬉しそうなんですよね。そういう人が増えてくれることを願います。なるようになりますから、恐れずに妊娠や出産について考えてほしいですね。

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