久保 宗平 院長の独自取材記事
くぼ歯科医院
(本巣郡北方町/穂積駅)
最終更新日:2024/08/02

穂積駅から車で7分程の場所に「くぼ歯科医院」はある。2024年6月1日に開院した新しいクリニックで、居心地の良さを追求した院内はおしゃれで清潔感にあふれている。久保宗平院長は総合病院で歯科口腔外科の研鑽を積み、今も休診日は病院に手術に行くなど豊富な経験を持つ歯科医師。一人ひとりの患者に綿密な治療計画を立て、資料も自作するなど、その診療スタイルは丁寧そのものだ。患者はもちろんのこと一緒に働くスタッフも大切にし、後輩育成にも力を注ぐ。「人は何よりも大切です」そう語る久保院長の誠実さは周囲に伝染し、スタッフも自発的に集まって勉強するなど、クリニック全体で同院をより良くしていこうという気運に満ちている。今も学び研鑽を続ける久保院長に、開院の経緯や自身の経験、今後の展望など多くの話を聞いた。
(取材日2024年6月26日)
常に患者目線に立ち、専門性の高い治療を提供したい
開業した経緯を教えてください。

私は総合病院の歯科口腔外科にずっと勤めてきましたが、そこではがんや顎変形症の手術を行っていました。口腔外科にこのまま携わることも考えましたが、病院では口腔外科と一般歯科は分業制になっていたんですね。それぞれが専門性の高い治療を提供できるという意味では良い部分でもありますが、患者さんには不便をかけてしまっていました。例えば紹介でいらっしゃった患者さんに病院で私が治療した際に、後の治療もやってほしいと言われることが多かったんですね。ですが、立場上できないのでお断りするしかありませんでした。何かいい方法はないかと考えた時に、一つの場所で全部終えられたら、患者さんの身になってみれば一番良いのではないかと。そこで、一般開業の歯科医院でかつ手術もできる場所を作りたいと思い、開業に至りました。
たいへん開放感があって洗練された院内ですね。こだわりや込めた想いを教えてください。
圧迫感は恐怖心を煽る一つの要因になると考えています。パーソナルスペースもそうですが、どうしても治療中は距離が近くなりますので、見える景色だけでも開放感を感じていただきたかったんですね。経営面から見ると狭くしたほうが良いのですが、患者さんファーストで広く空間を取っています。あとは、おしゃれだと通い続けるモチベーションにもつながりますので、私もデザインから関わって意識して作りました。幼なじみが描いてくれた絵も飾っていて、当院のキーポイントになっています。ロゴにもこだわりを持って自分でデザインをしました。めざすは患者さんの安心と、来たいと思っていただけるような居心地の良さ。この2つを大切に形にしました。
久保院長の今までのご経験を教えてください。

東京歯科大学を卒業後は岐阜大学に半年在籍して、もう半年は東海中央病院に在籍しました。2年目は岐阜大学に戻り麻酔科で全身麻酔の手術について学び、3年目で大学院か違う場所かで進路を迷っていたところ、東海中央病院の部長さんにお声がけしていただいて、医長として勤務しました。東海中央病院は、歯科の中では珍しいのですが週に4回手術日があったんですね。毎日夜の9時、10時になることも多かったですが、若いうちからたくさん手術の経験を積みたかったので、理想的な環境でした。実際に手術に携わるようになってからうまくできないもどかしさを身にしみて感じるようになって、もっとうまくなりたくていろいろな勉強会にも行っていたんですが、先進の技術を学んですぐ自分で実践できるというのは、すごくありがたかったですね。
スタッフ育成も注力し、やりがいのある職場環境を作る
経験の中で、印象に残っていることはありますか?

私の恩師の一人で、東海中央病院で現在部長をされている市原先生から言われた言葉は、今もずっと心に残っています。私が初めて抜歯を担当した時に、すごく時間がかかったんですね。その時に市原先生は、「1本目を抜歯する時に見える景色と、100本目、1000本目、1万本目を抜歯する時に見える景色は絶対に違うから、経験を積み続けなさい」と私に言ってくださいました。実際に多くの方の親知らずを抜いてきて、最初に見えていた景色と今見えている景色は全然違うなと実感しています。考え方から反応スピード、こういうふうに手術しようということが思い描けるようになって、以前の自分より少しは成長したかなと思っています。市原先生が言っていたことは正しかったんだと、本当に感謝しています。
久保院長の得意とされている治療は?
一番はインプラント治療です。病院で勤務していた際には事故などで骨を大きく失った方のインプラント治療や、開業医さんで発生したトラブルの対応を多く経験してきました。ですので、何かあったときに対応できるのは一つ自分の強みだと思います。今も東海中央病院や他の病院からも依頼があって、休診日に手術に赴いています。後輩育成も大切にしています。インプラント治療は骨がないとできないというのが定説でしたが、今の技術では骨の再生を図る治療が可能です。例えば歯周病が進行してすべての歯の抜歯が必要な方でも、インプラント治療が可能な場合があります。当院でもご要望いただいており、需要の高さを感じています。
スタッフさんに久保院長からお話しされていることはありますか?

患者さんの話をよく聞くことには注力してもらいたいと話をしていて、クリニック全体で意思疎通を図るために、スライドを作ってスタッフに話しました。また、スタッフの働き方も大切にしたくて、やりがいを持って働いてもらうために、例えば歯科衛生士がメンテナンスだけをやるのは同じ作業の繰り返しで気が滅入ってしまうので、歯科全般の知識を一緒に学んで、カウンセリングにも携わってもらっています。スタッフは最初カウンセリングに不慣れでしたが、今ではシートにびっしり文字が書かれていて、自分たちで集まって勉強もしてくれて、その成長がうれしいですね。あとは、歯科衛生士の学生さんもバイトで雇っているのですが、学生のうちから外科手術の現場を経験するのは大切だと考えているので、そういった場を提供したいとも考えています。
その場を取り繕うのではなく、正確に状況を伝える
診療時に心がけていることはありますか?

患者さんにうそ偽りなく伝えるということですね。それはすべてをはっきり言えばいいということではなくて、今の状況を正しくお伝えをするということです。そして、最後まで希望を持って治療ができるということもしっかりとお示しします。患者さんにもリスクをわかっていただいた上で治療方法を示し、ご自身の歯が保存できるよう一緒に頑張っていただく。歯を残していくためには患者さん自身もセルフケアを頑張っていただくことで初めて成り立つ治療でもありますので、一緒に治療を進めていくということが欠かせません。ですので、モチベーションを保つためにも、状況を把握し正確に伝えるということは心がけています。
今後の展望を教えてください。
まずは患者さん一人ひとりに丁寧に治療を行っていくことですね。これは常にベースに据えて、患者さんから紹介していただけるようなクリニックになっていきたいです。めざすクリニック像に近づけたら、次のステップとして後輩育成をしていきたいと考えています。例えば手術の見学や勉強会を定期的に実施して、これから口腔外科治療、インプラント治療をやっていきたいと思っている若い歯科医師に教育の場を提供していきたいです。そして、近隣の地域や岐阜県内にネットワークをつくっていって、迷ったときに症例を相談し合えるような関係づくりをしていきたいとも思っています。論文や症例をもってしっかりと説明できるよう今から準備をして、次の世代に残していきたいですね。
最後に読者にメッセージをお願いします。

先進的な治療だけではなく、長く行われてきた治療の中にも良いものはありますので、当院は双方を融合した新しいスタイルの歯科医院をめざしています。どの歯科医院に行けばいいか迷われている方は多いと思いますが、当院で新しい歯科医療を感じていただけたらと思います。初診ではご自身の口の中を知っていただけるよう、3Dスキャナーで口腔内を撮影したものを患者さんにお見せしています。さらに、スマートフォンでアプリをダウンロードしていただくと家でも見ることができます。歯科医院は怖いところと思われている方も多いと思いますが、構えずお話しするだけでもいいので、ぜひ気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万5000円~、骨造成/3万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。