胸の周りの諸症状を自覚したら肺疾患にも詳しい循環器内科へ。生活習慣病の管理も心疾患予防を視野に

Q循環器内科はどんなときに受診すれば良いのでしょうか。

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▲循環器内科や心臓カテーテルの分野で研鑽を積んできた山田亘院長

循環器内科とは心臓や血管の病気を専門とする診療科です。胸の痛み、動悸、息切れなどの症状が出たら受診してほしいと思います。また、健康診断で心雑音や心電図の異常を指摘されたり、エックス線検査で心拡大が見られたら受診すべきタイミングといえるでしょう。健康診断で血圧、コレステロール値、血糖値などに問題があることがわかった場合も、循環器内科を受診してほしいと考えています。自覚症状がないからといって、放置してしまうと動脈硬化から心筋梗塞、脳梗塞につながる可能性もあります。また、カテーテルによる心臓弁膜症の手術をした方の経過観察、不整脈治療のための定期通院などもご相談ください。

Q胸の痛み、動悸が知らせる病気には何がありますか。

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▲患者の状態によって呼吸機能検査を行うことも

命に関わる心筋梗塞、狭心症などの可能性もゼロではありません。1分1秒を争う病気でもあるので、まず見逃さないことが大事です。治療が遅れると一命を取りとめても心臓の機能が著しく低下し、心不全を繰り返し起こすことにもなりかねませんからね。一方、胸の痛みがあっても動脈硬化が進んでいない若い方などは、気胸や逆流性食道炎というケースも多いです。だからこそ、私は胸部の諸症状を網羅的に知っておく必要があると考え、肺疾患や食道疾患に関する経験も積んできました。肺疾患・症状の中には足の血栓が肺の動脈に飛ぶ肺塞栓症、いわゆるエコノミー症候群など死に至るものもあるので、早期発見・早期治療が鍵です。

Qクリニックで検査を受けるメリットを教えてください。

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▲検査中の画像が見えるように、患者の目線の位置にモニターを設置

大規模病院では予約を入れて数週間後に検査という流れになりがちです。一方、クリニックならば受診した当日に検査を受けられ、すぐに検査結果を聞くこともできます。クリニックで行う検査としては、まずは血液検査で心筋梗塞マーカーや心不全マーカーなどをチェック。必要があればエックス線検査、心電図検査、患者さんへの負担が少なく得られる情報が多い超音波検査を実施。また、不整脈は異常が起きた瞬間の波形を捉える必要があるので、24時間ホルター心電図検査を行うこともあります。加えて当院では肺疾患に関する検査も一通りできるようにしました。場合により呼吸機能検査、喘息の有無を調べる呼気NO検査などを実施し治療に進みます。

Q循環器内科クリニックではどのような治療が受けられますか。

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▲心雑音や心電図を解析し、状態を精密に把握する

基本的には内服治療で、症状が強ければ点滴も併用します。緊急処置が必要な場合は、連携している大規模病院へ迅速につなぎます。一方、生活習慣病から動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞を発症することのないようコントロールするための治療も行います。すべての血管の動脈硬化を調べることはできませんが、当院は頸動脈エコー検査を実施して動脈硬化を定量評価しているのも特徴の一つです。頸動脈エコー検査では患者さんにも頸動脈に脂肪の塊であるプラークがどれくらいついているかモニターでご覧いただきます。その後の診察では、動脈硬化のリスクがどれくらいあるのかを検査画像を用いて患者さんにわかりやすく説明するように心がけています。

Q患者さんの治療へのモチベーション維持が大事なのですね。

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▲患者の生活背景に寄り添った、治療計画を立てるように配慮する

動脈硬化は数ヵ月放置したくらいでは大病に至ることはほぼありません。しかし、救急医療に携わっていた頃は、適切な治療をしないまま5年10年と過ごし、心筋梗塞で搬送されてきた患者さんを数多く診てきました。だからこそ「そうなる前に食い止めたい」という想いを強く持っています。そのために、当院では療養計画書も活用しています。患者さんご自身が食事、運動、喫煙、飲酒など生活習慣に関する目標を設定し、達成できたかどうか4ヵ月ごとに見直していきます。健康寿命を全うするためにも、できるだけ早い段階で動脈硬化を見つけ治療を続けることが大切です。命に関わる病気を予防するためにも循環器内科を活用してください。