山田 亘 院長の独自取材記事
トライハートクリニック中野
(中野区/中野駅)
最終更新日:2025/01/14

JR中央線・中野駅南口から徒歩30秒、アクセス抜群の「トライハートクリニック中野」は2024年6月に開業。市中病院の循環器内科や心臓カテーテル治療の分野で研鑽を積んできた山田亘先生が院長を務める。診療は一般内科と循環器内科を主軸とし、風邪や花粉症などの日常的なトラブルから狭心症や心筋梗塞などの心疾患・心臓手術のアフターケアまで幅広くカバー。中でも力を入れているのは予防医療だ。生活習慣を見直すことで動脈硬化の進行予防に努め、血圧・コレステロール・糖尿病のコントロールを図る。患者のライフスタイルに寄り添った診療で、健康寿命を延ばすためのパートナーをめざす。「人生100年時代に患者さんが元気でいられるよう、精いっぱい取り組みたい」と、志高く医療に向き合う山田院長に話を聞いた。
(取材日2024年7月26日)
なりたい医師になるため全力でトライし続けてきた
開業の経緯を教えてください。

これまでずっと自分の志や理想を胸に、進路を選択してきました。大学卒業後の初期研修では、救急医療を学びたい一心で一次救急から三次救急まで携わることができる東京医療センターを選びました。救急医療を学ぶ中で、特に一分一秒を争う循環器救急にやりがいを感じたので、循環器内科を専攻することに決めました。その後、循環器科の医師としてサブスペシャリティーを早く身につけたいという気持ちから、先進のカテーテル治療が学べる聖隷横浜病院へ。カテーテル治療の分野で知られ、国内外で活躍する先生のもとで研鑽を積んできました。やりがいも強く感じていたので、カテーテル治療のエキスパートとして生きる道も考えたのですが、やはり患者さんに近い存在でありたいと思い、開業を決意しました。
患者さんと距離が近い医療のどのような点に惹かれましたか?
大きい病院にいた頃よりも、診療中に患者さんと会話する時間が増えるので、自然と患者さんの価値観や人生観にふれる機会が多くあります。ご自身が熱心に取り組まれたお仕事やご家庭の話を聞いている中で、患者さんの人となりが伝わってきます。僕自身患者さんのお話を聞くことが好きですし、患者さんの考えや価値観を知ることで、各々に合った治療を提案できる点がクリニックの良さだと考えています。普段、病院では「先生」なんて呼ばれていますが、人生においてはずっと先輩の患者さんばかりですから、僕自身も人生について日々勉強させていただいている気分です。
開業する際にこだわった点はありますか?

最近、予防医学の重要性が叫ばれていますが、僕もそれを痛感してきました。狭心症や心筋梗塞を起こしてカテーテル治療が必要な患者さんは、ほとんどが動脈硬化が進行した状態です。その原因は、生活習慣であることが非常に多いので、患者さんと一緒に生活習慣を見直し、血圧・コレステロール・糖尿病をしっかりコントロールしていくための医療を行っていきます。また、過去には残念ながら助けることができなかった患者さんも見てきた分、今後も予防医療の必要性も広く啓発していきたいと考えています。
気軽に足を運べる循環器内科であるために
予防医療に力を入れたクリニックということですが、具体的にどのような治療ができるのか教えてください。

風邪などの急性症状から生活習慣病などの慢性疾患まで、内科全般の診療はもちろん、専門的な検査に力を入れています。血液検査、心エコー検査、心電図検査、レントゲン検査、肺機能検査、呼気NO検査など、幅広い検査が可能です。また、健康診断にも力を入れており、気軽に受けられる検査として「心臓・動脈硬化の総合検査」というのを特別に用意していますので、ご自身の心臓や動脈硬化の状態について知ることができます。僕の専門である循環器内科では、24時間ホルター心電図など先進の設備を整えておりますので、狭心症や心筋梗塞、それらの予備軍でもある高血圧症や脂質異常症、糖尿病、手術後のアフターフォローなど広く対応しています。もちろん、多数の医療機関と提携していますので、専門的な医療が必要と思われる場合は速やかに専門病院への紹介を行っています。
どのような患者さんが来院されていますか。
風邪症状の方に加え、循環器疾患の症状で受診される方も多いですね。胸の痛みや動悸、息苦しさ、圧迫感、めまい、むくみなど多岐にわたります。「普段と何かが違う」という違和感があれば、なるべく早めの受診をお勧めしています。同様に、重症化を避けるために、症状が出る前に予防することも非常に重要です。当院では胸が痛いけれど心臓・肺どちらの疾患かわからないという方に向けて、前述の検査機器を用いた幅広い観点での診断検査が可能です。ご高齢の方だけではなく若い方も、些細な心配事があればぜひ一度ご相談をしていただきたいです。
利便性が非常に高いのも特徴ですよね。

中野駅から歩いて1分もかかりませんし、仕事で忙しい方々にも通院しやすいよう、朝8時半から診療を行っています。キャッシュレス決済やSNS予約、待ち状況を確認できるウェブシステムなどを導入して、できるだけストレスなく患者さんに通ってもらえるように工夫しました。最短1日で検査結果をお出ししているのもその一環です。
こんなクリニックにしたいというイメージがあれば教えてください。
循環器内科というのは敷居が高いイメージがあるので、気軽に相談に行けて、行くとハッピーな気持ちになれるクリニックをめざしています。患者さんを呼び入れる際は、僕自身が待合室までお迎えに行きますし、スタッフにも患者さんに笑顔で寄り添ったお声がけを心がけるよう伝えています。ちなみに、クリニック名の由来は、僕自身大学までラグビーをしていたこともあり、開業後はいろんなことに「トライ」したいという想いで、「トライハートクリニック中野」という名前にしました。これからも患者さんが通いやすいようなクリニックでいられるよう、「トライ」していきたいと思います。
最後まで元気で過ごすためのパートナーになりたい
先生が医師をめざしたきっかけは何ですか?

5歳の時に細菌性の髄膜炎にかかったんです。最初は風邪だと思っていたのが、次第に足が動かなくなり急いで連休の最終日にかかりつけクリニックに駆け込みました。休診日なのに先生が特別に診てくれて「命に関わる病気の可能性があり、助かったとしても手足にまひが残るかもしれない」とそのまま市民病院に担ぎ込まれました。後から親にこの話を詳しく聞かされて、何となく残っていた記憶が蘇りました。足が動かず親父に担がれながら病院を歩き回った記憶や、脊髄から髄液を摂取する検査がものすごく怖かったことなど。幼いながらも、医療に携わる大人たちが一生懸命対応してくれたことは強く印象に残っています。そこが医師をめざした大きなきっかけです。
先生が現場主義なのはそのような体験があったからなのですね。でもなぜ循環器科を選んだのですか?
髄膜炎は脳外科の領域なので、最初は脳外科に興味を持っていました。しかし、東京医療センターにいた時、心臓が止まった状態で運ばれてくる方もいました。その状態でも僕たち医師は、止まった心臓が再び動き始めるよう懸命に処置を行います。そうやって自分の行った治療がダイレクトに患者さんに影響し、目に見える形で結果を確認できるところに循環器医療のやりがいを感じたのかもしれません。それから循環器内科について知識を深めるうちに強く惹かれていきました。
診療をする際に大切にしていることは何ですか?

同じ病気でも患者さんの数だけゴールは違うということです。例えば、治療の観点から見ると、喫煙は絶対NGであっても、患者さんにとってタバコが生きがいなら完全にやめていただくことは、最善の選択ではないと思っています。生きる楽しみがなくなったり、治療に後ろ向きになってしまうのであれば、少しだけ許可してあげてその分食事を変えたり、薬を変えるなどの対応をしています。患者さんの人となりを見ることや、尊敬と信頼関係を持って治療方針を決めていくことを大切にしています。
患者さんにメッセージがあればお願いします。
平均寿命と健康寿命の乖離について度々話題になりますが、人生最後の10年を健康に過ごすためには大病を起こさないことが重要です。高血圧症、高脂血症、糖尿病と診断されても、心筋梗塞や脳梗塞を起こさないよう、人生100年時代を元気に生きるサポートができたらいいなと思っています。どんなに些細なことであっても、何か気になる症状があれば気軽にお越しください。