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生活への支障が大きい強迫性障害
早めの受診で日常を取り戻して

横浜ゆりまりメンタルクリニック

(横浜市都筑区/センター南駅)

最終更新日:2025/09/26

横浜ゆりまりメンタルクリニック 生活への支障が大きい強迫性障害 早めの受診で日常を取り戻して 横浜ゆりまりメンタルクリニック 生活への支障が大きい強迫性障害 早めの受診で日常を取り戻して
  • 保険診療

生涯のうちに全人口の1~2%が発症すると考えられている強迫性障害。脳の機能異常によって認知的、行動的抑制障害としての「とらわれ」や「繰り返し行為」を中核とした、自身では制御できない行動を取ってしまう病気だ。手の汚れが気になるといった強迫観念と、その強迫観念を打ち消すために手を何度も洗ってしまうといった強迫行為に悩まされている人も少なくない。「日常生活に支障を来し、つらい状況に陥る方が多い強迫性障害。早めの受診でつらさから解放されてほしい」と話すのは「横浜ゆりまりメンタルクリニック」の内田信也院長。幅広い医療現場で心の悩みを抱えるさまざまな世代の患者と接してきただけでなく、一般企業や政治の世界でも働いていたという経歴の持ち主だ。そんな内田院長に、強迫性障害の症状や治療法などについて聞いた。

(取材日2025年6月26日)

自覚しづらい強迫性障害は、早めの相談でつらさからの解放を。投薬や認知行動療法で改善をめざして

Q強迫性障害とはどのような疾患ですか?
A
横浜ゆりまりメンタルクリニック センター南駅直結のビルに位置するクリニック

▲センター南駅直結のビルに位置するクリニック

強迫性障害は「強迫観念」と「強迫行為」が連動する精神疾患です。例えば、汚染と洗浄の場合、「手についた菌で病気になるのでは」といった汚染に関する強迫観念が浮かび、それを回避するために洗浄、つまり何度も手を洗う強迫行為を繰り返してしまいます。本人も「そこまでしなくて良い」と理解しているのに、強迫観念に伴う不安や苦痛を一時的に打ち消すために行動してしまうのが特徴です。病因は特定されておらず、誰もが発症する可能性のある病気で、未治療の場合、症状の消長を伴いながら慢性的な経過をたどることも少なくありません。平均発症年齢は20歳前後とされ、女性では結婚や出産の時期に発症が多いともいわれています。

Q日常生活にはどのような支障がありますか?
A
横浜ゆりまりメンタルクリニック 待合スペースには、ちょっとした作業が可能なカフェスペースも

▲待合スペースには、ちょっとした作業が可能なカフェスペースも

強迫行為の影響で遅刻が増えたり、外出が難しくなったりと日常生活に支障を来してしまいます。手洗いの強迫行為がある場合、手荒れの悪化なども問題です。強迫観念の主なものとして不潔恐怖や過失不安などがあり、それぞれ過度な手洗いや入浴、洗濯、戸締まりや火のもとの過剰な確認、決めた手順で作業をこなせない場合のやり直しなどの強迫行動が出ます。生活行動の一つ一つに時間がかかるようになる上、家族など周囲の人にも強要し、トラブルとなってしまうこともあります。また、不潔恐怖が高じると外界すべてが汚染されていると思い込み、家から、ひどい場合には床から一切出られなくなり、社会生活が困難になってしまいます。

Qどのようなタイミングで受診を検討すべきでしょうか?
A
横浜ゆりまりメンタルクリニック 診察の際は、話しやすい雰囲気づくりを大切にしている

▲診察の際は、話しやすい雰囲気づくりを大切にしている

強迫性障害は自覚することが難しい病気です。しかし、放置してしまうと二次的にうつ病を併発する例もあり、早めの治療介入が大切となります。「決まった行動をしないと気が済まない」「同じ確認を何度も繰り返す」「日々の行動に時間がかかり生活や仕事に支障が出ている」など、少しでも困り事を感じたら受診を考えてください。ご本人は当たり前と思っていても、家族や周囲の指摘で気づくことも少なくありません。強迫性障害は脳の機能障害であり、治療により改善をめざすことが可能です。なんとなく「生きづらい」「こだわりが強すぎて疲れる」などのつらさを感じたときには、我慢することなく気軽に専門の医師にご相談いただきたいと思います。

Q主な治療方法について教えてください。
A
横浜ゆりまりメンタルクリニック 通院のしやすさも重要

▲通院のしやすさも重要

薬物療法と認知行動療法(CBT)が柱です。薬はSSRIと呼ばれる抗うつ薬を中心に用い、十分量を十分な期間服薬する必要があります。それでも効果が期待できない場合には、非定型抗精神病薬を追加投与することもあります。認知行動療法では、強迫観念のため避けていたことに直面させる曝露法と、繰り返す強迫行為を止める反応妨害法からなる「曝露反応妨害法(ERP)」や、強迫症状が出てしまう際の認知の偏りを修正する「認知再構成法」を実施することもあります。

Q治療のゴールは患者さんとどのように決めているのでしょうか?
A
横浜ゆりまりメンタルクリニック 患者や患者の家族とともに、治療に取り組んでいく

▲患者や患者の家族とともに、治療に取り組んでいく

強迫性障害は完治をめざすのではなく「症状とうまく付き合いながら日常生活を取り戻す」ことを目標にするのが現実的です。治療を進める中で「まあいいか」「少し気にならなくなった」と感じられるようになれれば、それが大きな一歩。日常生活の質が改善して行動範囲が広がることを治療のゴールとし、患者さんと相談しながら無理のない目標を設定します。まずは日常生活を妨げているつらい症状の解消と、併発しやすいうつ病の発症予防をめざし、薬物治療や認知行動療法などさまざまな治療法に加え、環境調整を行い、患者さんが自分らしく快適に日々を過ごせる状態をつくっていきます。治療には家族など周囲の人の理解と協力も求められるでしょう。

ドクターからのメッセージ

内田 信也院長

強迫性障害は、治療中に改善と増悪を繰り返しながら慢性的に経過することも多いため、治療が長期間に及ぶ場合があります。そのため、短期間での治療結果で一喜一憂することなく、主治医と相談しながら、薬物療法や認知行動療法などを継続していく必要があります。験担ぎやおまじないは、多くの方が日々の生活に取り入れているかもしれません。ただ、日常生活に支障がない程度なら問題ありませんが、度を越したこだわりや強迫的行動が見られた場合には、早めに受診してつらさからの解放を試みましょう。「まさか自分が」と思う方も少なくないようですが、少しのきっかけで誰がなってもおかしくない病気です。気軽にご相談ください。

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