全国のドクター13,293人の想いを取材
クリニック・病院 157,530件の情報を掲載(2025年2月19日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 逗子市
  4. 逗子駅
  5. ふじまつ内科・呼吸器クリニック
  6. 藤松 孝旨 院長

藤松 孝旨 院長の独自取材記事

ふじまつ内科・呼吸器クリニック

(逗子市/逗子駅)

最終更新日:2024/07/12

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック main

逗子駅東口から、海のほうに向かって趣ある商店街を数分歩くとクリニックの集まる真新しいビルに出くわす。その5階に「ふじまつ内科・呼吸器クリニック」は、2024年6月に開業した。院長の藤松孝旨先生は「リラックスして気軽に来ていただける、病院らしくないクリニックにしたい」と語る。その言葉どおり、グレーのグラデーションで統一された院内は、とても落ち着いた雰囲気だ。やわらかな笑みをたたえ、親しみやすい口調で丁寧に話してくれる藤松院長もまた、ホスピタリティーにあふれている。「とにかく患者さんファーストです。しっかりコミュニケーションを取り、お一人お一人に合った診察と治療を提供します」と語る藤松院長。キャリア15年目にして開業したクリニックでめざすところについて語ってもらった。

(取材日2024年6月24日)

決して押しつけることなく患者ファーストの姿勢を

落ち着いていて居心地の良い院内ですね。

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック1

「いかにも病院らしい、無機質で緊張感のあるような空間にはならないように」と、内装にはこだわりました。患者さんに気軽に立ち寄っていただきたいと思っているんです。医療機関って、行かない方はなかなか行きませんよね。ちょっと喉が痛いとか咳が出るという程度だったら行っちゃ駄目なんじゃないかと思われている方も少なくないと思います。でも、少しでも不調を感じられるなら、どんな些細な症状でも遠慮なく気軽に受診していただきたいんですね。病院っぽさをできるかぎり出さないようにしたのも、そういう希望からです。大学病院や、総合病院では曜日ごとに担当医が違いますが、患者さんにとってはそれも受診控えの要因になっていると思います。自分のクリニックであれば、毎日自分が担当するので、気軽に来ていただきたいと思います。

実際に患者さんと接する際の先生ならではのポリシーはおありですか?

どうしても医師の立場からすると、医学的に“正しいと思う検査”、“正しいと思う治療”を患者さんに勧めたいと思うものですが、僕はそれを押しつけることはしたくないと考えています。患者さんのライフスタイルや好きなこと、苦手なことをきちんと伺って、それらを踏まえて、クリニック側も柔軟に検査や治療方針を変えていくことが必要だなと思っています。例えば、吸入薬が苦手だという患者さんに強制することはしません。仮に「吸入しないと治らないよ!」と強めに指導して、それ自体がストレスになってしまったら本末転倒です。少し経過を見て、改善しなければあらためて相談させていただくという、患者さんの思いを尊重した治療を心がけるようにしています。

どのようなきっかけで、そうしたお考えを持つに至ったのですか?

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック2

僕が医師になって、常日頃思っているのは、「自分の家族が患者の場合、安心して診てもらえる医師でありたい」ということなんです。これは僕が医師になったきっかけにも関わることですが、そもそもわが家は医者家系で、僕も将来医療系の仕事に就くことを期待されていました。それに対してずっとなんとなく反発していたのですが、大学受験の1年ほど前に親族を肺の病気で亡くしたんですね。そのとき、見ていることしかできない自分が嫌になったんです。高校生ですからもちろん何もできないんですが、もしこの後自分の家族に何かあったときに、何もできないままの自分ではだめだと気づきました。そこで初めて医師になりたいと思いました。そして、医師になってから気づいたのですが、医師という仕事は自分にすごく合った仕事でした。

不調のサインである咳を見逃さない

どのような治療に注力されていますか?

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック3

咳症状のある方にはとにかく来ていただきたいですね。高齢の方だと比較的すぐに受診いただけるんですが、若い方は「咳ぐらい大丈夫だろう」と放置されるケースが多いようです。風邪の感染後に咳が残ってるだけであれば問題ないでしょうが、例えば喘息がその奥に隠れている可能性もあります。その場合は咳に対してきちんと対処しないと、悪化して発作を起こしたり、より重い症状につながったりしてしまうことがあります。咳は日常的に多くの人に出る症状ですが、不調のサインとしては重視するべきものです。喘息のほか、若い人でも肺炎や結核などの可能性もありますし、肺気腫や、肺がんの初期症状、間質性肺炎など重大な病気が隠されていることも考えられるので、油断せずにぜひ受診していただきたいと思います。

運動誘発喘息の症状を持つ方も増えているそうですね。

運動誘発喘息の有病率は、健康な若年者の4~5%、アスリートでは20〜30%、トップアスリートではさらに高いといわれています。ベースは喘息で、普段からスポーツをされている方はそもそも心肺機能が強いので、日常生活には問題なくても、体を動かすと呼吸が苦しくなるんです。そうして発作が起きるとパフォーマンスが落ちてしまいます。特にマラソンや水泳をされている方に影響が大きいのですが、アスリートに限らず、子どもにも見られる病気です。部活でもなんでも真剣にスポーツしている方は、息苦しいと感じたときに、病気とは考えずに鍛えて克服しようとする方が多いと思うのですが、病気の可能性もあるので、注意していただきたいです。予兆ははっきりとは出ないのですが、運動し始めていつもより呼吸が苦しかったり、ヒューヒュー、ゼイゼイしてしまうようなことがあれば、疑ってみてもいいでしょう。

ほかに力を入れていらっしゃる症状や治療法について教えてください。

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック4

呼吸器全般は何でも診させていただきます。中でも喘息に関してですが、一般内科のクリニックでも、吸入薬や内服薬での喘息の治療はできると思います。ただそういった治療で改善が見込めない喘息患者さんには、注射による治療があります。注射剤の治療となると当院のような呼吸器専門のクリニックでなければ、難しいと思います。また、呼吸器のみならず、どんな症状でも気軽にご相談に来ていただければと思います。「なんでも診る」「不調が続くならばすぐに受診していただける」というのが、街のクリニックの利点だと思っています。

誰もが構えず気軽に立ち寄れる場所に

大きな病院にいたからこそ、得られた学びはありますか?

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック5

やはりさまざまな疾患の診療に携われたことです。一般的な風邪から、肺がんまで幅広い疾患を診ることにより、呼吸器内科として自信をもつことができるようになりました。特に肺がんの診療では、患者さんや患者さんの家族と深く、長くお付き合いさせていただくことが多いので、患者さんとそのご家族のことを親身になって考えることができるようになったと思っています。クリニックでは肺がん治療に関わることは少ないですが、どんな病気の患者さんも常に誰かと関わりがあり、大切なご家族がいる、そういうことをすごく意識して接するようになりました。

どのような経緯で逗子を開業の地に選ばれたのですか?

僕が尊敬する先生が横浜市で呼吸器内科として開業されていて、その先生に開業の相談をしたら、逗子を勧められたんです。「逗子には呼吸器内科が少ないから、逗子地域の人たちは困っているんじゃないかな。」この一言で逗子に開業する決心をしました。この先生だけではなく、僕が呼吸器内科をめざすきっかけになった恩師は埼玉で開業されていて、呼吸器内科として鍛えていただいた先生は栃木で開業されています。いつかそんな先生たちのように地域で必要とされる医師になりたいと思っています。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

藤松孝旨院長 ふじまつ内科・呼吸器クリニック6

お子さんや、若い方、お仕事がお忙しい方などは、特に医療機関を敬遠されがちだと思うのですが、どんな症状でも気軽に相談していただいて、家族みんなのかかりつけ医のようなクリニックにしていきたいです。患者さんの中には「今は、別に病気じゃないけど、通りかかったから」と顔を出してくださる方もいらっしゃいます。そんなふうに、「クリニックだから」と構えすぎず、気軽に来てもらえるような場所でありたいと思っています。

Access