松川 祥 院長の独自取材記事
ショウデンタル竹ノ塚
(足立区/竹ノ塚駅)
最終更新日:2025/02/10

東武伊勢崎線・竹ノ塚駅駅より徒歩4分の距離にある「ショウデンタル竹ノ塚」。同クリニックは、歯科口腔外科を中心に多くの医療機関で経験を重ねてきた松川祥院長が満を持して2024年の5月に開院したばかり。まだ日は浅いながらも、大小さまざまな症例を抱えて訪れる患者に向き合う日々を送る。歯に対する健康意識を高めてもらいたいという思いを持つ松川院長に同クリニックでの診療について詳しく聞いた。
(取材日2024年12月12日)
各地を巡りながら研鑽を積み、竹の塚で開院
これまでの経歴についてお聞かせください。

2008年に東北大学の歯学部歯学科を卒業した後、東京医科歯科大学歯学部附属病院で研修勤務に入りました。その後は同大学大学院の医歯学総合研究科博士課程でさらに学びを深め修了して、2013年からは山梨県に出向で2年、再び東京医科歯科大学歯学部附属病院で1年、静岡県の焼津市、神奈川県の海老名市で各1年間出向と各地の病院で実務経験を積んできました。2018年から東京都に戻り、都内の歯科診療所で勤務していました。専門は口腔外科ですが、歯周病を学ぶため専門のコースにも1年間通っていました。病院での勤務はさまざまな症例にふれる機会が多く、現場でしか得られない経験や度胸のようなものを身につけられました。
開業に至るまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。
開業することは在学中から考えていました。というのも私の中で歯科医のイメージは「町の歯医者さん」なんですね。だから、自分もいずれそうなるんだろうなと思っていて、ずっと大学に残るというイメージはありませんでした。目標としては、40歳になるまでに開業したいと思っていたのですが、その頃に新型コロナウイルス感染症が流行してしまいました。当時は、人もあまり外出しなくなってしまいましたし、今は開業するタイミングではないなと思っているうちに40歳を過ぎてしまい、ようやく開業まで来たという感じです。竹の塚という町を選んだのは、巡り合わせです。私はもともと、宮城県仙台市出身で、特別この土地とつながりがあったわけではなかったのですが、都内で開業できる場所を探す中で、自分が求めるイメージに近かったので決めました。
院内の設備でこだわったところはどこでしょうか。

大きな特徴は、個室に近い形で診察ができるようになっているところです。歯科医院によってはユニットを並べてパーティションで分けているところや半個室になっているところもありますが、個人的に個室タイプのほうが好きですし、患者さんも人目を気にせずリラックスしやすいのではと思い、個室にしました。圧迫感を感じないようにできるだけ広めにしています。治療器具の滅菌にはクラスBのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を導入しています。クラスBというのは、真空状態で被滅菌物に蒸気を当てて滅菌するための方式ですが、これを使えば内部に空洞があるような器材もしっかりと滅菌できます。あとは歯面清掃にはエアフロー(ジェットクリーニング)を使っています。ペーストとブラシを用いて磨くよりも患者さんへの不快感が少ないのが特徴です。血圧などの不安を抱えている方には、血圧や脈拍を測りながら治療できる設備を整えています。
さまざまな症状に対応しながら予防歯科にも注力
訪れる患者さんの傾向などはありますか。

開院当初は高齢の方が多いという印象でしたが、最近は比較的若い方も増えています。訴えられる症状は、虫歯が気になるというものから、噛むと痛い、歯が揺れてきた、入れ歯が合わない、顎関節症などさまざまです。患者さんは比較的、予防歯科に対する意識が高い方が多いです。というのも一般的に、自覚できる症状がないまま定期的に検査されると、患者さんも「何のために来ているんだろう」と思われがちなのですね。それで途中から来院されなくなる方も過去に勤めていた病院にはいらっしゃいました。しかし、一見軽微な症状、例えば歯が揺れてきたといったことでも歯周病が進んでいる可能性があります。だから、「定期的に検査したほうがいいですよ、何ヵ月後に来てくださいね」とお話しするのです。こちらではきちんとまた来てくださる患者さんが多いように思います。
予防歯科の重要性についてどのようにお考えですか。
歯の本数と健康には相関関係があるといわれていて、高齢でも歯が多く残っている方ほど健康的であることが多いとされています。過去には「歯の本数が多く、噛み合わせが良いほど医療費が低い」という内容の論文が発表されたこともあります。実際に、歯科医院を受診される方で高齢なのに歯がたくさん残っている方は元気な印象です。年齢を知ったスタッフがその若々しさに驚いたといったこともありました。だから、歯を残すよう図る、噛み合わせを改善へと導くのは大切なことで、特に歯を残すためには定期的な検査が重要です。というのは、歯がなくなる原因は外的要因を除けば、ほぼ歯周病か虫歯で、特に歯周病は痛みなく進行しますので、発見には検査が役立ちます。体全体の健康を考える上でも歯科での定期検査はしていただきたいですね。
歯を残していくために大事なことは何でしょうか。

やはり、まず数ヵ月ごとなど定期的な通院をしていただきたいという気持ちはありますね。例えば、毎日ちゃんと歯を磨いていますと胸を張る方も、歯垢や歯石の残り具合を可視化するための染め出し検査を受けると、実は磨き残しがあるといったことも多いんです。歯磨きはしっかりしているからと歯科医院を受診しないでいると、いつの間にか歯周病が進んでいた、ということもあります。検査でわかれば普段のケアも指導できますので、ぜひ定期的に歯科医院へ足を運んでほしいですね。歯磨きをしていたら歯茎からちょっと血が出たといった、些細な変化に気づいた時が受診の目安です。お口の中のわずかな変化でも構いませんので、気軽に相談と検査にいらしてください。
些細な歯の悩みでもまずは駆け込める相談窓口に
どのようなクリニックをめざしていますか。

当院では歯科、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔外科の4つすべてに対応できるようにしています。私自身の専門としては口腔外科がメインですが、それ以外の診療科についても一通りは経験しているので、歯のことで悩む町の人たちが、まずは駆け込める相談窓口のようになればいいなと思っています。矯正に関しては専門の先生をお呼びして診察ができるようにしています。ここでできることはもちろんしますし、より専門性が求められる治療が必要だと判断した場合は、他の歯科医院を紹介することもします。そういったことも「町の歯医者さん」の役割だと思いますし、最終的に患者さんの利益にもつながると考えています。
さまざまな症例を診ることになるので大変だとは思いますが、リフレッシュはどうされていますか?
基本的にインドア派なのですが、山梨県で勤務していた頃は近所に温泉があったので、よく行っていました。だから今も、休みの日は温泉の代わりに銭湯に行くか、家でのんびりするかのどちらかですね。銭湯は家のお風呂とは違って、足を伸ばしてお湯に浸かれるのがいいですし、何よりリーズナブルなのがうれしいですね。スーパー銭湯もいろいろなお風呂が楽しめるので魅力的なのですが、銭湯ののんびりできる雰囲気がやっぱり好きですね。結局、家でも大きなお風呂でも、のんびりしているだけですね(笑)。
最後に読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

先ほども申しましたが、虫歯などがなくても歯周病は痛みがないままに進行していきます。厚生労働省の歯科疾患実態調査でも、40歳以上の約半数に歯周炎の症状が見られることが明らかになっています。歯周炎は炎症が歯を支える骨にまで進行している状態のことで、骨が減り歯周ポケットが深くなるため歯磨きでの掃除が難しくなります。この歯周炎やその前段階である歯肉炎の総称を歯周病と呼ぶんです。放置し、噛むと痛むまでに悪化してしまっていると骨がなくなってしまっていることもあり得ます。ですから、歯の健康維持のためには定期的な検査に来ていただきたいです。そのきっかけは歯磨きしていたら歯茎から血が出たといった些細なことで構いません。そのほかの症状に対しても幅広い角度からフォローできればと思っていますので、まずは気軽にご来院ください。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。