米川 正悟 院長、米川 裕子 副院長、渡邊 幹彦 先生の独自取材記事
東京城南整形外科
(目黒区/自由が丘駅)
最終更新日:2024/07/12

自由が丘駅から徒歩約9分。学園通り沿いに2024年5月オープンしたのが、「東京城南整形外科」だ。スタイリッシュな雰囲気の院内が印象的な同院。米川正悟院長は、これまで野球をはじめとするさまざまな競技に励む患者をサポートしてきたスポーツ整形外科を専門とする医師。やはりスポーツ整形外科が専門で正悟院長が師匠と仰ぐ渡邊幹彦先生と、妻で麻酔科が専門の米川裕子副院長と力を合わせ、地域の老若男女のスポーツ愛好家や一般的な整形外科疾患に悩む患者のけがや痛みを解決することをめざしている。そんな3人に、同院の特徴や抱負などを聞いた。
(取材日2024年6月21日)
地域のかかりつけの整形外科をめざし開院
最初にクリニックを紹介していただけますか?

【正悟院長】地域のかかりつけの整形外科クリニックになることをめざし、今年の5月に開院しました。私と渡邊先生はスポーツ整形外科が専門で、これまでも野球を中心にさまざまなスポーツに励む患者さんたちをサポートしてきました。その経験も生かしながらスポーツ整形外科の専門的な検査や治療、リハビリテーションが提供できるというのが、当院の特徴の一つです。また、これまで勤務医をしていた中で、骨が弱くて骨折してしまう高齢者をたくさん診てきましたので、精密な検査が望めるDEXA法の骨密度測定機も導入して、骨粗しょう症の治療にも力を入れていきたいと考えています。当院に来ていただければ検査や治療、リハビリテーションなど必要なことのほとんどが受けられて、当院内で完結できるようにすることをめざしています。
なぜ、この場所を選んだのですか?
【正悟院長】私は、目黒通りを挟んだ八雲で育ちました。地域の野球チームにずっと所属していたので、同じようにクラブチームや学校の部活などに励んでいる子どもたちの役に立ちたいというのが、そもそも医師を志した理由なんです。加えて、私と渡邊先生はこれまで、ここからそう遠くない奥沢にあった病院に勤務していました。その病院が、この3月に整形外科の診療を閉めてしまって、患者さんたちはどこに行けば良いのかという話がたくさんあったんです。その患者さんたちを当院で診ることができないかという2つの理由から、この場所を選びました。そういう意味では、自由が丘で開院したのは必然だったと思います。
開院するにあたってこだわったことはありますか?

【正悟院長】私が小学生や中学生で野球をしていた時は、どこかを痛めて病院に行っても、エックス線撮影をして電気治療器を当てておしまいみたいなことがほとんどで、すごく悩みました。そこで、当時はインターネットが普及していませんでしたから、本屋に行って自分で痛みの原因について勉強していたんです。今でも、同じような思いをしている子どもたちがたくさんいるのではないかと思って、クリニックであっても必要な検査やリハビリテーション、治療ができるような設備を備えることにこだわりました。加えて、リハビリテーション室も病院というよりはアメリカのトレーニングジムのようなイメージで、「みんなでリハビリテーションを頑張って競技に復帰するぞ」というような気持ちになるようなデザインを意識しました。逆に、1階の診察室や処置室は老若男女のいろいろな方が来ますから、落ち着けるようなイメージを心がけています。
スポーツ整形外科の経験を広く患者に還元したい
診療方針を教えてください。

【正悟院長】スポーツ整形外科が専門ですが、スポーツをしている人だけに来てほしいわけではありません。私たちが一番思っているのは、これまでスポーツ整形外科に特化して積んできた経験が、スポーツをしていない人たちにも還元できるのではないかということです。例えば、野球の投手は160キロの球を狙ったコースに投げる。それって、究極的な動作ができるから可能になります。そして、そのベースとなることは日常生活の動作にも通じます。つまり、究極の動作を知っていることで、日常生活での体の使い方の良くないところもわかって、アドバイスができるんです。スポーツをしている人はもちろんですが、そうでなくてもまだ歩きたい、肩が上がらないのをどうにかしたいという人を、スポーツ整形外科の知識を駆使して治していきたいと考えています。
スポーツに励む患者さんの診療についてはいかがでしょうか?
【渡邊先生】当院で手術はできませんが、それ以外の保存的治療はほとんどできますので、ファーストチョイスとして当院を利用してもらえればと思っています。私たちの感覚では、スポーツによるけがや障害の7〜8割は保存的治療で頑張れば回復がめざせます。加えて、運動療法では治療をしながら体の使い方やケアの仕方なども指導することで、次のけがを予防することも大切。結果的に痛みは治ったとしても、同時に根本的な原因は何なのかをリハビリテーションを通して伝えるのが、私たちの大切な役割だと考えていますし、それができるのが当院のリハビリテーションの特徴だと思います。
ペインクリニックがあるのも特徴ですね。

【裕子副院長】私の専門は麻酔科で、中でもペインクリニックに力を入れてきました。今回、当院で診療する一番のメリットは、体の痛みに対して内服薬やリハビリテーションなど整形外科的な治療と、神経ブロック注射などのペインクリニック的な治療の両方を、より適した方法や組み合わせて提供できることです。リハビリテーションで思うような改善が望めなければ、神経ブロック注射で痛みを減らすことをめざす。あるいは、リハビリテーションをしたいけど痛みが強くて動かせない時などに、先に神経ブロック注射で痛みの緩和を図ってから開始するなど、より良い結果がめざせると思います。もう一つは、頭痛を専門に診てきており、その経験を生かした頭痛の外来です。近年、片頭痛には新しいタイプの薬が出て、非常に高い効果が期待できます。当院にはMRIもありますので、検査も同時に可能です。
スポーツを楽しみ、続けていくサポートをしていきたい
診療の際に心がけていることはありますか?

【正悟院長】医療用語って難しいので、図なども使いながらできるだけわかりやすく説明すること。説明は、少しするだけでも患者さんは安心してくれますからね。でも、全部がわかって説明ができているわけではありません。画像上ではそうでもないけど、患者さんはすごく痛がっていることとかもあり得ますから。そういう時は、診察室で患者さんと一緒に悩みます(笑)。そうしながら、少しでも良い方向を患者さんと一緒に導き出せるよう心がけています。
【裕子副院長】患者さんの訴えをちゃんと聞いて、患部もしっかり触った上で、診断がこうだからこういう治療というように自動的に決めてしまうのではなく、患者さん一人ひとりに合わせた治療方法を提案して、選んでもらえるように心がけています。また、特に慢性的な痛みに悩んでいる人は気持ち的に落ち込んでいることもありますので、そういう面にも配慮することも大切にしています。
渡邊先生はいかがでしょうか?
【渡邊先生】いかに早く診断をつけて、早くに適切な治療を患者さんにしてあげるかということですね。適切な診断をして、適切な治療を行えば、結果が出てくるであろうという判断のもとにです。当院には、MRIや超音波診断装置もありますので、それらを駆使して早期に診断して、けがの程度を判定して、どんな治療にどれくらいの期間が必要なのかというのを本人なり、チームなりにフィードバックすることも心がけています。
最後に今後の展望をお願いします。

【裕子副院長】まず、整形外科とペインクリニックの良いところ取りをできるクリニックだということを、皆さんに知っていただきたいですね。そして、来院された患者さんの役に立ちたいと思っています。
【正悟院長】地域の人に、あそこに行って良かったから、また行こうって思ってもらえる。スポーツをしていて当時の私のように悩んでいる子どももたくさんいると思いますので、あそこに行ったら自分やお父さん、お母さんにもいろいろ説明をしてくれて、けがも治してもらえて、予防の方法も教えてくれる。そう思ってもらえるクリニックにしていきたいと考えています。若いこれからのアスリートが、スポーツを続けて、楽しんでいってほしい。その当院のスタッフみんなの願いを、体現できるように頑張っていきたいですね。