いつ、なぜメンテナンスが必要?
家族で取り組む予防歯科とは
太田ニカニカ歯科クリニック
(可児郡御嵩町/明智駅)
最終更新日:2024/10/04
- 保険診療
虫歯と歯周病を防ぐためには、予防歯科が大事。近年、予防歯科の重要性が広く知られるようになった一方、何歳から予防すべきか、歯科ではどんなメンテナンスをするのかなど、予防歯科に関する正しい情報はあまり広まっていない。予防歯科の必要性がわかれば、定期的に歯科に通う習慣が身につき、健康な口腔内を保てるだろう。「予防歯科は、歯の健康について正しい知識を身につける場所。親子で受けてほしい」と話すのは、「太田ニカニカ歯科クリニック」の太田匡信院長。40年の歴史あるクリニックを継承し、リニューアルを機に予防歯科専用の部屋やファミリー向けの設備を充実させた。家族全員の歯の健康を願う太田院長に、子どもと大人の予防歯科、親子で予防することの重要性について詳しく聞いた。
(取材日2024年9月12日)
目次
どの世代にも大切な予防歯科。歯科医師から親へ、親から子へ正しい知識を伝え、虫歯・歯周病の予防を
- Qなぜ予防歯科が必要なのでしょうか?
-
A
予防歯科の目的は、歯を失う原因である虫歯と歯周病を防ぐことです。予防歯科では、口腔内のチェック、歯磨き指導やブラッシング、歯石の除去、フッ素塗布などを行います。普段の歯磨きに加え、歯科での定期的なメンテナンスにより、虫歯や歯周病の原因となる細菌を増やさないようにコントロールを図るのです。子どもは虫歯をつくらないように、大人は虫歯と加齢により増加する歯周病にならないように定期的にメンテナンスをします。また、予防歯科は歯科医師や歯科衛生士から、正しい知識を学ぶ場でもあります。なぜ定期的に歯科に通うのか、どうして予防が必要なのかを理解できれば、歯科に通う習慣が身につくと思います。
- Q子どもはいつ頃から予防歯科に取り組めばよいのでしょうか?
-
A
子どもの場合、乳歯が生える生後6ヵ月頃から予防歯科に取り組むことをお勧めします。子どもの予防歯科ではフッ素塗布などによる虫歯予防に加え、舌の位置や歯並びのチェック、正しい食べ方や水の飲み方のアドバイスなども行います。また、一人で歯磨きをし始めたお子さんには、親御さんの仕上げ磨きがなくても歯磨きができているかどうかを確認し、正しい歯の磨き方を伝えます。子どもの予防歯科は、妊娠中から始めるのが理想です。まずはお母さんが健康な口腔状態を保つことが大事。さらに、出産前に予防歯科について学んでおくことで、お子さんの歯の健康を守ることにつながります。
- Q貴院で行っている「子どもの予防歯科」について教えてください。
-
A
歯科医師と歯科衛生士が協力し、歯磨きとフッ素の正しい知識を伝えることに力を入れています。フッ素配合の歯磨き粉があることは知られていますが、年齢によって適切なフッ素の量があることはあまり知られていません。フッ素配合の歯磨き粉を使用する場合、歯が生え始めてから2歳までは米粒程度、3歳から5歳までは5ミリ程度の量を使うことが、日本口腔衛生学会などにより推奨されています。このようなフッ素に関する知識を親御さんにお伝えすることで、ご自宅でのケアに生かしていただきたいのです。お子さんに対しては、動画を見せながら虫歯予防について説明したり、女性の歯科医師が担当し、緊張をほぐしたりしています。
- Q大人の定期検診の重要性は?
-
A
30代から歯周病になる方が増加します。また、女性ホルモンのバランスが乱れると、口腔内の細菌数が変化しやすくなるため、歯周病になりやすくなります。このように歯周病は加齢や体の変化により発生しやすくなりますが、定期検診で細菌の数のコントロールを図ることで、予防につなげられる可能性が高まるのです。大人の予防歯科では、虫歯と歯周病の予防に加え、やはり「正しい知識」を身につけていただくことが大事。例えば、親が使った食器や箸を介して、お子さんに虫歯の細菌が伝うことがある。だから、親の虫歯予防が子どもの虫歯予防にもつながる……。このような知識を持ち、家族全員で予防歯科に取り組んでいただきたいです。
- Q親子で予防歯科に通えるように工夫していることはありますか?
-
A
親子で同じ日の同じ時間に診察が受けられるよう、診察時間を考慮しています。親子で一緒に入れるファミリールームもあり、親御さんが治療中、お子さんは隣で動画を見たり、キッズルームで遊んだりして過ごすことができます。お子さんが待ち時間に退屈してしまうと、親御さんは落ち着いて診察を受けられないですし、お子さんにとって歯科が退屈な場所になってしまいます。定期的に歯科に通うのが習慣になるように、親子で通いやすい環境を整えることも重要です。おむつ交換台を設置したトイレもありますので、赤ちゃんと一緒でも安心して通っていただけると思います。