小林 武裕 院長の独自取材記事
こばやし矯正歯科
(名古屋市守山区/小幡駅)
最終更新日:2024/08/20
名古屋市守山区にある「こばやし矯正歯科」。名鉄瀬戸線の小幡駅と喜多山駅から徒歩5分、8台分の駐車場があり車でも通院しやすい。2024年5月に矯正歯科専門のクリニックとして開院して以来、患者からの相談のみならず、周辺の一般歯科からの紹介も多数受けている。院長の小林武裕先生は、これまで数多くの歯科医院で矯正を担当。誠実な対応と丁寧な治療をモットーに診療しているという。和歌山県出身の小林院長が、なぜ名古屋市守山区で開業したのか。その理由を聞き、院長の優しい人柄が伝わってきた。同院の矯正治療の特長や診療の際の心がけや開業の経緯などについて話を聞いた。
(取材日2024年6月6日)
費用・審美・成長に考慮した矯正治療を提供
どのような矯正法を提供されているのですか? 貴院の特長も教えてください。
表側と裏側のワイヤー矯正、マウスピース型装置を用いた矯正など、さまざまな方法で小児と成人の矯正を行っています。また、顔の変形や噛み合わせの不正が見られる「顎変形症」の矯正にも対応できるよう、口腔外科と連携を取りながら治療を行う予定です。最近はマウスピース型装置を用いた矯正のニーズが高まっているのですが、マウスピース型装置の着け外しに手間がかかったり、煩わしく感じることによって矯正を中断するケースもあります。当院では、途中でもマウスピース型装置を用いた矯正からワイヤー矯正に切り替えることが可能です。このように、さまざまな矯正方法に対応し途中からでもリカバリーできる点が、矯正歯科の強みであり当院の特長といえるのではないでしょうか。患者さんのご要望をお聞きしながら、ゴールまでしっかりとお付き合いしています。
さまざまな矯正に対応されているのですね。院内にはどのような設備があるのでしょうか?
口腔内3Dスキャナーや歯科用CT、セファロ(頭部エックス線規格写真)などの先進の機器をそろえています。これらの機器は、精度にこだわった診断・矯正をする上で欠かせません。当院の2階には、3Dプリンターでマウスピース型装置を作る歯科技工室を設けています。一般的にマウスピース型装置を用いた矯正は、スキャンしたデータを外部の会社に送りマウスピース型装置を作ってもらいますが、院内で作ることでコスト削減にもつながるのです。1階の技工室では従来の矯正装置を製作しており、2つの異なる技工室があることで、以前は難しかった歯の動きを実現可能にすることも望めるマウスピース型装置を用いた矯正など、幅広い選択肢を提供できるような設備にしました。すべての患者さんの装置を院内の歯科技工室で作っているわけではありませんが、院内技工で対応できる場合は実施し、患者さんの費用負担も抑えられたらと考えています。
院内の歯科技工室を活用する他に、矯正治療で重視されていることはありますか?
患者さんの歯並びや症例に応じて、最も適した矯正装置を選択することを重視しています。例えばですが、表側のワイヤー矯正は多くの症例に対応可能ですが、前歯が開いている場合などはマウスピース型装置を用いた矯正のほうが適しています。このように装置の選定は、それぞれの矯正方法の得意とする範囲を考慮して行います。将来的に矯正期間や仕上がりなど、患者さんにとって、最もメリットのある矯正計画を立てるように意識していますね。
誠実に正直に、矯正の必要性と時期を提案
お子さんの場合、いつ頃から矯正を始めるのが適切なのでしょうか?
最近は小児矯正を選ぶお子さんが増えていますので、「早く治療を受けたほうが良いのでは」と考える方も多いかもしれません。小児矯正には、乳歯と永久歯の両方が生えている時期に行う「一期治療」と、永久歯が生えそろってから行う「二期治療」があります。どちらも噛み合わせや歯並びなどを総合的に判断し、矯正の必要性や時期を見極めることが大切です。矯正のご相談をいただいても、「もう少し様子を見ましょう」とお答えすることもあります。様子を見ることを提案した場合、1年に1度は受診していただくようにお伝えし、定期的に経過をチェックします。矯正が必要になる時期を見極め、ベストなタイミングで矯正治療を提案することが、矯正歯科の重要な役割だと考えています。
誠実な姿勢で、「見極める」ことが大事なのですね。
はい。治療の必要性や時期の他に、原因を見極めることも大切です。例えば、受け口を矯正したいとご相談いただいた患者さんの場合、実は扁桃腺が腫れていて呼吸がしづらくなり、顎を前に出しているケースも考えられます。そういった場合、耳鼻咽喉科との連携が必要になることもあるのです。また、お子さんが日中にもかかわらず眠そうにしていたら、睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群になっているかもしれません。なぜ眠れていないのかを考える必要があります。矯正のご相談をいただいた段階から患者さんを観察し、「下唇を噛んでいるな」「爪を噛む癖があるな」などの気になる状態をチェックし、原因にアプローチすることを考えています。このような状態を放置したまま矯正をしても、元に戻ってしまうこともあるのです。
小林院長の誠実さが伝わってきます。開業前からそのようなお考えで診療されていたのですか?
以前から誠実な診療を心がけています。ある意味、頑固なのかもしれませんね。開業前はフリーランスで8つの歯科医院で矯正を担当していました。その時から、ワイヤー矯正やマウスピース型装置を用いた矯正など、患者さんそれぞれに合った最適な装置を誠実に提案し、治療することを心がけていました。もちろん患者さんの意見も尊重しつつ、矯正専門の歯科医師としての正直な見解を伝えることを大切にしています。特に、いつから矯正を行うべきかという問いには、将来を見据えた本音のアドバイスをしており、正直な意見を提供することは意識していますね。
患者と周囲の一般歯科から「頼りにされる」歯科に
開業を決意されたきっかけを教えてください。
正直なところは息子と娘がとても可愛くて、小さい頃の成長を見届けたいという思いがきっかけとなりました。私は和歌山県の出身で、開業前は妻の地元である名古屋市で生活しながら、大阪府や奈良県のクリニックで矯正に携わっていました。アパートを借りて1週間ほど泊まり込むこともありましたね。そんな生活をしていると、息子になかなか会うことができず、成長を見逃してしまうことが多くありました。子どもの成長を見守り、朝は「おはよう」と声をかけてあげたい。このような思いが、開業のきっかけになりました。
今後、どのようなクリニックにしていきたいですか?
患者さんだけではなく、周辺の歯科医院からも頼りにしてもらえるクリニックにしていきたいですね。名古屋市守山区には一般歯科は数多くあるのですが、矯正を専門にするクリニックは一つもありませんでした。これまでは、一般歯科の先生が矯正歯科を紹介する場合、守山区以外の遠方のクリニックを紹介することもあったそうです。当院が開業した際、「近くに矯正治療を任せられるクリニックができて良かった。肩の荷が下りた」と話す歯科医師の仲間もいました。これからも、患者さんと周辺の一般歯科に喜んでいただけて、頼られるクリニックをめざしていきたいと思います。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
当院は矯正歯科専門のクリニックであり、一般歯科のような虫歯の検査や治療は行っていません。矯正治療に特化しているため、先進の矯正技術と専門知識を生かし、患者さん一人ひとりに最適な治療計画を提供することに努めています。ただ、矯正中や矯正後も口腔内のケアは非常に重要であるため、当院での矯正治療の調整と合わせて、かかりつけの一般歯科で定期的な口腔内ケアをお願いしています。これにより、矯正治療期間中に虫歯になるリスクを減らし、衛生的な口腔状態を維持することが望めます。矯正に関するご質問には誠実にお答えし、信頼していただけるクリニックであることを心がけていますので、お気軽にご相談いただけるとうれしく思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはI期治療(小児矯正):49万5000円~、II期治療(成人矯正):表側矯正/88万円~、裏側矯正/110万円~、マウスピース型装置を用いた矯正:小児矯正/60万5000円~、成人矯正/104万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。