全国のドクター12,911人の想いを取材
クリニック・病院 158,234件の情報を掲載(2024年9月20日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市港北区
  4. 新横浜駅
  5. インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜
  6. 田淵 晃大 院長

田淵 晃大 院長の独自取材記事

インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜

(横浜市港北区/新横浜駅)

最終更新日:2024/06/14

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜 main

新幹線をはじめ複数路線が乗り入れる新横浜駅から徒歩3分の「インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜」。院長の田淵晃大(たぶち・あきひろ)先生が、どんな女性にも気軽に立ち寄ってほしいという思いから、便利な場所を選んで開業したクリニックだ。待合室はローズピンク、診察室はミモザイエローに彩られ、院内は全体的に優しい雰囲気。おなかの痛みなどで訪れた患者もリラックスして過ごせそうだ。特徴的なのは、消化器内科を専門とする田淵院長と婦人科の医師たちがタッグを組んでいるという点。さらには乳腺外科を専門とする医師も在籍し「女性の健康を総合的に見守る」ことを目標に各種検診にも力を入れている。意欲的に関わってきた子宮頸部内視鏡に関する先進的研究も含め、これまでの道のりから未来への思いまで詳しく話を聞いた。

(取材日2024年5月28日)

消化器内科と婦人科を標榜し女性の健康を多角的に守る

まず、クリニックの特色を教えてください。

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜1

当院は消化器内科、婦人科、乳腺外科を標榜し女性の健康を総合的に見守るクリニックです。まずは「おなかが痛い」といった身近な悩みで気軽に受診していただければと思っています。女性の腹痛は消化器疾患だけではなく婦人科疾患の可能性もあるのが難しいところです。そのため、クリニックをはしごしたり、総合病院で長い時間待ったりした経験がある方もいるかもしれません。一方、当院ならばワンストップで受診できるので、忙しい方も通いやすいのではないでしょうか。さらに、小さなおなかの悩みを大きな病気を予防するきっかけにしたいと切に願っています。そのため、乳がんのためのマンモグラフィ検査や乳腺エコー検査も含めて、女性に必要とされる消化器・婦人科・乳腺の検診を一通り院内で受けられるようにしたのもこだわった点です。

診療体制や設備面のこだわりをお聞かせください。

さまざまな専門を持つ医師がチーム医療で一人ひとりの患者さんに臨む体制を整えました。消化器内科は私が担当していますが、一般的には総合病院にしかないような高倍率で拡大できる内視鏡カメラを設置しています。一方、婦人科は3人の医師が交代で診療にあたるようにしました。婦人科は「絶対に女性医師がいい」「男性医師のほうが優しい気がする」など患者さんの好みが分かれるので、どちらにも対応できるようにしています。また、乳腺外科は大学病院の女性医師が週に1度、診察する日を設けました。スタッフには診療放射線技師もいるので、マンモグラフィの撮影は平日・土曜いつでも可能です。

現在はどのような患者さんが多いのでしょうか。

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜2

お昼休みも診療していることもあり、周辺のオフィス街で働く方が比較的多いですね。会社を休むほどではないものの、おなかの痛みや出血があるといった相談が多く見受けられます。忙しい毎日の中で、つい自分のことがおろそかになりがちな方々がフラッと立ち寄ってみようかなと思える場所になれているならうれしいですね。20代から40代が目立っていますが、10代から80代まで患者層は幅広いです。生理に関しては10代からの相談もあります。若い方にとっても、婦人科以外も掲げている当院ならばドアを開けやすいのではないでしょうか。

自らも経験があるおなかのつらい悩みに親身に対応

次に、医師をめざした理由やご経歴を伺えますか?

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜3

子どもの頃からおなかが痛くなりやすく、ひどいときは電車に長く乗れずに通学の途中で週に2〜3回は下車するようなこともありました。そんな体質だったこともあり、ずっとおなかに興味を持っていて奥までのぞいてみたい気持ちがあったんです。昭和大学卒業後は同大学藤が丘病院に入職し、いくつかの関連病院に出向。当直で鼻血から交通事故まで幅広く経験する一方、専門とする消化器内科の業務では胃カメラや大腸カメラをはじめとした高度な内視鏡検査・治療の研鑚を積みました。肝臓・胆嚢・膵臓を精査するERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、小さな胃がんを切除するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)に至るまで、内視鏡に一通りのスキルを身につけたと自負しています。さらに技術を磨くため、胃カメラを活用して子宮頸がんの検査を行う先進的な研究をしている香川大学の先生に教えていただいたことが、開業に踏み切るきっかけとなりました。

なぜ、開業しようと思うようになったのでしょうか。

最初は「胃カメラならば子宮頸部もよく見えるはずだ」という技術的な興味から始めた勉強でしたが、次第に子宮頸がんを取り巻く深刻な状況にも目が向くようになったんです。特に同世代である30代女性のデータを中心に調べたところ、子宮頸がんで年間約3000人が亡くなり、およそ4%もの人が子宮頸部の部分切除を受けていると知りました。それなのに、ワクチン接種率は上がらず、検診を気軽に受けられる環境も整っていません。だからこそ、今やポピュラーになった胃カメラや大腸カメラのついでに子宮頸がんの検診も受けられるクリニックをつくれば、受診のハードルを下げられるのではないかと考えるようになりました。最終的に背中を押したのは、親族が子宮の病気で小さな子を残して他界したことです。

診療で大切にしていることは何ですか?

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜4

子宮頸がんの患者層で最も多い30代は、病気がライフプランに最も影響を及ぼす世代です。同世代でもあるので他人事ではありません。だからこそ、どうにか予防したいという強い思いを持って日々診療にあたっています。そのためにも連携が欠かせない婦人科は、消化器内科とはかなり文化が異なります。例えば、消化器内科では受付で「腹痛ですか? 下痢ですか? 出血ですか?」とストレートに質問することもあるのですが、婦人科ではあり得ません。婦人科の文化を尊重して、患者さんにデリケートに接するように心がけていますね。繊細かつ丁寧に患者さんの話を聞き、たとえ訴えが下痢だったとしても、背景におなかの痛みはないのか突き止めるのも大事にしています。その腹痛こそ、見逃してはいけない病気のシグナルということも少なくないんですよ。

先進治療に関する研究をかかりつけ医として地域に還元

今後の展望についてお聞かせください。

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜5

胃カメラが普及し始めた40年ほど前は、吐血した患者さんに胃潰瘍やわずか1cmのがんを発見しただけでも、すぐに外科で胃を切っていました。その後、検診の積み重ねで技術も進化して、現在では小さながんも含めて胃の病気の多くが開腹することなく内視鏡で治療が行えます。香川大学で行われている研究は、子宮頸がんに関しても胃カメラを用いて同じようなことができるのではないかというものなんですね。内診台に座って足を開くのに抵抗がある人も多いかもしれませんが、ベッドで横向きに寝て受けられる検査であれば検診率を上げることにもつながると思っています。他の先進国の流れに反し、子宮頸がん患者が増加し続けている日本の現状を変えるためにも、今後ともこのテーマを追求していきたいです。

お忙しい毎日ですが休日はどうお過ごしですか?

いつも家族と過ごしています。特に5歳になる息子は家に私がいると、どこかへ連れて行ってもらえるものだと信じ切っているんですよ。近くの公園を3つか4つはしごしたり、車で大きな公園に行ったりすることもあります。スーパーなどの商業施設に連れていってほしいとリクエストされることもありますね。実は彼は今、トイレ、エレベーター、信号機といった構造物に強い興味を持っているんです。館内のすべてのエレベーター、トイレの個室を全部チェックして比較しないと気が済まないのですが、私も「もう帰ろう」とは言わず、彼の研究にとことん付き合うようにしています。普段は子育てを一人で頑張ってくれている妻を、週末くらいは自由にさせてあげたいですしね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

田淵晃大院長 インナービュー内視鏡レディースクリニック新横浜6

あなたの大事な「時間」を守るお手伝いをさせてください。一つは日々の暮らしの中の時間。仕事や家事で忙しく、自分のことには限られた時間しか使えない方も受診しやすいよう予約制にしています。院内処方で受け取ることができる薬も何種類か用意しているのでご相談ください。さらに、ご自身の将来の時間も大切にしてほしいと思っています。子どもと過ごせたはずのかけがえのない時間を病気で奪われた親族を見ているからこそ、そういった人を一人でもなくしたいです。女性に必要な検診を一日で済ませることもできるようにしました。将来の家族との時間を失わないためにも、ぜひご活用ください。

Access