循環器内科のかかり方
専門家の治療を受けるメリットとは
よこいクリニック
(大阪市旭区/千林大宮駅)
最終更新日:2024/11/14


- 保険診療
循環器内科とは、そもそもどんな診察内容なのかわからないという人も多いのではないだろうか。循環器内科は、心臓の病気はもちろん、静脈・動脈の血管の病気を対象としている診療科。重大な疾患でなければ関係のない診療科というイメージがあるが、対応する症状は息切れや胸の痛み、めまい、動悸、むくみなど身近なものが多く、生活習慣病の診察や治療も行っている。「よこいクリニック」の院長で、日本循環器学会循環器専門医でもある横井満先生は、長く大学病院で循環器内科の診療・治療に携わり、現在は適切なコントロールで循環器疾患の予防と早期発見、再発防止などに注力している。今回、横井院長に、循環器専門医がいるクリニックで治療をするメリットや、工夫している治療などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年6月10日)
目次
循環器専門医が適切なタイミングで適切な治療を提供。「いつもと違う」を感じたら一度受診を
- Q循環器専門医がいるクリニックで治療を受けるメリットとは?
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A
▲大学病院で循環器内科の診療・治療に携わってきた横井院長
当院の診療科目の一つである循環器内科とは、全身に血液を巡らせる心臓や血管の病気を専門的に診る科です。狭心症や心筋梗塞、心不全、心臓弁膜症をはじめとする心臓の病気や、動脈瘤などの血管の病気に幅広く対応します。そうした循環器疾患を専門に研鑽した循環器専門医のもとで治療を受けるメリットは、日々の状況を管理し、適切な治療のタイミングを見極められること。心臓の病気というのは少しずつ悪くなっていきますが、大学病院に紹介する場合、タイミングが早ければ手術は不要となる場合がありますし、逆に遅すぎると「もっと早く紹介してくれたら」ということになるので、タイミングの見極めは非常に重要なポイントとなるのです。
- Qこちらのクリニックではどのような検査を行うのですか?
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A
▲患者の状態を確認し、必要な検査を見極める
循環器疾患の症状は、胸の痛みや動悸、息苦しさ、圧迫感、めまい、むくみなど多岐にわたります。例えば、階段をいつもはスタスタと上がれるけれども、今日は冷汗がダラダラ出たなど、普段とは違う症状があれば一度受診したほうがいいでしょう。当院に初診で来られた患者さんは、心電図や血液検査、血圧測定、エックス線検査など一通り行いますが、検査前に、どういう状況でその症状が出るのか、悪化するのか、服薬状況や既往歴、家族の病歴などしっかり確認します。その内容からある程度疑いのある疾患の見当をつけ、どの検査を優先的に行うか判断します。必要な検査を見極められるのも、循環器専門医だからできることだと思っています。
- Qこちらでは長時間ホルター心電図を使用していると聞きました。
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A
▲循環器専門医のもとで治療を受けられる「よこいクリニック」
例えば「動悸がする」という場合には、1週間心電図を記録する長時間ホルター心電図検査を行います。これによって不整脈や狭心症の有無や、発作時にどのような心電図になっているかがわかります。24時間装着する心電図検査は、発作が1日に何回もある場合は有用ですが、24時間以内では異常を確認できないケースも結構多いんです。なので当院では、普段どおりの生活を送りながら最長1週間計測できるホルター心電図を採用しました。また、24時間心電図ですと2日連続して通院しなければならずなかなかハードですが、1週間タイプであれば、次の受診は7日後になるため、患者さんの負担や、日常生活への支障も少ないのではないかと思います。
- Q受診の目安となる症状に、「むくみ」も含まれていますね。
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A
▲病気について詳しく説明し、病気との付き合い方を話している
むくみとは、何らかの原因で皮膚や皮膚の下に水分がたまった状態をいいます。足の甲を指で押して、指の跡がついたまま戻らないときはむくみの症状が出ています。日常でよく見られる症状ですが、「足がだるい、重い」「靴が履けなくなった」とお悩みの方は多いですね。むくみの原因として考えられるのは、心不全で全身の水分が心臓によって処理できなくなっている場合や、腎不全や甲状腺機能低下が関係していて心臓の周りに水がたまっている場合など。いずれも心臓、腎臓、肝臓、甲状腺などの病気のサインである可能性があり、放置すると危険です。当院では、全身の血管や血流の検査を行い、原因をしっかり調べて治療につなげています。
- Qこちらで行う治療の特徴を教えてください。
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A
▲患者の年齢や疾患、既往歴によって管理目標値を設定する
血圧や血糖、コレステロールの値は低ければいいイメージがありますが、年齢や疾患、既往歴により、管理目標値が異なることはあまり知られていません。例えば、心筋梗塞を1回起こした人と、健康な人とでは管理目標値が違うんです。高齢者には糖尿の強い薬を与えると、副作用が出ることもありますし、血圧も下げすぎるとフラフラしてしまいます。当院では患者さんごとの目標値を立て薬の量をコントロールし、薬の飲みやすさにも配慮しています。「これは朝1回、これは朝晩、これは週に1回……」と、服用の仕方がバラバラでは複雑で管理しきれません。薬の飲み忘れは病気が悪化するリスクにもなるので、管理しやすい薬の処方を心がけています。