西村 公志 院長の独自取材記事
藤原台にしむらクリニック
(神戸市北区/岡場駅)
最終更新日:2025/08/12

神戸市北区、阪急バスの藤原台中町4丁目停留所のすぐそばにある「藤原台にしむらクリニック」。長年にわたり関西圏の病院で消化器外科医として研鑽を積んだ西村公志(にしむら・こうじ)院長が、地域に根差した医療を提供している。専門とする腹部の症状はもちろんだが、内科・外科・肛門外科・乳腺外科と幅広い診療を展開。地域住民の健康を支えるかかりつけ医としての役割を担う。現在は訪問診療の準備も進めており、ターミナルケアを中心とした在宅医療にも取り組む予定だ。「とにかくどんな些細なことでも相談してもらえるような、アットホームな場所でありたい」とほほ笑む西村院長に、消化器外科での経験や医療にかける思いなど詳しく話を聞いた。
(取材日2025年7月8日)
消化器外科の医師としての歩みと開業への想い
消化器外科での経験を通じて学ばれたことを教えてください。

私は長年、消化器外科の医師として主にがんの患者さんの診療に携わってきました。がん治療にはさまざまなケースがあり、手術を行っても再発のリスクが残るケースもあります。特に印象に残っているのはおなかの中での感染症や合併症への対応です。腸閉塞などの合併症が起こった場合、いかに早くリカバリーして、患者さんに元気になって帰っていただくかが重要になります。そうした経験を通じて学んだのは、患者さん本人だけでなく、ご家族に対しても真摯に説明する姿勢の大切さです。良い結果ばかりではない医療の現実の中で、常に患者さんとご家族に寄り添い、丁寧にお話しすることを心がけてきました。この経験が、現在のクリニックでの診療においても私の基本姿勢となっています。
開業の経緯と藤原台で開業した理由をお聞かせください。
開業までは、関西圏の病院で消化器外科の医師として働いてきました。開業を決意したきっかけは、お世話になった上司が退職されるタイミングでした。自分自身も50代になり、地域の人々に寄り添って、しっかり向き合いながら、治療がしたいという思いが強くなっていたのです。その矢先、もともと内科クリニックが診療していたというこの場所を紹介され、実際に見学した時「ここだ」と思いましたね。通勤で通る場所だったので土地感もありましたし、静かな住宅街で、隣に薬局があることが決め手となりました。地域の皆さんに愛されるクリニックをつくりたいと思い、この場所での開業を決めました。
どのような患者さんが来院されていますか?

患者さんの層は子どもから大人まで幅広いのですが、特に40~60代前後の方が多くて、お仕事の合間に来院される方も少なくありません。診療内容は、生活習慣病の管理、健診、ワクチン接種のご相談、風邪症状、けがや虫刺され、やけどなど幅広く対応しています。特に肛門外科や乳腺外科のご相談では、遠方からわざわざ通っていただく方もいらっしゃいます。年齢層が幅広く、男女比では、女性のほうがやや多い印象です。働き盛りの世代の方々は、つい自分のことを後回しにしがちですが、早めの受診で、予防や早期発見につなげていただければと思います。
消化器外科の専門性を生かした診療内容
肛門外科では、どのような診療をされていますか?

肛門外科を受診される方は、30代から60代の男性が多く、筋トレや荷物の運搬など腹圧がかかることで痔の症状が出て来院される方もおられます。市販薬で対処してきた方や、相談するのが気恥ずかしいという方もいらっしゃるので、診察の際は患者さんの心理的負担を和らげるよう、診察をしながら気が紛れるような話をするなど配慮しています。脱腸については、自覚症状がないのが特徴です。入浴時などに、太ももの付け根などにやわらかいコブのような突起物が出てきて初めて気づきます。じわじわと大きくなり、痛みや違和感が出てから来院される方が多いですね。診断では、突起物が戻りやすいかどうか。また、どれくらい突起物が出ているのかを見て、手術適用かを判断しています。患者さんは無症状なので、認識していただくのは難しいですが、放置すると完治できないため、症状や経過について納得してもらえるよう丁寧に説明しています。
新たに訪問診療を始められるそうですね。
訪問診療は、もともと消化器外科でがん末期のターミナルケアに携わっていた経験を生かしたいと考えて始める予定です。最近は病院ではなく在宅での看取りを希望される方も増えており、厚生労働省も在宅医療を推進している背景があります。私がめざすのは、緩和ケアを中心とした看取りの医療です。がん末期の患者さんの痛みを取り除くことに努め、ご家族と一緒に最期まで寄り添いながら麻薬の使用も含めた適切な緩和ケアを提供したいと考えています。現在、曜日や時間帯を決めて訪問する体制づくりを進めており、訪問看護ステーションや済生会兵庫県病院などとの連携を準備中です。通院しにくくなってきた方々へのケアも含めて、地域医療により一層貢献していきたいと思います。
普段の診察で意識されていることは?

診療で最も大切にしているのは、話しやすい雰囲気づくりです。患者さんにとって医療機関は緊張する場所だと思うので、病気の話だけではなく、患者さんの興味のあることなど、背景を知るためにも話を聞くようにしています。例えばゴルフや車の話、この辺りで畑や家庭菜園などされている方なら農作業の話など。患者さんに合わせてお話を聞くことでリラックスしていただけると思います。また、相手の目を見て話を聞くことを心がけています。パソコンを見ながら話を聞くのは好きではないので、できるだけ患者さんと向き合うようにしています。患者さんが再診で来てくださると、かかりつけ医として心を開いてもらえているように感じます。
患者に寄り添う医療の実践
スタッフとの連携で心がけていることは?

受付はクリニックの顔だと思っています。来院された方への対応や電話応対などクリニックに入ってきやすい雰囲気づくりを大切にしています。入り口に段差があるので「気をつけてくださいね」と一声かけるなど、目配り・気配りができるスタッフに恵まれているんです。それが会話の糸口になることもあります。スタッフには、患者さんとのコミュニケーションから信頼関係づくりを大切にしてもらいたいと伝えています。スタッフ同士の雰囲気も良く、開業当初から勤めてくれている方がほとんどですね。スタッフがずっといたいと思うクリニックが、結果的に患者さんが通いたくなるクリニックだと考えています。一緒に働くスタッフの力があってこそ、理想的な医療が実現できるのです。
今後はどのようなクリニックをめざしたいですか?
クリニックでは生活習慣病の改善指導に力を入れ、新たに始める訪問診療では地域のターミナルケアの部分に貢献していきたいと考えています。医師は1人で働いているようで、実は常にチームで働いています。一緒に働いてくれる人や当クリニックを選んで来てくださる方の気持ちを大切にできる場所にしたいという想いは、開業時から変わっていません。診療ではまず、患者さんに病気の説明をしっかり行い、できることは何か、どんな治療をするのか、メリット・デメリットを含めてご提案し、理解してもらえるよう努めています。当クリニックがめざすのは、患者さんやご家族の暮らしをしっかりサポートし、信頼していただけるアットホームなクリニックです。患者さんやご家族も含めた大きなチームとしての意識を持ち、信頼関係の構築を最も重要視しています。
最後に地域の方々へのメッセージをお願いします。

地域の皆さまと末永いお付き合いをしたいと思っています。日々の体調不良やけがはもちろん、生活習慣病の管理など、なんでも気軽に相談していただけるとうれしいです。予防接種や健康診断にも力を入れており、地域の医療面でのサポートをしていきたいと考えています。特に働き盛りの世代の方々は、つい自分のことを後回しにしがちですが、早めの受診や定期的な健康チェックが大切です。ちょっとしたお悩みでも遠慮なくご相談ください。これからも地域のニーズに合わせて、皆さんの健康維持に役立てていければと思います。