中田 智之 院長の独自取材記事
なかた内科・胃腸内科クリニック
(京都市伏見区/六地蔵駅)
最終更新日:2024/09/12

JR奈良線、京都市営地下鉄東西線、京阪宇治線それぞれの六地蔵駅から、歩いて5~8分の所にある商業施設。その1階に入っているのが、「なかた内科・胃腸内科クリニック」だ。日本消化器病学会消化器病専門医としてさまざまな病院で働いていく中で、地域に根差した身近なかかりつけ医になりたいと考えるようになったという中田智之(さとし)院長。一般的な内科の患者はもちろん、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を持つ患者にも定期検査を行い、がんなどの病気の早期発見をめざしているという。新しくオープンしたばかりのきれいなクリニックの診察室で、医師を志した経緯や意気込みについて聞いた。
(取材日2024年5月22日)
2024年5月開業。地域に根差したクリニックへ
最近開業されたばかりだと伺いました。

はい、当クリニックは2024年5月に開院したクリニックです。一般的な内科から生活習慣病、胃や腸などの消化器に関する問題まで、若い方から高齢の方まで幅広くご来院いただけたらと考えています。そのため院内はピンクやオレンジなど温かみのある配色の内装とし、患者さんに少しでもリラックスしていただけるようこだわりました。入り口は通常のものに加えてもう1ヵ所設け、感染症の対策にも留意しています。また、オープンに際してはスタッフ間で「私たちの雰囲気は患者さんにも伝わる。明るく患者さんに接しよう」と話し合いました。アットホームな雰囲気を大切にしていますので、患者さんには構えることなく気軽にご来院いただきたいと考えています。
クリニックの特徴である内視鏡検査について教えてください。
私は開業するまで、京都・大阪の病院で消化器病専門の医師として勤めておりました。そのため、特に内視鏡の検査・処置で患者さんに貢献していきたいと考えています。開業にあたり、大腸カメラは大学病院で使われているものと同程度の精度の機器を導入しました。これはAIによる病変検出サポートができるもので、クリニック単位で導入しているところは少ないと聞いています。検査の際、ポリープなどの病変の発見にはまだまだ人間の目が重要なので、ダブルチェックの意味も兼ねて補助的にAIの技術を活用することで、病変の早期発見や見落としの減少につながればと考えています。
他にも開業に際し、導入したことはありますか?

受診の予約方法については、SNSとウェブを用意しています。SNSは当初、高齢の方には少し使いにくいのではないかと考えたのですが、最近は日常的に使われている方も多いようで、今のところは思ったよりも活用していただいている印象です。クリニックが開いていない時間帯でも気軽にお手元のスマートフォンから予約ができますので、ぜひご利用いただきたいですね。もちろん、予約なしで直接ご来院いただくことも可能です。また、オンライン診療も導入していく予定です。専用のアプリに登録していただき、カメラで顔を見ながら私とやりとりしていただく形です。どの時間帯でも対応できるというわけではないのですが、慣れたら便利だろうなと考えています。
「体の基本は胃腸だ」と語る父の背中を見て医師を志す
子どもの頃から医師を志しておられたのでしょうか?

私は学生時代はそんなに勉強が好きではなく、どちらかというと運動ばかりしていたタイプです。大人数で集まってワイワイと過ごすのが好きで、高校までは空手と柔道、大学に入ってからはサッカーをしてきました。医師は体力勝負でもありますので、運動をしてきたことは役立ったなと思います。そんな私が医師を志すきっかけとなったのは、父の存在です。父は今でも、現役の医師として第一線で診療を続けています。高校生の頃、父がいろいろな方に頼っていただいている姿を見た時に、ふと「こうやって人の役に立つことができるのは、すごいことだな」と感じました。私が医師になった時や開業した時など、節目節目で改めて偉大さを感じますね。
数ある中で、消化器内科を専門とされた理由を教えてください。
父の「体の基本は胃腸だ」という言葉を、子どもの頃から聞いてきました。また私自身も食事を楽しむことや、食事の大切さを感じた経験があります。具体的には、私は大学受験や医師国家試験の前は、一日の大半を勉強に費やしていました。精神的にも肉体的にもつらい状況の中、当時の私の唯一の楽しみは食事でした。そして、人がおいしく、楽しんで食べるためには、胃腸が健康でいなければいけないのだと、その時とても感じました。そしてもう1つの理由は、病気の治療に関われることに魅力を感じたからです。胃がんや大腸がんなどは、早期発見・早期治療ができれば改善が見込める病気でもあります。高血圧症など、病気によっては「長く付き合っていく」ことに重きを置くものもあります。しかし胃がんなどは早期発見であれば、内視鏡による治療が可能な場合もあります。私はその、「治療に関わることができる」点に魅力を感じて、消化器内科を専門にしました。
この地域で開業された理由についても伺います。

私は京都で生まれ育ちました。山科の病院で勤務していた経験もあり、開業するなら京都がいいという思いは、かねてより持っていました。伏見区・宇治市どちらからもアクセスの良いこの地域で開業することになったのはたまたまご縁があった形ですが、緑も多く、若い方から高齢の方まで幅広い年齢層の方が住んでおられる、良い街だなと感じています。当クリニックは、商業施設の中にありますので、ぜひいろいろな年代の方に来ていただきたいですね。先ほども申したように胃がんや大腸がんは、早期発見・早期治療ができれば改善も見込める病気です。しかしそれは裏返していえば、発見が遅れると年齢に関わらず、命に関わる病気だということです。ですので不調を感じたら、気軽にぜひご来院いただきたいという気持ちを強く持っています。
地域の人に寄り添うかかりつけ医となりたい
早期発見・早期治療のためには検査が重要と考えておられるのですね。

そうですね。とはいえ「内視鏡検査は苦しい、怖い」というイメージを持っておられる方も多く、積極的に受けたいという方はあまりおられないでしょう。私自身も正直、自分が検査を受けるのはあまり好きではありません。ですが、やはり患者さんに検査が必要だと判断しお伝えして受け入れてもらえるか否か、鍵となるのは双方の信頼関係であると私は考えます。例えば何か商品の購入や契約をする際には、その相手が信頼できるかどうかを考えると思います。同じように「この医師が言うのであれば、検査を受けておこうかな」と思ってもらえるよう、日々の診察の中で患者さんと良い関係性を築くことを大切にしたいと考えています。そのためにも、いつも初心を忘れず、丁寧に患者さんに接したいと思っています。
今後の目標について教えてください。
まだ開院したばかりですので、まずは多くの方にクリニックを知っていただくことが目標です。クリニック自体は商業施設内にあるのですが、実はクリニックの入り口は外にあります。中にはモール内から入り口を探しても見つからず、少し戸惑われる方もおられるようです。そして今後は、クリニックの周知と胃がん・大腸がんがどのような病気かを知っていただくことを兼ねた、ミニセミナーなども企画しています。このような積み重ねで将来的には、多くの方に地域のかかりつけ医として認知していただきたいです。患者さんの病気の早期発見・早期治療に貢献し「このクリニックに来て良かったな」と感じていただける方を1人でも増やしたいですね。
読者へメッセージをお願いします。

お仕事やご家庭のことなど、ストレスから胃腸の不調を感じる方は多くおられますし、その中には検査をしても不調の原因がわからず、つらい状態が続く方もいらっしゃいます。長期休みを取って旅行に行くような気分転換を、皆さんが気軽にできればいいのですが、実際にはなかなか難しいでしょう。不調の対処には、服薬や食生活の改善、ストレスの原因となる環境を変えることなどが大切だといわれています。しかし私は、それに加えてストレスの原因に対する、自分自身の考え方や心構えを変化させることも大切だと考えています。私はそういった気づきやきっかけになれるよう、できるだけ患者さんのお話を聞いて、どうしたらいいのかを一緒に考えていけるような関係を築いていきたいと思っています。ぜひ頼っていただきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは鎮静胃カメラ+大腸カメラ:3万7000円/鎮静胃カメラ:1万5000円/鎮静大腸カメラ:2万5000円