舛田 一樹 院長の独自取材記事
さつきクリニック立川院
(立川市/立川駅)
最終更新日:2024/06/07

2024年4月、立川駅北口ほど近くに開院した、泌尿器科、内科、在宅医療を専門とする「さつきクリニック立川院」。多摩地区出身で、長年、大学病院で泌尿器科医として研鑽を積んだ舛田一樹先生が、「気軽に来院できる街のクリニックで、専門性の高い診療を提供したい」との思いで立ち上げた医院だ。同院が基本理念に掲げるのは「謙虚、真摯、思いやり」。「病気のときは、誰もが不安やつらい気持ちがあるはず。そんな患者さんの気持ちを考え、寄り添って行動したい」と話す舛田院長に、クリニックの特徴や診療方針を聞いた。クールなたたずまいの中に医療への熱い思いを秘める舛田院長。今後地域のかかりつけ医として多くの人に親しまれていくだろう。
(取材日2024年5月17日)
大学病院と同等の専門性高い診療を気軽に受けられる場
2024年4月にオープンされたばかりですね。開院の経緯をお聞かせいただけますか?

私は10年以上にわたり大学病院で泌尿器科医として経験を積み、外来では初診から救急対応、手術まですべて経験しています。大学院では排尿の研究で博士号を取得しました。また泌尿器科診療の専門家として、内視鏡手術からロボット支援手術、大学医局長、学生の教育授業まで幅広く注力してきました。これまで培ってきた知識と経験を生かして、専門性の高い診療を気軽に受けられる街のクリニックをつくり、地域の皆さんの健康を支えたい。そんな思いで当院を立ち上げました。
こちらはどのようなクリニックなのでしょうか?
頻尿や血尿などの排尿のトラブルを主に扱う泌尿器科の外来、発熱などの急性疾患から生活習慣病といった慢性疾患まで診る内科の外来、そして通院できない方に対してご自宅や施設へ伺って診療する訪問診療を行っています。もともと国分寺に系列のさつきクリニック国分寺院があるのですが、そちらは訪問診療を主に行っており、在宅で連携して診る場合もあります。ちなみに当院の外来はウェブ予約していただくとスムーズですが、病気というのは突然起こることもあるので、いつでも受診できるよう予約なしでも大丈夫です。
どんな症状で来院する方が多いですか?

頻尿や血尿、残尿感、排尿時痛といった排尿のトラブルで受診される方が多いですが、膀胱がんや腎がん、前立腺がんなどのスクリーニング検査や術後の再発フォローで通院されている方もいます。また、尿路結石や性感染症、健康診断の結果で泌尿器科のトラブルを指摘されて精密検査目的で受診される方もいます。
「謙虚、真摯、思いやり」で、患者の不安に寄り添う
地域のかかりつけ医として幅広く対応されていますが、中でも強みとする診療は何ですか?

専門は泌尿器科ですが、当院では訪問診療に対応しております。在宅医療で、医療的な処置の中で一番多いケースといわれているのが、膀胱などに留置された尿路カテーテル管理を必要とする患者さんです。当院には泌尿器科を専門とするドクターがそろっていること、またさつきクリニック国分寺院と連携して、いろいろな科のドクターと相談できるのが、強みと言えるのではないでしょうか。また、頻尿などの排尿トラブルは、実は糖尿病や睡眠時無呼吸症候群といった内科の疾患が背景に隠れており、それが原因となっている場合が多いんです。当院では、泌尿器科疾患だけでなく、内科的疾患も診て、患者さんの健康をトータルで考えることを重視しています。
泌尿器科疾患は相談しにくいと感じる人も多いですよね。受診のハードルを下げるために工夫していることは?
工夫といえるかどうかわかりませんが、駅から近く、1階にあって、バリアフリー環境を整えている点は、どなたにとっても通いやすいと感じていただけるのではないかと思います。そして、当院のコンセプトは「大学病院と同等の専門性高い診療を、気軽に受けられる街のクリニック」なので、大学病院と同等の医療の質と、患者さんの動線も考慮して、待合室から診察室まで院内を1周ぐるりと回れるような造りにしており、検査後すぐにお呼びできるよう中待合も設けました。感染予防のために出入口を2ヵ所用意するほか、院内の各所に仕切れるカーテンを設置し、動線を仕切れるようにもしています。
内装のほかには何かありますか?
女性の患者さんが女性医師に診てもらいたいというニーズにお応えするため、非常勤ではありますが、女性のドクターが診療を担当しています。泌尿器科だけではなく内科疾患も診ますので、泌尿器科という受診をためらいがちな方にとっては入りやすさにつながっているかもしれませんね。
クリニックとしてどのような理念をお持ちでしょうか?

「謙虚、真摯、思いやり」を基本理念として掲げています。大きな病院や医師に対して「怖くて話しにくい」「横柄に感じる」「説明がわかりにくい」といったイメージをお持ちの方は少なくないと思うんです。私自身、大学病院にいた頃は、この思いを常に念頭に置いて、おごることのないよう、診療を心がけていました。病気のときは、誰もが不安な気持ちやつらい気持ちがあるはずです。そのような状況である患者さんの気持ちを考え、寄り添って行動するために、われわれスタッフ一同はこの基本理念を実践したいと考えています。
何でも相談できる街のかかりつけ医をめざして
検査機器の充実ぶりにも驚きました。

大学病院とほぼ同じ精度の機器をそろえました。中には当院のほうが新しい物もあります。尿の検査や採血は大学病院だと結果が出るのに時間がかかることが多いですが、当院では数分で結果が出ます。その他、エックス線検査や超音波検査、膀胱鏡検査の結果や、他院からの資料や画像データなど、患者さんに関するデータはすべて診察室にあるパソコンで一元化されていますので、患者さんに検査結果をその場でお見せすることができますし、われわれドクターやスタッフも患者さんのことをしっかり把握できるようになっています。
大学病院と同レベルの診療を提供しているということですね。そこにはどんな思いがおありなのでしょう?
私は、大学病院で診なければいけない患者さんと、街のクリニックで診られる患者さんを分けたほうがいいと考えています。街のクリニックで診るべき軽症の患者さんが何時間も待って大学病院を受診すると、より混雑して、病院で診るべき重症の患者さんがさらに待つことになってしまいますよね。それはどちらの患者さんにとってもデメリットになってしまう。だから、大学病院ではなくても大学病院並みの診療を提供できるのであれば、街のクリニックで行ったほうが絶対にいい。そうした思いから、「大学病院」を当院で再現したつもりです。大学病院と同じレベルの診療で、待ち時間が少ない。そうでなければ意味がないと考えています。その体制を常に維持できるようにスタッフ一同、日々研鑽しております。
そもそも先生が医師を志したきっかけは? 泌尿器科を選ばれた理由も併せてお聞かせください。
医師である父の姿を見て育ったので、自ずと医師という職業に憧れを持ちました。自分が病気のときってすごくつらいじゃないですか。すがるような気持ちで受診して治療を受け、ドクターに感謝する。そういう経験をして、医師って素晴らしい仕事だと思い、医師を志しました。泌尿器科を選んだのは、泌尿器科疾患はイメージと違って、全身のいろいろな部位が関係する点に面白みを感じたからです。腎臓や膀胱の他、男性だと前立腺や陰茎・精巣、女性だと尿漏れといった骨盤臓器脱、また首にある副甲状腺は、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌すると尿路結石を引き起こす原因の一つとなり、過去に副甲状腺摘出術という首の手術も経験しました。また夜間頻尿などは高血圧などの内科的疾患が原因に隠れていることがあり、泌尿器科は外科でもあり内科でもあるんです。非常に範疇が広く、体全体を診る必要があり、学ぶべきことがたくさんある。そういうところに惹かれました。
最後に読者の方へメッセージをお願いします。

生まれ育ったこの多摩地区で地域の皆さんのお力になれることに大きな喜びを感じるとともに、改めて気の引き締まる思いでいます。今まで大学病院で経験した泌尿器科診療に加えて、健康に関して何でも相談できるような、街の皆さんのかかりつけ医でありたいと思っています。ただし当院だけですべての症例に対応できるわけではありませんので、地域の病院および他のクリニックと連携し、ご指導・ご協力をいただいて、皆さんの健康をお守りしたいと考えています。男性女性問わず、どんなことでもお気軽にご相談いただければと思います。これからどうぞよろしくお願いします。